健一郎 高2 岩絵具・透明水彩/パネルに和紙
オバラです。本日紹介する健一郎、中2の時に入会したのでまだ4年の付き合いではありますが、もっと長く一緒にいる気持ちになるのは、数少ない「私に意見できる人間」だからでしょう。
絵を見れば彼がどれだけ知的な人間か分かるかと思いますが、いくら頭が良くてもそうそう私に意見を言えるもんでもないのは、生徒の皆さんなら頷いてしまいますよね?
そう、彼は私を全く恐れていない。知識はどんな理不尽な恐怖にも打ち勝つ武器であると心得ている。ペンは剣よりも強し=言葉は暴力に勝る。そんな彼の姿勢が、私に「ねぇねぇ、健一郎ならどう思う?」と意見を求められてしまう存在になっているのです。
(絵画教室で理不尽な恐怖や暴力がはびこるっておかしくない?しかもそれ先生がやっちゃってんの?…猛獣使いの方、早く退治に来てください!)
さて、絵の解説を本人から。
「仏・モンサンミッシェル大聖堂の北へ位置する列柱廊。かつては修道僧の瞑想の場だった。」
神聖な場所に中庭から流れ込む風や、ここに流れた時間を表現しようと、水晶の粒子などの白を使って風化したような空気を描きました。罪や穢れをここで懺悔し、悩みや苦しみを包み込んでくれるような空間に思えます。岩絵具でなければこのような演出はできません。洗練された作品だと思います。
こんな場所を日本画に選ぶこと自体、もう賢そう!さすが私のコンサルタント!
「もうすぐ高3、お別れの時が迫って来たねぇ。」と言ったら、「え?辞めませんよ!卒業するまでずっと来ますから。」と嬉しい言葉が。私から求められる能力は多岐に渡りますが、いずれも高いレベルで答えを出してくれる頼もしい男に、今後も期待しております。