杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

大人のためのグリム童話 手をなくした少女

2019年02月14日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2018年8月18日公開 フランス 80分

水車小屋に暮らす父・母・娘の三人家族。水も枯れ果て、日々の食料にも困っている。ある日、父親の元に悪魔が現れる。「水車の裏にあるもの」と引き換えに、黄金を与えようというのだ。林檎の木だと思い込んだ父親は取引に応じ、枯れていた川に黄金が流れ込む。生活が変わる。しかし悪魔が求めたのはその林檎の木に登っていたもの――彼の一人娘だった。富を失いたくない父親は、悪魔に追い詰められる。母親は野犬に食われて死んだ。娘は窮地の父親を救うため、自分の両腕を切り落とさせる。父親との関係性にもウンザリした娘は家を出る。父親は絶望し命を断つ

腕を失った少女は雨のなか森を行く。生きるために梨を食べようとするが、足を滑らし、川に落ちる。そこで彼女を待つのは川の精だった。川の精は語る――梨は王子のものであること、少女がそれを求めることは運命なのだという。王宮に足を踏み入れる少女を、王子は受け入れ、后とする。結婚式で少女は金色の義手を得る。充分な食料と愛。何一つ不自由ない生活。子供も授かった。だが、戦争が始まった。王子は戦いに出る。そして悪魔が暗躍する。出産の知らせの手紙を書き換え、化物の赤子が生まれたと王様に信じさせる。さらには、庭師を騙し、母親もろとも殺すよう仕向ける。少女は生まれたばかりの赤子を抱え、王宮から逃げ出す。庭師から密かに渡された、新世界からの魔法の種を懐に入れて。

赤子を抱え様々な地を転々とする少女は、川の精に導かれながら、安住の地を見つけだす。実用性に欠いた黄金の義手は捨て去り、自らの腕で血を流しながらその地を耕し、種を植え、自給自足の生活をする。一方戦争に敗れた王子が城へと戻ってくる。悪魔の策略に気づき、妻と息子を探すため再び旅に出る。数年が経った。少女は母となり、息子は元気に育った。旅を続ける王子はいつしか妻の生家に辿り着く。そこにあるのは自ら命を断った父親らしき男の姿、黄金の川のほとりに流れ着いた義手、そして、白骨化した両腕。その骨のひとかけらを王子はそっと飲み込む。悪魔はまだ諦めない。ついに王子が愛する妻と息子と再会するなか、いまや母親となった少女の魂をめぐる、最後の戦いが始まる。その果てに、少女とその家族が最後に向かう場所は、はたして?(公式HPより)

 

19世紀初頭に書かれたグリム童話に初版から収録されている民話「手なしむすめ」の長編アニメーション映画です。

「クリプトキノグラフィー」という独特の映像表現手法でアニメ化されていて、アヌシー国際アニメーション映画祭の審査員特別賞や、東京アニメアワードフェスティバル2017長編アニメーショングランプリを受賞しているそうですが、正直に言うと「かぐや姫の物語」の習作の印象を受けました。画が粗くて見ていて疲れるんです これが進化した手法というなら個人的には「かぐや姫~」程度で十分かなと

親の庇護から脱して自分の運命を自ら切り拓く娘のお話で、王子が迎えにきても城には帰らず、新しい場所(世界?)を求めるあたりはまさに現代的。王子が娘に従うというのも新しい見解ですね ちなみにこの結末は原作とは異なるようです。


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