2009年製作 アメリカ 日本未公開 100分
フランク(ロバート・デ・ニーロ)は8ヶ月前に妻を亡くし、独り暮らしをしている。彼にはNYに住むアーティストのデヴィッド(オースティン・リシ)、シカゴで広告会社の重役を務めるエイミー(ケイト・ベッキンセール)、デンバーに住むオーケストラの指揮者ロバート(サム・ロックウェル)、ラスベガスのショーで活躍するロージー(ドリュー・バリモア)の4人の自慢の子供たちがいる。再び家族の絆を深めようと週末にバーベキューを計画するが、ドタキャンに遭い、自分が子ども達を訪ねて驚かそうと、NY、シカゴ、デンバー、ラスベガスへ旅を思いつく。それぞれ仕事で成功して幸せに暮らしていると信じていたフランクだったが、久しぶりに会った彼らはそれぞれ問題を抱えていて、それをフランクに隠している様子。子供たちの素っ気ない態度に落胆するフランクだったが、実は彼らにはどうしても父に伝えられない秘密があった…。
原題 Everybody's Fine
1990年イタリアで公開された同名映画のリメイク作品です。
名優デ・ニーロと豪華な共演陣が贈るしみじみとした余韻のある作品なのに、日本未公開はもったいないなと思いました。
舞台をアメリカに移し、子供の数も4人に減らしていますが、自らの汗と努力で立派に育てた筈の子供たちが、実は彼の思い描いていたような成功者ではなかったという筋書きは元版に忠実なのだろうと思われます。
妻を亡くして気付いた子供たちとの距離を埋めようと企画したバーベキューのために嬉々としてその準備をする姿が冒頭にありますが、その後に味わう失望感や孤独を予想させて切ないシーンです。
厳しすぎるほどに躾けてきたことで逆に子供たちが父親を敬遠し、母親にばかり悩みを打ち明けていたことを知ったり、自分は子供たちに愛されていないのではないかと苦悩する姿は何だか身につまされますが、同時に子供たちの方の事情も早い段階で観る側に示されるので、「あぁ、そうじゃないのに」と歯痒さも。もっとも老いた父を邪魔にする話なら邦画の方が得意かもね(^^; 子供たちには父への愛情もちゃ~~んとありますから、その点は安心して観ることができました。
フランクはフィルムカメラを携帯し、訪問先で子供たちと一緒の写真を撮ります。KYな場面も多々ありますが、子供たちはそんな父親に寛容です。これらのシーンはどちらの気持ちもわかってしまうので、何だか複雑な気持ちになります。
彼らが隠していた真実は、心臓発作で倒れた際に見た幻影の形で、子供たちが幼少時の姿で現れて語る手法がとられています。一人一人を順番に訪問する際にもそれぞれを子供の時の姿と重ねているので違和感はなかったし、フランクと大人になった「子供たち」との距離感をも現しているように思えました。最終的に彼は自分の理想ではなく、生身の子供たちと向き合い、彼らを認めることが出来ました。そして彼らに愛されていることも。♪
この旅で明かされる悲しい事実もありますが、それでもXマスには家族が実家に集まります。
アメリカのXマスは家族で祝う一年で最大のイベントですから(丁度日本のお正月のようなものね)そのことだけでもこの家族の間に再構築された絆を感じることが出来ますね。
冒頭の孤独や寂しさと対をなすこのシーンは、希望と温かさに満ちていました。
フランク(ロバート・デ・ニーロ)は8ヶ月前に妻を亡くし、独り暮らしをしている。彼にはNYに住むアーティストのデヴィッド(オースティン・リシ)、シカゴで広告会社の重役を務めるエイミー(ケイト・ベッキンセール)、デンバーに住むオーケストラの指揮者ロバート(サム・ロックウェル)、ラスベガスのショーで活躍するロージー(ドリュー・バリモア)の4人の自慢の子供たちがいる。再び家族の絆を深めようと週末にバーベキューを計画するが、ドタキャンに遭い、自分が子ども達を訪ねて驚かそうと、NY、シカゴ、デンバー、ラスベガスへ旅を思いつく。それぞれ仕事で成功して幸せに暮らしていると信じていたフランクだったが、久しぶりに会った彼らはそれぞれ問題を抱えていて、それをフランクに隠している様子。子供たちの素っ気ない態度に落胆するフランクだったが、実は彼らにはどうしても父に伝えられない秘密があった…。
原題 Everybody's Fine
1990年イタリアで公開された同名映画のリメイク作品です。
名優デ・ニーロと豪華な共演陣が贈るしみじみとした余韻のある作品なのに、日本未公開はもったいないなと思いました。
舞台をアメリカに移し、子供の数も4人に減らしていますが、自らの汗と努力で立派に育てた筈の子供たちが、実は彼の思い描いていたような成功者ではなかったという筋書きは元版に忠実なのだろうと思われます。
妻を亡くして気付いた子供たちとの距離を埋めようと企画したバーベキューのために嬉々としてその準備をする姿が冒頭にありますが、その後に味わう失望感や孤独を予想させて切ないシーンです。
厳しすぎるほどに躾けてきたことで逆に子供たちが父親を敬遠し、母親にばかり悩みを打ち明けていたことを知ったり、自分は子供たちに愛されていないのではないかと苦悩する姿は何だか身につまされますが、同時に子供たちの方の事情も早い段階で観る側に示されるので、「あぁ、そうじゃないのに」と歯痒さも。もっとも老いた父を邪魔にする話なら邦画の方が得意かもね(^^; 子供たちには父への愛情もちゃ~~んとありますから、その点は安心して観ることができました。
フランクはフィルムカメラを携帯し、訪問先で子供たちと一緒の写真を撮ります。KYな場面も多々ありますが、子供たちはそんな父親に寛容です。これらのシーンはどちらの気持ちもわかってしまうので、何だか複雑な気持ちになります。
彼らが隠していた真実は、心臓発作で倒れた際に見た幻影の形で、子供たちが幼少時の姿で現れて語る手法がとられています。一人一人を順番に訪問する際にもそれぞれを子供の時の姿と重ねているので違和感はなかったし、フランクと大人になった「子供たち」との距離感をも現しているように思えました。最終的に彼は自分の理想ではなく、生身の子供たちと向き合い、彼らを認めることが出来ました。そして彼らに愛されていることも。♪
この旅で明かされる悲しい事実もありますが、それでもXマスには家族が実家に集まります。
アメリカのXマスは家族で祝う一年で最大のイベントですから(丁度日本のお正月のようなものね)そのことだけでもこの家族の間に再構築された絆を感じることが出来ますね。
冒頭の孤独や寂しさと対をなすこのシーンは、希望と温かさに満ちていました。