モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

鉛筆の世界

2021-02-02 21:55:48 | 大人 デッサン


左 渥美 / 右 古波蔵

髪をマフラーにしてます、一平です!本日は日曜クラスの渥美さんとチケット制の古波蔵さんお二人のデッサンをご紹介します!
まず、お二人に共通して言えるのはとても丁寧にモチーフの表情を読み取っていく所でしょう。デッサンから伝わってきますね。金属とリボンの硬度の違い、浜辺に落ちている貝殻とその辺に落ちている石の色味の違い。現実では当たり前のように見えるその差異が鉛筆で描写しようと思うと、ズシっとした金属が軽く見えてしまったり、貝殻の繊細な色味が汚れてしまったりと色々な関門にぶち当たります。こればっかりは描いてみないと体験できない悩みだと思います。ですが、そんな難しい関門を突破し描き切ったお二人には素晴らしい観察力が身についたと思います。

渥美さんのデッサン、まず金属の花瓶の重厚感が目に入りますね。くすんだ金属の独特の光沢がよく描写してあります。生けてある花も丁寧に描かれていて画面から彩りを感じさせてくれます。ですが、この2つのモチーフだけだと絵が重たく見えてしまうのでリボンという軽やかなモチーフを加える事で全体のバランスを取っており、デッサンとして見やすくなっています。描写力ももちろん素晴らしいです!
古波蔵さんのデッサン、テーマは潮干狩りでしょうか。薄くて繊細な模様を持つオウムガイを主たるモチーフに据えているチャレンジ精神に怠け者の僕はまず感服してしまいます。そして周りに黒い石や熊手を配置して濃いモノの中の薄いモノ、という関係性を作る事でオウムガイという繊細なモチーフが主人公でも絵として弱々しくならず、金属がメインの渥美さんのデッサンと並べても同等の迫力が演出されています。中々出来ることではありません、凄い!

モチーフの質感の描き分けはそのまま観察力のレベルアップに繋がっています。そこで養った観察眼は絵を描く上でとても重要です。モノを見る力=描写する力であり、絵の基礎となる部分なのでしばらくデッサンやってない方もたまには鉛筆に触ってくださいね!

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