2020年製作 155分 G
ミサトの率いる反ネルフ組織ヴィレは、コア化で赤く染まったパリ旧市街にいた。旗艦AAAヴンダーから選抜隊が降下し、残された封印柱に取りつく。復元オペの作業可能時間はわずか720秒。決死の作戦遂行中、ネルフのEVAが大群で接近し、マリの改8号機が迎撃を開始した。一方、シンジ、アスカ、アヤナミレイ(仮称)の3人は日本の大地をさまよい歩いていた……。(あらすじ紹介より)
1995~96年放送のTVシリーズ「新世紀エヴァンゲリオン」を再構築した、庵野秀明監督「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」シリーズの完結編。
2007年公開第1部「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」(2007年公開)、第2部「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」(2009年公開)、第3部「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」(2012年公開)に続き、「新劇場版」シリーズの集大成となる作品です。テーマソングは、これまで同様宇多田ヒカル。
「3.0+1.11」とは2021年3月8日公開の『シン・エヴァンゲリオン劇場版EVANGELION:3.0+1.0 THRICE UPON A TIME』を一部調整した「3.0+1.01」バージョン(同年6月12日公開)を更に一部調整を重ねたバージョンだそうです。
今作のアヤナミは『序』『破』に登場したレイとは別個体のユイの複製体です。ヴィレと合流するため、リリン(人類)の活動可能領域を目指してコア化した大地を歩く3人。(正直、前作から時間が経ってるので内容うろ覚えです😞 )
倒れたシンジを助けたのは、大人になったトウジやケンスケたちかつての同級生でした。彼らはニアサードインパクトを生き残った人々の集落「第三村」で、ヴィレ設立の支援組織「クレイディト」の助力を得て暮らしていました。(トウジとヒカリは結婚して娘ツバメがいます。)
アスカとシンジはケンスケの、アヤナミはトウジたちの家で過ごすことになりますが、シンジは心を閉ざしたままでした。
一方、アヤナミは、村の仕事を手伝い、ヒカリたちとの心の交流をする中で、命令とは異なる生きることを学んでいきます。
アスカは、誰とも関わらず、食事すら摂ろうとせず殻に閉じこもり続けるシンジに怒りをぶつけますが、ケンスケはただ生きていてくれたことを喜び、励まします。
旧ネルフ施設の廃墟で独り過ごすシンジを訪ねたアヤナミは、シンジが落としたカセットプレーヤーを返そうとしますが、レイではない彼女をシンジは拒絶します。アヤナミはアスカから預かった食料だけを置いてその場を去ります。村での日々を送りながら、アヤナミはシンジに食料を届け続け、その様子をアスカは陰から見守ります。
アヤナミに本心を吐露したシンジは自分の殻に閉じこもるのを止めます。ケンスケの仕事(村周辺の環境調査)を手伝う中で、ニアサー後のトウジたちの苦労を知ったシンジに、ケンスケは「父親とちゃんと話せ」と諭します。
封印柱の復元実験場で、シンジはリョウジという少年に会います。彼はミサトと加持リョウジの子どもでした。ミサトが抱き続けているシンジやリョウジへの責任感を知ってシンジの心に変化が生じます。
肉体の異変を悟ったアヤナミは、ヒカリたちへ感謝の手紙を残し、シンジに会いにいきます。以前シンジに名前を付けて欲しいと頼んでいた彼女に、シンジは「アヤナミは、アヤナミだ」と答えます。アヤナミは村では生きられないけれど村が好きだったと話してカセットプレーヤーを渡し目の前で消滅してしまいます。
一度は脱走したヴンダーへ戻る決意をしたシンジをミサトたちは受け入れますが、ニアサーで家族を失ったミドリは不満を抱きます。
艦内の「種の保管室」でのミサトとリツコの会話。加持は地球上の全生命をリセットする「人類補完計画」から動植物を守るための“方舟”として、ネルフからヴンダーを強奪しましたが、彼亡き後、ミサトたちは“戦艦”へ改装していました。・・へぇぇ~~そうだったのか😓
ゲンドウと冬月が目論むフォース・インパクトを阻止すべくヴィレも最後の決戦への準備を進めます。アスカは監禁中のシンジに面会して思いを伝えます。
エヴァ第13号機の無力化のため、「ヤマト作戦」を開始するヴィレは、南極のセカンド・インパクト爆心地にあるネルフ本部にヴンダーの大気圏外からの急降下突撃を敢行します。
ネルフの空中戦艦群や無数のエヴァインフィニティを振り切り、エヴァ新2号機とエヴァ改8号機が出撃し、無数のエヴァMark.07群に苦戦しながらも、遂に第13号機に辿り着いたアスカは、「強制停止信号プラグ」で貫こうとしますが、自身の新2号機自身”のATフィールドに阻まれてしまいます。眼帯を外し左眼の封印柱を引き抜いて「第9使徒」の力を解放したアスカは自らを“使徒化”することで、新2号機のATフィールドの中和を試みますが、第13号機内に取り込まれてしまいます。
「地獄の門」が再び開き、ネルフが「アナザー・インパクト」の儀式を進めているのと気付くヴィレのメンバーの前にゲンドウが現れます。リツコは躊躇いなくゲンドウの頭に銃弾を撃ち込みますが、そこにあったのは「ネブカドネザルの鍵」により人を捨てた異貌でした。
かつてミサトの父が発案した人類補完計画の全容(人類の人類による進化と世界の浄化。進化の贄として用意された「アヤナミシリーズ」と「シキナミシリーズ」)に言及しながら初号機の返還を要求したゲンドウの前にシンジが現れますが、ゲンドウは呼びかけに答えず第13号機に取り込まれます。逃げ続けてきた責任を自らの意志で負う覚悟をしたシンジは、エヴァ初号機に搭乗して父を止めると告げます。彼の贖罪に納得できないミドリ、彼を止めようとするトウジの妹のサクラ、混乱する中、シンジを庇ったミサトが撃たれます。
マイナス宇宙へ突入するシンジと初号機のシンクロ率は無限に至り、「カシウスの槍」(希望の槍)を持つ初号機と、「ロンギヌスの槍」(絶望の槍)を持つ第13号機の戦闘が始まります。
シンジの記憶から生み出される現実と虚構の境界が曖昧な光景の中、ゲンドウは現実と虚構世界の再構築を語ります。アディショナル・インパクトが始まり、頭部のないアヤナミレイへと変化していきます。
冬月はマリ=イスカリオテのマリアにエヴァMark.10〜12を譲るとLCL化し消滅します。ヴィレの槍が完成し、ミサトを残してヴィレメンバーが退避します。マリの改8号機はエヴァMark.10〜12やMark.9-Aを含む4体のエヴァを取り込んでシンジ救出に備えます。
暴走を続けるゲンドウに、シンジは「お父さんのことを知りたかった」と話しかけ、カセットレコーダー(元々父の愛用品だった)を返します。
ゲンドウは両親の愛情を知らずに育ち他者との関わりを恐れた少年時代や、ありのままを受け入れてくれた妻ユイとの出会いと喪失の苦しみの回想の中でユイの名を呼び続けますが彼女は現れません。自身の弱さ故に会えないのだと落胆するゲンドウに、シンジは自身の弱さを認めていないからだと答えます。この一言で彼が大人になったことがはっきり示されますね。
人の手で造られたヴィレの槍に込められたミサトの意志を受け取るシンジを見て息子の成長を思い知らされるゲンドウ。息子という存在が父である自分への罰と感じ恐れていたことを彼はシンジに謝ります。次の瞬間、シンジの心の中のユイと再会したゲンドウは全てを悟って去っていきます。
第13号機に取り込まれたアスカも、「シキナミシリーズ」の複製体として生まれた自身の過去を回想していました。
シンジの前に現れたカヲルは、彼との対話の中で、シンジにとっての幸せを誤解していたことに気付き、彼に全てを託すと自身のことを「渚司令」と呼ぶ加持と共に去っていきます。カヲルの正体は虚構と現実の狭間の「渚」にいる者だったのね。
最後にアヤナミと対面したシンジは、新しい人間が生きられる世界=エヴァの存在しない世界を願って、第13号機を初号機(に乗る自分)もろとも、ヴィレの槍で刺し貫こうとしますが、そこにユイが現れてその役目を引き受けます。
全てのエヴァが次々と槍に貫かれ消失し、全ての生命が元の魂の形へと戻っていきます。
青い海の浜辺に佇むシンジをマイナス宇宙への再突入に成功したマリが迎えに来ました。
場面は変わり、駅のホームに佇むシンジ。
エヴァの存在しない世界の創造により、彼は14年の時を経た大人になっています。
向かいのホームには、アヤナミやアスカ・カヲルら見知った人々の姿がありました。
マリとともに、駅の外に出たシンジの前には、エヴァの存在しない平穏な世界が広がっていました。
正直戦闘には興味がないので(おぃ!😓 )専ら人間模様に関心がありましたが、シンジのことを殻に閉じこもる臆病者だと思っていたけれど、実はゲンドウこそが臆病者だったという。😔 いわば壮大なる親子の断絶と和解のお話だったのね。