2009年12月26日公開 フランス 117分
ジュリエット(クリスティン・スコット・トーマス)は息子を殺した罪で15年の服役の後、妹のレア(エルザ・ジルベルスタイン)が身元引受人となり一家に身を寄せる。長い空白期間を経て再会した姉妹はぎこちなく、レアの夫リュック(セルジュ・アザナヴィシウス)は、自分の息子を手に掛けたジュリエットを警戒して娘たちが彼女に近づくのを嫌がる。しかし、レアは姉との失われた年月を取り戻そうと彼女の心が開くのを待っていた・・・。
ジュリエットとレアは年の離れた姉妹です。
それゆえに姉が罪を犯した理由も知らされず、ただ姉はいないものと両親に刷り込まれて大きくなりました。ところが、就職し結婚し、養女をもらって家庭を営む頃になって姉の出所が近いことを知ります。失われた姉妹の絆を取り戻そうというレアの決意は固く、夫の反対を押し切って姉を引き取るのです。
ところが、ジュリエットの方は、妹にも周囲の人にも心を閉ざし続けます。理由や状況がどうあれ、自らの手で愛する息子を死なせたことへの罪悪感や絶望的な悲しみから立ち直れないままだったのです。
そんな彼女を、レアの養女である8歳のプチ・リス(リズ・セギュ-ル)は真っ直ぐに見つめ問いかけ、懐いていきます。二人がピアノの練習をするなかで映画の題名でもある「ずっとあなたを愛してる」というフレーズが出てきますが、年の離れた妹への情愛を感じさせるシーンです。アメリア(リリー=ローズ)のあどけなさも映画の持つ重苦しさを和らげてくれます。
ベトナム人の養女やレアの夫の友人のイスラム系の人など、登場人物たちの人種設定にもフランスらしさが現れていました。
病気で口が聞けなくなったレアの義父(ジャン=クロード・アルノー)もジュリエットにとっては気の安らぐ存在でした。いつも自室で静かに本を読んでいる彼の眼差しの温かさが彼女にとっては大きな癒しでもあったようです。
ジュリエットが面談するフォレ警部(フレデリック・ピエロ)やカウンセラー(カトリーヌ・オスマラン)も彼女に親切です。徐々にですが、彼女は周囲の人間への警戒心を解いていきます。レアの同僚ミシェル(ロラン・グレヴィル)との穏やかな友情がやがて恋に変わる予感も良い感じ。警官の自殺はどう解釈してよいのか迷うところですが、人は他人に見せない苦しみや悩みをそれぞれ抱えて生きているのだと伝えているのでしょうか?
姉妹が認知症の母親(クレール・ジョンストン)のいる施設を訪れるシーンでは、レアのことは全く覚えていない母が、ジュリエットを見るなり抱きしめ、「学校から帰ったの?」と語りかけます。罪を犯したことでジュリエットを全否定し拒絶していたと思われるこの母親の態度にジュリエットは動揺しますが、同時にこの時赦しを感じていたかもしれません。(ちなみに父親は既に死去しています。)
こうして少しずつジュリエットは周囲に打ち解けていきますが、アメリアが彼女の部屋で見つけた古い手紙と写真により、レアは姉の犯した罪の理由を知ることになります。
ジュリエットの慟哭に寄り添いただ抱きしめるレア。姉妹が互いを受け入れた瞬間です。
ジュリエット(クリスティン・スコット・トーマス)は息子を殺した罪で15年の服役の後、妹のレア(エルザ・ジルベルスタイン)が身元引受人となり一家に身を寄せる。長い空白期間を経て再会した姉妹はぎこちなく、レアの夫リュック(セルジュ・アザナヴィシウス)は、自分の息子を手に掛けたジュリエットを警戒して娘たちが彼女に近づくのを嫌がる。しかし、レアは姉との失われた年月を取り戻そうと彼女の心が開くのを待っていた・・・。
ジュリエットとレアは年の離れた姉妹です。
それゆえに姉が罪を犯した理由も知らされず、ただ姉はいないものと両親に刷り込まれて大きくなりました。ところが、就職し結婚し、養女をもらって家庭を営む頃になって姉の出所が近いことを知ります。失われた姉妹の絆を取り戻そうというレアの決意は固く、夫の反対を押し切って姉を引き取るのです。
ところが、ジュリエットの方は、妹にも周囲の人にも心を閉ざし続けます。理由や状況がどうあれ、自らの手で愛する息子を死なせたことへの罪悪感や絶望的な悲しみから立ち直れないままだったのです。
そんな彼女を、レアの養女である8歳のプチ・リス(リズ・セギュ-ル)は真っ直ぐに見つめ問いかけ、懐いていきます。二人がピアノの練習をするなかで映画の題名でもある「ずっとあなたを愛してる」というフレーズが出てきますが、年の離れた妹への情愛を感じさせるシーンです。アメリア(リリー=ローズ)のあどけなさも映画の持つ重苦しさを和らげてくれます。
ベトナム人の養女やレアの夫の友人のイスラム系の人など、登場人物たちの人種設定にもフランスらしさが現れていました。
病気で口が聞けなくなったレアの義父(ジャン=クロード・アルノー)もジュリエットにとっては気の安らぐ存在でした。いつも自室で静かに本を読んでいる彼の眼差しの温かさが彼女にとっては大きな癒しでもあったようです。
ジュリエットが面談するフォレ警部(フレデリック・ピエロ)やカウンセラー(カトリーヌ・オスマラン)も彼女に親切です。徐々にですが、彼女は周囲の人間への警戒心を解いていきます。レアの同僚ミシェル(ロラン・グレヴィル)との穏やかな友情がやがて恋に変わる予感も良い感じ。警官の自殺はどう解釈してよいのか迷うところですが、人は他人に見せない苦しみや悩みをそれぞれ抱えて生きているのだと伝えているのでしょうか?
姉妹が認知症の母親(クレール・ジョンストン)のいる施設を訪れるシーンでは、レアのことは全く覚えていない母が、ジュリエットを見るなり抱きしめ、「学校から帰ったの?」と語りかけます。罪を犯したことでジュリエットを全否定し拒絶していたと思われるこの母親の態度にジュリエットは動揺しますが、同時にこの時赦しを感じていたかもしれません。(ちなみに父親は既に死去しています。)
こうして少しずつジュリエットは周囲に打ち解けていきますが、アメリアが彼女の部屋で見つけた古い手紙と写真により、レアは姉の犯した罪の理由を知ることになります。
ジュリエットの慟哭に寄り添いただ抱きしめるレア。姉妹が互いを受け入れた瞬間です。