「中学生にもどれたらね。」
下の娘が言う。
「今度は絶対に、必死に勉強する。今の大学よりも絶対にいい大学に入る。」
『それって、今の記憶を持って過去に戻るってことだからでしょ?
絶対にしないよ、勉強なんて。記憶をもたずにもどったら。』
「そんなことないよ、絶対に勉強する。」
どうかな?
というか、過去に戻りたいと思ったことがない私。
その日を生きたから。。。 . . . 本文を読む
「もういい、あきらめた」
『おかあさん、そんなこと言わないで』
「はっきりと宣告されたから、あと二・三年だって」
『車いすで、○(ご主人)さんに、いろいろなことろへ連れて行ってもらいましょう』
「行く気もない」
「ご飯食べる気もなくなった」
『そんなこと言わないで・・・』
待合ロビー、隣で交わされた会話。
聞くとはなしに、聞こえてくる話。
車いすにのった小さなおばあちゃま(8 . . . 本文を読む
お弁当をのせたり、日々の生活の中で一番好きなお料理をのせたり、
娘たちの日常をかいたり、そんなありきたりの場所だった。
はず・・・
いつのまにか、愚痴だけがここを埋め、
娘たちの学園生活(二千日の修行道場)をそれぞれ終え、
そして、私は毎日毎日休まずに書き続けたこの場所を、
少し少し、間をおくようになってきた。
日常の中で自分に何かをかしていないと、
本来ずるい人間の性が、その本性を現 . . . 本文を読む
今までに、一度も一人で暮らしたことはない。
暮らすということ、生活するということ、
ある意味の戦い。
その戦いに疲れた時、どこでやすめばいいのだろう。
全身に力をいれたまま、全力で走っている。
もういいじゃないか、そう想いながら走り続ける。
少しずつそぎ落としながら、ゆっくりゆっくり歩く練習をしないと。
「どうして、どんどん速くなるの?もっとゆっくり歩いて」
午前中、娘と買い物にでかけた . . . 本文を読む
とても疲れている。
きっと疲れている。
体も、心も疲れている。
ゆっくり深く眠りたい。
尖った神経は、のぞむことを突き破り、
求めることをやめさせようとする。
逃げたがっている。
自分からも、何もからも、。
穏やかそうな顔をして、
私の話を聞こうとする。
関心なんてこれっぽっちもなかったのに。
話しかける言葉は、宙を駈けていったのに。
今になって、何をかえようというの . . . 本文を読む
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一時眠ってしまうと、うまく眠ることができなくなる。
どんなに疲れていても、
寝付くときは落ちるように入ってしまっても、
また直に覚醒が訪れる
そんな睡眠を毎夜毎夜繰り返す
せめて
心だけでも、
ゆっくりと十分な睡眠をとりたい
好きな絵をみて
好きな音楽を聞いて
気持ちのいい洗いたてのリネンに素肌でくるまれて
まるで大好きな人に抱かれてねむるように
. . . 本文を読む
何度も何度も目が覚める
一息にある程度の睡眠をとるということができない。
本来ならば、自分のペースを崩すことなく生活したい。
人のことばかりをしなくてならない生活のなかで、
ペースの配分を間違えると、
とたんに体力を奪われてしまう。
そして過度もストレスを抱える
. . . 本文を読む
あなたの声が聞きたくて、
あなたの声に抱かれたくて、
夜がくるのを待つ
ひどい頭痛の中
あなたの声の中を泳ぐ
何かをあなたは私に伝えたいのに
遠回りをする
私は何かを間違えてしまったのではないだろうか
まちがったものをそこに持っていこうとしているのだはないだろうか
あなたの声が聞こえない夜
不安と寂しさに押しつぶされそうになって
声にならない叫び声をあげる
今すぐに、
あなたの声に抱 . . . 本文を読む
「どうして、私にみたいに可愛い子に彼がいないの?」
街ゆくカップルを眺めながら、二人の娘は口をそろえて呟く。
「可愛くないから。」
冷静な母は呟く。
それをにやにやしながら流す父親
とにかく暑い!!
街中など買い物に出る馬鹿はいない!!
今月1日、下の娘は二十歳になった。
「お父さん、二十歳になるんだから何か買って~~」
下の子というものは、タイミングをはかりながらおねだりするのがうまいら . . . 本文を読む
夜中の土砂降りは朝には上がり、
白々と明け始めるいつもの朝がある。
プランターに植えた数種類のローズマリー
その葉に残る雨露を、そっと指ではじく。
指に残るローズマリーの香り
ふと思う突然の夜中の雨の音
屋根をたたきつける、ひどい雨音が耳の奥に戻る。
一晩の夢うつつのなかで過ぎた時間を想い出す
ゆっくりと深く短く、
ぬくもりを感じながら。
一時の安寧をもとめた。
のどの奥に、
ロー . . . 本文を読む