2018年8月24日公開 アメリカ 110分
史上最強の犯罪ドリームチーム「オーシャンズ」を率いたカリスマ的リーダー、ダニー・オーシャンの妹デビー(サンドラ・ブロック)が5年の刑期を終えて仮釈放された。出所して早々、刑務所の中で考え抜いた計画を実行すべく、デビーの右腕となるルー(ケイト・ブランシェット)と共に、個性豊かな犯罪プロフェッショナルを集め「オーシャンズ」を新結成する。集まったのはいずれも一流の才能を持ちながら冴えない生活を送っている、ハッカー(リアーナ)、スリ(オークワフィナ)、盗品ディーラー(サラ・ポールソン)、ファッションデザイナー(ヘレナ・ボナム・カーター)、宝飾デザイナー(ミンディ・カリング)たち。ターゲットは世界最大のファッションの祭典「メットガラ」で、ハリウッド女優ダフネ・クルーガー(アン・ハサウェイ)が身に着ける1億5000万ドルの宝石!しかしそこには網の目を張り巡らされた防犯カメラや屈強な男たちといった世界一厳しいセキュリティが立ちはだかり、一秒のミスも命取りとなる。しかも世界中に生配信されるこの祭典のさなかに宝石を盗み取るという前代未聞で型破りなこの計画は果たして成功するのか?そしてこの計画に隠されたデビーのもう一つのさらなる計画とは?
ダニーの妹デビー・オーシャンが主人公の「オーシャンズ」の女性バージョンです。
仮出所を前にした面接で「犯罪をせず普通の生活を送りたい」と言ったその舌の根も乾かないうち、出所後次々と犯罪を重ねるデビーはどう見ても犯罪一家の純血種 予告でも登場する化粧品の返品詐欺から始まり、豪華ホテルの宿泊まで華麗な手口を魅せてくれます。
ダニーが死んだという設定にちょっと驚きましたが、事実かどうかは最後までぼかしているので、たぶん・・おそらく健在かと思うのですが、逆にあのシリーズは「13」で終了ということであれば、彼の死という布石はある意味最強の切り札にもなるってことかな
今回は女性版「オーシャンズ」なので、とにかくゴージャス・華麗な場面設定で目の保養にうってつけです。
豪華なドレスやジュエリーの数々。その中でもひときわ美しいカルティエ所蔵の「トゥーサン」が彼女たちのターゲットです。
普段、金庫の中で厳重に保管されているこのネックレスを世界的なイベントで有名女優に身に着けさせることで外に持ち出させて盗み出すという大胆な計画のために集められた5人とサポート役のルー、そして計画を立てたデビー・・・あれ?一人足りないでもその理由は計画が成功した後に明らかになるんですね
ちなみに「メットガラ」の“メット”は“メトロポリタン美術館”、“ガラ”は“お祭り”という意味で、メトロポリタン美術館の服飾部門による資金集めのパーティなんだそう。
個人的には主人公のデビーより、サポート役のルーのクールさに惹かれます ケイトのイメージがちょっと変わったほど
ヘレナの天然なコメディアンヌぶりも楽しいです。アンが演じた騙され役のダフネが意外に賢いキャラだったのも良かったな。
デビーの計画には、自分をはめた元カレのクロード・ベッカー(リチャード・アーミティッジ)への復讐も含まれていました。それを知ったルーは手を引こうとするのですが、デビーの気持ちを汲んで協力を続けます。この辺の「女の友情」は、仲間全体にも共有されていくんですね
会場でダフネが身に着けたネックレスを奪う過程は、綿密な計画に裏付けられていて概ね安心して観ていられますが、もちろん思わぬハプニングも仕込まれているし、それに対処する様子もスリリングで面白かったです。事件の捜査に動くのが、ダニーやデビーを刑務所送りにした保険調査員というのも因縁ありますね デビーは彼に対する復讐も果たしたってことかな。
さらに、無事全てが終わった後で明かされる「もう一つの窃盗」。これもシリーズお馴染みの展開ですが、会場内に展示されている豪華なドレスと宝石の映像は伏線でもあったんですね
難を言えば、ネックレスは特殊なキーがないと外せないはずなのに、どうやって「落とした」んだ?とか、ダニーは仮出所なんだから、すぐに仲間とのつながりがばれるんじゃないの?とか突っ込みどころはありますが、まずは華麗な「オーシャンズ8」たちの活躍を楽しむにとどめておきましょう
元祖オーシャンズのメンバーであるルーベンやイェンも登場していたのもシリーズのファンには嬉しいサプライズでした。