杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

輝ける人生

2019年02月19日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2018年8月25日公開 イギリス 114分

35年寄り添った夫マイク(ジョン・セッションズ)がナイトの称号を授与され“レディ”となったサンドラ(イメルダ・スタウントン)。順風満帆の人生だったが、夫と親友の浮気現場を目撃、傷心でロンドンに住む姉ビフ(セリア・イムリー)の家に転がり込む。金や名誉とは無縁のビフは、なんでも話せる親友のチャーリー(ティモシー・スポール)やダンス教室の仲間のジャッキー(ジョアンナ・ラムレー)やテッド(デビッド・ヘイマン)たちに囲まれて、人生を心から謳歌していた。妹の窮地を心配する姉は、サンドラをダンス教室へ無理やり連れていく。音楽とダンスは、かつてダンサーを目指したこともあるサンドラの心を癒し、忘れかけていた情熱を思い出させるのだった――。(公式HPより)


長年連れ添った夫の浮気をきっかけに人生を見つめなおすことになる女性の姿を、笑いと涙、音楽とダンスを交えて描いた人生賛歌のドラマです。ダンス教室の仲間には元プロダンサー20名が出演していますが、主演たちは未経験でかなりレッスンをしたとか

主題は「人生は何歳になってもやり直せる」でしょう。

初めのうちは『ハリー・ポッター』シリーズのドローレス・アンブリッジとピーター・ペティグリューの印象が強かった二人なのですが、次第にサンドラとチャーリーとして見えてくるあたりは流石名優です 特にティモシー・スポールのネズミ顔がどんどん魅力的に見えてくるから面白い

老後は夫と二人の生活を楽しむつもりだったサンドラは、夫の浮気相手が親友だと知りどん底の気分に陥ります。悲劇の主人公よろしく頑なになった心は、周囲の人間に棘となって突き刺さるのですが、そんな妹を心配して姉は色々世話を焼くんですね。で、そのやり方も決して押しつけがましくないの。夫の「妻は家事と育児だけをしていればいい」という保守的な考えに染まって若い頃の夢だったダンスも諦め、夫の浮気癖にも耐えてきたサンドラは、本音では夫が非を認めて謝罪して連れ戻しに来ることを期待していました。でも夫が送ってきたのは離婚届けの書類。ビフはサンドラにこれからは自分を第一に考えて新しい人生を始めるよう諭します。

実はビフは癌に侵されていたのですが、延命治療を拒否し、自分の人生を最後まで楽しんで逝きます。ダンス教室の仲間たちとイタリアに招待され、披露したダンスシーンがとても楽しく素敵でした この姉妹は少し年が離れている設定ですが、こんな素敵な姉を持ったサンドラが少し羨ましく感じました。

初めは険悪だったチャーリーとの関係もダンス教室に参加し、姉の友人として親しく付き合うようになると次第に打ち解け、互いに恋心を抱くようになります。イタリアで心を解き放ったかに思えたサンドラですが、チャーリーには認知症を患い、夫の存在も忘れてしまった妻がいると知って、浮気された自分が愛人関係を受け入れるのは無理と彼を拒絶します。そこへマイクが浮気相手と破局し、よりを戻してほしいとやってくるんですね。

あらあら、元鞘ですか~~やっぱりスノップなのね~と見ていると・・・ラストはサンドラの思い切った決断にです。

チャーリーの妻の死で彼が独身になったことも大きな理由の一つではありますが、そりゃそうだ!自分を偽り、押さえつけられたままの人生を送るより、心が示す方向に歩き出す方が絶対後悔しないものね それにしてもマイクはまさしくスノップ(見栄っ張りな俗物)だったな~


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