2023年2月10日公開 アメリカ 189分 R15+
1920年代のハリウッドは、すべての夢が叶う場所。サイレント映画の大スター、ジャック(ブラッド・ピット)は毎晩開かれる映画業界の豪華なパーティの主役だ。会場では大スターを夢見る、新人女優ネリー(マーゴット・ロビー)と、映画製作を夢見る青年マニー(ディエゴ・カルバ)が、運命的な出会いを果たし、心を通わせる。恐れ知らずで奔放なネリーは、特別な輝きで周囲を魅了し、スターへの道を駆け上がっていく。マニーもまた、ジャックの助手として映画界での一歩を踏み出す。しかし時は、サイレント映画からトーキーへと移り変わる激動の時代。映画界の革命は、大きな波となり、それぞれの運命を巻き込んでいく。果たして3人の夢が迎える結末は…?(公式HPより)
ゴージャスでクレイジーなハリウッド黄金時代の豪華なファッション、ド派手なパーティ、規格外の映画撮影や熱狂的ジャズミュージックが、とても刺激的な作品です。昔からの映画好きにはたまらないと思うのですが、3時間は長いぞ😩
1926年のロサンゼルスはサイレント映画の黄金期。映画製作会社・キノスコープ社の重役ドン・ワラック(ジェフ・ガーリン )の使用人として働くメキシコ系アメリカ人のマニーは、映画業界のパーティに潜り込もうとした新人女優ネリーを助け会場へ招き入れます。ネリーと
ドラッグをキメながら互いの夢を語り合います。
歌手フェイ(リー・ジュン・リー)や、黒人トランペッターのシドニー(ジョヴァン・アデポ)らが場を盛り上げて白熱していく会場で、踊り狂うネリーはドン・ワラックの目にとまり代役のチャンスを掴みます。マニーも泥酔したジャックを介抱したことがきっかけとなり付き人として雇われます。
端役の娼婦を演じたネリーは、持ち前の色気と涙を操る演技力で主役の座を奪い取り、マニーも現場をピンチから救ったことで周囲の信頼を得て出世していきます。
映画業界の中でそれぞれ活躍していく2人でしたが、サイレント映画に代わり、トーキー映画が現れます。長編トーキー映画『ジャズ・シンガー』を観たマニーは、ジャックに「時代が変わる」と興奮しながら報告します。
映画業界の中でそれぞれ活躍していく2人でしたが、サイレント映画に代わり、トーキー映画が現れます。長編トーキー映画『ジャズ・シンガー』を観たマニーは、ジャックに「時代が変わる」と興奮しながら報告します。
新たな可能性を見出したジャックは、トーキー映画に意欲的に取り組むようになります。
トーキー映画でミュージカル映画が注目を浴びるようになり、マニーはシドニーたち演奏者を前面に出した映画製作で高評価を得て、キノスコープから重役待遇で迎え入れられます。その一方で、意に染まぬ状況を是としないシドニーは映画業界を去りジャズクラブへ戻っていきます。
大女優となっていたネリーでしたが、トーキー映画のセリフの暗唱や声の出し方に苦労して次第に自信を失い、酒やドラッグに溺れるようになります。ネリーを再び輝かせようと、マニーは売り込みのために上流階級のパーティに出席させますが、逆効果となってしまいます。上辺だけの気取った世界に我慢の限界がきたネリーは暴言を吐いたばかりでなく実際にゲロっちゃうんですね。😞 業界の嫌われ者誕生ってわけです。
トーキー映画にチャレンジしたジャックでしたが、観客からは演技を馬鹿にされ嗤われ、自分が最早大スターではなくなりつつあるのを肌で感じます。長い付き合いのゴシップ・コラムニストのエリノア(ジーン・スマート)が書いた自分を酷評する記事を読んで激怒し彼女に詰め寄ったジャックに、彼女は「貴方の時代は終わったけれど、私と違って死んだ後でもその姿は映画に残り続ける」と言います。彼女なりのジャックへの引導と労わりの言葉ですね😊
駄作のオファーしか来なくなっても受け入れる努力をしていたジャックでしたが、親友のジョージ(ルーカス・ハース )の自殺(女性に振られるたびに衝動的に自殺しようとするジョージをジャックは何度も止めていて、その様子がコミカルだったのですが、最後に間に合わなかったわけですね。)を知って完全に打ちのめされてホテルの部屋で拳銃自殺をしてしまいます。
一方、業界に居場所がなくなってますます酒やドラッグ、賭博に溺れていたネリーは、賭博で大負けして8万ドルの借金を負い、マニーに泣きつきます。キノスコープから借りた8万ドルを持ちギャングのボスのマッケイ(トビー・マグワイア)のもとへ向かったマニーに、マッケイは脚本のアイディアを上機嫌に語ります。でもそのお金は小道具係が作った偽札だったのです。強引に連れていかれた秘密のパーティで偽札がバレて、怒りを買ったマニーは、ネリーを連れてメキシコへ逃げようとします。
でも途中でネリーは彼の元から消えてしまいます。(愛を打ち明けた彼を受け入れたように見えたネリーですが、自分といたら彼は不幸になると考えて自ら身を引いたように見えました。)後日、ネリーがホテルで遺体となって発見されたと報じられました。
時は流れ 1952年。NYでラジオショップを営んでいたマニーは妻子とハリウッドを訪れます。『雨に唄えば』がかかる映画館で独り、ネリーやジャック、シドニーやフェイたちと過ごしたサイレント時代の日々を思い出して感極まり涙を流すマニーなのでした。