「がんばれ!」
「がんばって!」
言えない。
がんばっているから。
「大丈夫だよ。」
「大丈夫だから。」
かわりにいう言葉
他に私には思いつかない . . . 本文を読む
「だから君がね、そんなこと思うことないんだよ。」
あなたの胸のなか
そっと顔をうずめる。
言葉をね、文字にして吐き出さないと、
たくさんたくさん想いがたまりすぎて、
重たくってあるけなくなるんだよ。 . . . 本文を読む
「Sさん」
名前をよんで、顔を近づけて、両手でただ手を握っている。
看護学生の研修、私の娘のような年のかわいらしい看護の卵たち。
Sさんの手を変わるがわる握りながら、名前だけを呼ぶ。
どうしていいのかわからないかのように。笑顔だけを絶やすことなく。
それがその子たちの勉強であり、看護の一番の心なのだろう。忘れないでいてほしい。
奥様と下の娘さん(中学生の息子さんと小学生の女の子のまま)が、そ . . . 本文を読む
「何ができるのかな?残された時間って短いよね。」
って、
なんて答えたらいいのか。
彼女の気持ちと、彼の気持ち。
どっちも同時に私の中へ入り込む。
一晩泣いた。
まだ、涙は出そうだけど。
何かをしてあげたいけど、できないない。
切ない彼女の気持ち。
してほしいんじゃなくて、
ただ、そこにいることを確認したい彼の気持ち。
わかっていることを、当たり前のように。
離れてしまったから、余計 . . . 本文を読む
今までだまっていたなら、どうしてだまったままいなかったの。
「おまえには、あやまることばかりで。」
ってそんな電話あの子にしないで。
「あやまっておかないと、死ねないから。」
ってそんな電話どうしてしたの。
ばかだね
本当に。
馬鹿だね。
もういいよ。
全部を許してる。
私にまで・・
そんなこといいんだよ。
もういいから。
ちゃんと話をして、
もういいから、
ちゃんとひとつになって . . . 本文を読む
「大きなピアスだね。」
そう、私の肩をマッサージしてくれながら夫が言う。今まで、そんなふうに言ったことはなかった。
「ずいぶん前に買ったのよ。子供が買う通販の、いくらだったかしら、300円くらいかな。」
ふっつと、少し楽しそうに夫が笑う。丁寧にカチカチになった肩をほぐしてくれる。
なのに、触れられるたびに私の体は緊張感を増し、さらに固くなっていく。それを悟られないように、
「ありがとう。楽になった . . . 本文を読む
絡まって、どうにもならなくなって丸まって、
解くことができなくなっていく糸もある。
絡まっていたものが、
ふと、何かのきっかけで、
するすると解けて、長い長い糸になり、
ひとつひとつの結び目が綺麗につながっていたりもする。
どこでなにがどう、
どうしてつながっているのかはわからないけれど、
人と人って
そうやってちゃんとつながりながら、
生きているのかもしれない。 . . . 本文を読む
雲のアイスクリームを食べること
雨を下から見上げること
ありんこの行列にならぶこと
勿忘草での花占い
海岸で貝殻をひろうこと
ザリガニ釣り
小川でメダカすくい
公園の噴水であそぶこと
粉だらけになってパンを焼くこと
ハートのクッキーを焼くこと
探検にいくこと
湖のそばのブランコにゆられること
渡り鳥を観察すること
ウミガメの産卵をみること
流れ星を数えること
天文所へ . . . 本文を読む
割ってしまったコップを、拾い集めてくっつけても、
それにビールを注いで呑むことはできない。
カタチっていったいなんなのだろう
それさえ取り繕えば、それはまたちゃんと機能するのだろうか
もとにもどそうなんて、
成り行きとしても整えることすら
それはおこがましい
無理という言葉はどうして実在するのか
割れたコップにビールが注げて
飲み干せるというのらば
すべての物事と言葉は無用
. . . 本文を読む
自分自身を納得できないから。
吹っ切れるだけのものもなく
受け入れるだけの優しさもなく
自分に迷っているから
だから
迷ったまま
理解できないまま
ここにいる
それが、
周りも、
自分も、
苦しめているとしても
. . . 本文を読む
このままそっておしておいてくれれば、
このままがあるのに。
このままがどうして不満なのか?
何をどうしたいのかがわからない
何も考えたくない
責め続けているいわけではない
許しているのだから
それでも、
それ以上のなにをどうのぞんでいるのか
どうしようもない。
部屋に逃げ込みながら
このままが
正しいことだとはおもえない
これ以上をどうしていいのかもわからない
もう
や . . . 本文を読む
お友達から、「告白」みてとすすめられて観てきた。
なんと言っていいのかわからない。
人って悲しい。
だれでも、心から愛されたいんだ。
愛したいんだと思った。
昨夜、あなたとはじめてひとつになって、
今まで感じたことのない思いを抱いて、
一緒に眠った。
「死んでしまえばいい。」
そう心に抱くこと。
「どこかへ行ってしまいたい。」
そう願う思い
「あなたになら、殺されてもいい。」
そう思え . . . 本文を読む
どんなに理解しても、心はりかいできない
どんなにゆるしても、頭の中での否定
そんなもんだといわれてしまえば、それだけの話。
でも、
お願いだから
ちゃんと受け止めるから、
私をころに置いて
不可能だろうけど
あなたが苦しむ姿をみたくない
今すぐに、
あなたがかけつけるその場所には、
私はいかれない
私は、あなたを信じ続ける、
そんなことしかできない。
. . . 本文を読む
朝起きて、
ご飯をたべて
家事をして
仕事をして
お昼を食べて
仕事して
お夕飯を作って
食べて
寝る
そんな繰り返し
そこに、突発的な何かが加わって
感情が入り
流れが崩れる
それもまた日常
. . . 本文を読む