2018年製作 アメリカ 85分
エル(ロレート・ペラルタ)は人魚や妖精を信じる病弱な少女です。叔父で新聞記者のキャム(ウィリアム・モーズリー)はエルの病を治してやりたいと思っていました。そんなある日、上司から「ロック博士の奇跡の人魚の万能薬」の取材をするよう命じられた彼は、エルを連れてミシシッピにあるサーカス団を訪ねます。ミシシッピの人魚ショーを見たエルは信じますが、キャムはトリックだと信じませんでした。万能薬は売り切れで入荷は未定と言われたキャムは、その薬を買って使った人たちやサーカスの団長のロック(アルマンド・グティエレス)に取材をしますが、薬が本物であるという確信を得ることはできませんでした。
森を散歩していた二人は、ショーに出ていたエリザベス(ポピー・ドレイトン)に会います。彼女には足がありました。干潮時には足が出るのだと彼女は言いました。エリザベスに興味を持ったキャムはサーカスの休演日にこっそり忍び込み、ロックの怪しい行動を目撃します。実はロックはエリザベスを騙して魂を手に入れ、彼女を支配していたのです。万能薬の正体はエリザベスの泳いだ水だったのです。満潮の夜、エリザベスと過ごしたキャムは、彼女の足がヒレに変わるのを目撃して人魚の存在を信じます。
ロックはエルに魔法の力を持つ人魚の心があると知って、誘拐します。サーカスに向かい、エルを見つけたキャムは、エリザベスの魂をロックの隠し場所から奪い、彼女の味方の占い師と狼の風貌をした男と共にエリザベスを救いだして逃げます。海に向かった一行は追いかけてきたロックや手下たちを倒し、魂を取り戻したエリザベスは、海へ帰っていきました。
映画の冒頭で、おばあさん(シャーリー・マクレーン)が孫娘たちにアンデルセンの「人魚姫」のお話を読み聞かせた後、もう一つの物語を語り始めます。その話が終わると咳をしたおばあさんは「ちょっと泳いでくる」と言うのです。本編のラストで、咳き込むエルを海中に連れて行ったエリザベスが戻ってくると「苦しくなったら海に入りなさい」と話すシーンに繋がっていくんですね。ここでおばあさんがエルであることが示されて、映画は終わります。
大人の恋愛要素は低いです。キャムとエリザベスは結ばれなかったのね
本作ではサーカスの描写がとてもファンタジックです。特に夜のサーカスの煌めく灯りと、立ち並ぶテントの幻想的な風景が魅惑的です。
怪しげな雰囲気の団長は丁寧な物腰の下に見え隠れする狡さと恐ろしさをまとい、その部下の残忍さも子供の目にはさぞ恐ろしく映ることでしょう。逆に怪しげに見えた占い師の女性や狼のような容姿の男性が、本当は善い人間であることも、子供たちにはすぐにわかるんじゃないかしら。
ロックとの対決シーンはちょっと「ドラゴンボール」を連想してしまいました。気のパワーで戦う図
エルの病気は症状だけみると喘息に見えるのだけど(あの水薬は咳止め?)まぁ、ファンタジーなのでそこは置いとかないとね