2021年10月22日 金曜ロードショー放送
とある国の副大統領の誕生パーティーに、ルパン(声:栗田貫一)が送ったものではないニセの予告状が届いた。その届け主を探るため、ルパン一味はパーティーに潜入するが、待ち受けていた銭形警部(声:納谷悟朗)に追い詰められてしまう。あと一歩で捕まると思われたそのとき、銭形が何者かの銃によって撃たれてしまう。ルパンが銃弾が放たれた先を見ると、そこには、ワルサーP38を構える何者かの姿があった。その銃は、かつて駆け出しのころのルパンが持っていたもので、かつての相棒に裏切られたときに奪われたものだった。銭形を撃った犯人を、その手の甲の入れ墨から、暗殺者集団の“タランチュラ”のものであると推理したルパン。かつての相棒との因縁の決着をつけるために、彼らのアジトがある島へと潜入する。タランチュラのアジトに無事に潜入したルパン一行。しかし、暗殺者エレン(声:篠原恵美)によって捕まってしまったルパンは、ボスであるゴルドーのもとへと連れて行かれ、注射をさせられてしまう。その注射は、島から発生するガスを吸わないと活性化し、人間を死に至らしめる強力な毒だった。アジトから逃げられなくなってしまったルパンだが、組織から抜け出したい暗殺者集団の助力を得て、解毒剤を作成する計画を打ち立てる。はたしてルパンは、過去と決別するという目的を達成し、無事にアジトから抜け出せるのか!?(TV番組HPより)
1997年に制作されたスペシャルシリーズの第9弾で、若き日のルパンが愛用していた名銃“ワルサーP38”を巡る、ルパンの過去が暴かれる作品となっています。コミカルな要素は影を潜めていてダークでシリアスな展開で、ハードボイルドなルパンです。
毒を注入され、島に縛り付けられている殺し屋たちですが、エレンの仲間はそれを良しとせず、自由を求めています。一方殺しを楽しむ者たちは望んでその生き方を享受しています。解毒薬を開発した医師こそがゴルドーを陰で操る黒幕で、ルパンたちに与えた薬は一時的なものでした。
一時の自由を味わい、ルパンを庇って死んでいくヒロイン。結局タランチュラは全滅しますが、組織の恩恵を受けていたのが世界各国の指導者層たちという現実を皮肉っているような筋書きでした。 実際あり得ない話でもなさそうに見えるのが恐いですね。
飛行船に島の毒ガスを満載して逃げるルパン一味です。あらゆる分野に秀でたルパンですから時間があれば解毒薬を作るのも確実なわけね
今作ではゼニガタ警部は満身創痍状態で、補佐についた刑事からお笑いの天丼のようにダメージを与えられ、これが唯一のコメディ要素でした。