杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

キャラクター

2021年11月28日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2021年6月11日公開 125分 PG12

漫画家として売れることを夢見る主人公・山城圭吾(菅田将暉)。高い画力があるにも関わらず、お人好しすぎる性格ゆえにリアルな悪役キャラクターを描くことができず、万年アシスタント生活を送っていた。ある日、師匠の依頼で「誰が見ても幸せそうな家」のスケッチに出かける山城。住宅街の中に不思議な魅力を感じる一軒家を見つけ、ふとしたことから中に足を踏み入れてしまう。そこで彼が目にしたのは、見るも無残な姿になり果てた4人家族……そして、彼らの前に佇む一人の男(「SEKAI NO OWARI」のボーカルFukase)。
事件の第一発見者となった山城は、警察の取り調べに対して「犯人の顔は見ていない」と嘘をつく。
それどころか、自分だけが知っている犯人を基に殺人鬼の主人公“ダガー”を生み出し、サスペンス漫画「34(さんじゅうし)」を描き始める。
山城に欠けていた本物の【悪】を描いた漫画は異例の大ヒット。山城は売れっ子漫画家となり、
恋人の夏美(高畑充希)とも結婚。二人は誰が見ても順風満帆の生活を手に入れた。
しかし、まるで漫画「34」で描かれた物語を模したような、4人家族が次々と狙われる事件が続く。
刑事の清田俊介(小栗旬)は、あまりにも漫画の内容と事件が酷似していることを不審に思い、山城に目をつける。共に事件を追う真壁孝太(中村獅童)は、やや暴走しがちな清田を心配しつつも温かく見守るのだった。
そんな中、山城の前に、再びあの男が姿を現す。
「両角って言います。先生が描いたもの、リアルに再現しておきましたから。」
交わってしまった二人。山城を待ち受ける“結末”とは?(公式HPより)
 
 
お人好しな性格ゆえに、人の悪を描けず苦悩する才能のない漫画家が、殺人事件の犯人と出会ったことで運命に翻弄されていく姿を描いたダークエンタテインメント作品です。菅田君の演技もですが、とにかく本作が俳優デビューのFukaseの演技に圧倒されました。
 
そもそも、なんでダークホラー?性格を考えたら「ほのぼの系」の方が合ってるんじゃね?という疑問は置いといて
作画は上手でもキャラに深みがないため一向に芽が出ない山城は、とうとう漫画家を諦めようとしますが、その最後の夜に事件に遭遇しちゃうんですね 凄惨な現場を目撃した彼の中で何かが変わります。警察の事情聴取に「犯人の顔は見ていない」と嘘を付いて描いた作品が大ヒット。リアルにインスピレーションを得たのだから、犯人を投影したキャラにも作品自体にもある種の魂が宿って当たり前かも。
 
鳴かず飛ばずの山城を陰で支えてきた恋人・川瀬夏美(高畑充希)と結婚して、セキュリティー厳重な豪華マンションに居を構えますが、彼の中で押さえようのない不安が頭をもたげます。彼が描いた漫画「34」と事件の関連性にいち早く気付いて真相を探り出した清田刑事があんなことになる展開は予想外でしたが、周囲の人間、特に夏美に危害が及びそうになったことで、山城は自分を囮に犯人逮捕に協力を決意します。
犯人の両角がコンタクトしてきて「あなたの作品通りに模しておきました」と誇らしげに話しかける場面などは背筋が凍る怖さです。罪を犯すことへの罪悪感を全く持たない彼は明らかに性格異常者。幸せな4人家族に拘る理由として、彼の特殊な生育環境も明らかになりますが、だからと言って許されるとか同情する余地は全くないただただ、気味悪さが残りました。
 
山城は実家の家族を想定して囮を準備しますが、夏美は双子を妊娠していて、ターゲットとなります。必死に妻を守ろうとする場面はもはやスプラッターホラー。(刺されまくるけど、死なないのね
 
真壁らが駆けつけ両角は捕まり一件落着かと思わせておいて・・・二人が揉み合って倒れた際の位置関係が漫画と逆だったこともあり、何だか両角と山城の心が入れ替わったかのような含みのあるラストがさらに恐怖を煽ってきました
 
俳優陣に興味を惹かれて観ましたが、やっぱりコレ系は苦手だ~~

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