杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

奥様は、取り扱い注意

2021年11月13日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2021年3月19日公開 119分 G

元特殊工作員だった過去を持つ専業主婦・伊佐山菜美綾瀬はるか)と、実は現役の公安警察であり菜美を監視する優しい夫・伊佐山勇輝西島秀俊)の二人は、桜井久実裕司に名前を変えて、小さな地方都市・珠海市で新しい生活を始めていた。
実は半年前、ある出来事がきっかけで菜美は記憶喪失になっていたのだった―。「過去なんて捨てて、あなたとの今を大事にして生きていく」
二人が新生活を送る珠海市は、新エネルギー源「メタンハイドレート」の発掘に活気づいていたが、美しい海を守ろうとする開発反対派と、市長(檀れい)をはじめとする推進派の争いが日に日に激化。実は新エネルギー源開発の裏で、ロシアと結託した国家レベルの陰謀が潜んでいることを突き止めた公安。「公安の協力者にならなければあの女を殺せ」信じるか、疑うか。逃がすか、拘束するか―― 。葛藤する裕司(勇輝)。
菜美の記憶の回復は、愛し合う二人の別れ(死)を意味する。
そんな中、過去の因縁と国家に追われ、久実(菜美)は大きな事件へと巻き込まれてゆく―。(公式HPより)
 
 
綾瀬はるかと西島秀俊が元特殊工作員と公安エリートの夫婦を演じたドラマの劇場版です。監督は「カイジ ファイナルゲーム」の佐藤東弥。

上司の池辺(小日向文世)から珠海市での任務と菜美の監視を命じられた伊佐山。高校の教師として働きながら妻の行動を追跡する一方で「メタンハイドレート」調査基地の建設に絡む疑惑の調査を始めます。同僚の生物教師・矢部(鈴木浩介)は珠海市の海を守ろうと基地建設に反対していますが、彼の元妻が推進派の市長なんですね。五十嵐(六平直政)は反対派のリーダーで市長選に立候補していますが、推進派の妨害工作に苦しめられていました。

記憶を失くした久実(菜美)は、定期的に精神科医(前田敦子)のカウンセリングを受けています。(実は医者も公安の協力者だと後で判明するのですが)カラフルな積み木で精神状態を推測するらしいけど、あんな治療法あるの??

記憶を失くしている彼女はごく平凡な奥さん然としていますが、目に生気が感じられません。後半のアクションシーンの彼女とは明らかに違いがあります。その辺の演技はしっかりできていて (そういえば浅利陽介が青果店主として出演してました

車に轢かれそうになった事件が縁で、矢部の教え子でダイニングバーを経営している珠里(岡田健史)と親しくなった久実は彼のバーを手伝うようになります。空手部の実力選手だった珠里の趣味はコスプレで、後に反対派のメンバーを助ける伏線にもなっていました。その行為を久実の仕業と疑う裕司でしたが、久実は「いつか一緒にカフェを開きたい」と夢を語り、絵を見せます。そこには子供を挟んで手をつなぐ二人が描かれていました。 

調査会社社長の横尾(みのすけ)は開発コンサルティング会社社長の浅沼(佐野史郎)の指示で裏組織と癒着していました。メタンハイドレートは10年で枯渇することに気付いた人物は殺され、彼が遺したデータを狙って反対派を潰そうと目論んでいました。裏組織にはドラグノフ(セルゲイ・ヴラソフ)というロシアの諜報員も絡んでいて、彼は過去に菜美に兄弟を殺され、怪我を負わされていて、彼女に復讐しようと乗り込んできて、伊佐山に狙いをつけます。菜美の愛する夫を苦しめ殺すことで彼女を苦しめようというわけです。

実は、本当の黒幕は、ドラグノフに菜美の情報を売っていた伊佐山の上司の神岡(鶴見辰吾)で、組織の情報を流していた犯人をあぶり出すために池辺が伊佐山夫婦を囮にしていたのね 更に、菜美は途中から記憶を取り戻していて(もしかしたら最初から?)お芝居していたという

互いの正体がばれてからはアクションシーン全開です。喧嘩しながら敵を倒すなどは『Mr.&Mrs. スミス』を連想させますね (それにしてもドラグノフ役の人、アクションは良いとして演技下手~~

記憶が戻った菜美が公安の協力者にならない以上は彼女を殺さねばなりません。胸に銃弾を受け海に沈んでいきますが、絶対裏があるよね~!と素直に悲しめない自分が逆に寂しい だって、夫婦でTVを見ているシーンで伏線ありましたもん

案の定、ラストは謎の微笑みを浮かべてコロッケを頬張る伊佐山と、どこか外国で銃痕のある胸をチラ見させ去っていく菜美の姿でした。

結局この夫婦はどちらも最終的に自分の「仕事」を選んだわけですが、確かに普通の主婦をしていた時の彼女より本業をしている彼女の方が魅力的で、彼もそのことをよくわかっていたということですね


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