石膏像アリアス鉛筆デッサン 左 加藤 / 右 佐原
寒すぎてほとんど外出していません、ナツメです!大人クラスから2枚の石膏デッサンをご紹介します!
石膏像は観察・描写力が問われるシビアなモチーフで、例えばポットならどんなに曲がっていても「ポットを描いたんだろうな」と思ってもらえますが、人物は全てのパーツがそっくりでも位置がちょっとズレるだけで他人の様に見えてしまいます。また、描いている内に像を大きな一つの立体として捉えることを忘れてしまい、ついつい段々髪の毛や顔面などのパーツごとに見えた情報ばかりを追って全体の陰影がばらばらになってしまいがちです。今回お二人はそんな難しーいモチーフから逃げずに立ち向かって鉛筆を重ね、描写も質も素晴らしい作品になりました!
左の加藤さんのデッサンは、白い石膏像ですがこれだけ濃く色を入れたおかげでずっしりとした重さを見事に表現していますね!移動させる時には2人がかりで運ぶのですが、確かにこれくらいの重量だな、という実感が湧いてきます。髪より凹凸が少ない胸部なども、鉛筆はしっかり乗せつつ情報量を描き分けられています。
そして石膏像自体は全体的に明るめな佐原さんのデッサンですが、背景を暗くしたことで石膏像に入っている中間色がとても美しく見えますね!それだけではなく光が当たる側の背景は暗く、当たらない側は明るく…と陰影の差がつけられているので、それによって明暗が強調される相乗効果が生み出されていることにも感服です。
加藤さんの通われている日曜クラスは朝、佐原さんの月曜クラスは夜に授業があるのですが、お二人のデッサンを並べてみると、時間帯や光などの環境まで見えてくるようで興味深いですね。今回磨かれた観察力と描写力が今後の作品にどう活かされるのか、胸が膨らみます!