香月 油彩
既に布団から出られない日々をすごしています。マユカです!今回は香月さんの作品をご紹介します!
江ノ電の走る風景と、香月さんの奥様をモデルにされた風景画。どちらの作品も、その場所特有の空気感や、時間帯による気温など、視覚以外の情報が伝わって来そうな作品ですね。展覧会に出品した前回の作品も、娘さんとお孫さん達を風景と共に描かれていました。旅行先で撮られた写真を元に描いていらっしゃいますが、これで3枚目とは驚きです。描きたいという意欲があると上達も早いのですね。
それでは左の作品から見ていきましょう。青い江ノ電と踏切のイエローが目に鮮やかで、全体的に落ち着いた色味でまとまった画面にアクセントを与えています。奥から手前へ向かってぐっと強いパースを用いて描いているため、迫力やこちらへ向かってくるような臨場感を感じます。自然物の中に作られた人工物の対比があることで、整った構図になっているなぁという印象です。
また、電車のライトがついている所から、遅い時間帯やうす暗い周囲の様子がより伝わり、まるで香月さんの旅行先を追体験しているような気分にさせてくれる一枚ですね。
右の作品は爽やかな色遣いでありながら、夏の湿度を感じさせるような空気が伝わってくるようです。全体的な色合いが鮮やかというのもありますが、それよりも光に夏を感じます。明るさと暗さのコントラストが強いところから日差しの強さが分かり、物が落とす影が色濃くなっているあたりから、忘れかけていた夏の暑さを思い出してしまいそうです。こういった風景の細かな状況描写により、絵全体の印象にプラスして、視覚以外の五感に訴えかけてくるかのような作品になっていますね。
香月さんの作品を見ていたら旅行に行きたくなりました。油彩でも水彩でも、はたまたデッサンでも、一度撮った思い出をもう一度眺めながら、作品としても残すというのは何とも素敵なことですね。次は一体どこの景色を描かれるのでしょうか。次回の作品も楽しみにしております