鉄道ならではの光景の一つに、駅でのタブレット交換があった。国鉄時代はもちろん、民営化後であっても、全国的に見ることが出来た光景だったと思う。アントンKにとっては、そのタブレット交換で進む一番身近だった路線は八高線だった。駅間に複数列車が走ることのないように行われる駅でのタブレット交換。貨物列車など、駅を通過する際には、ホーム進入時に機関士がタブレット受けに投げ入れ、そしてホームを離れるまでにセット済の次のタブレットを受け取る。今にして思えば非効率そのものに思えるが、そんなシーンの鉄道マンの真剣な眼差しを今でも忘れることは出来ない。そしてルールに裏打ちされた鉄道の底力を感じたものだ。現代の鉄道風景では、忘れられてしまったことだろうが、いつまでも伝えたいシーンの一つなのだ。
ここでは、そんなタブレット閉塞の廃止に伴い、名残りを惜しむように運転された鉄道ファンによる団体列車の画像を掲載したい。今でこそ電車も走る八高線だが、当時北部はローカル線そのものの風情が残っていて、好んで撮影に出向いていた。
1992-04-17 回9236ㇾ DD51 842 JR東日本/八高線:寄居付近