モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

描けるからこそ気を付けたい。

2021-02-06 17:56:00 | 大人 油絵・アクリル


麻場 油彩

暖かい日が続きます。皆さんお元気にお過ごしですか。
土曜日の人、岩田です。

本日は、土曜午前クラスに通われている麻場さんの作品をご紹介します。
各地に足繫く通い、印象的な風景を画像に残し描く麻場さん。傍らに小川が流れる雑木林の様子を油彩で描きました。

ご覧の通り画面内には様々な要素があるものの、それらを一枚の四角の中にバランス良く切り取ることに関してのセンスはピカ一。
更に対象を描写する力がかなり付いてきているので、鑑賞者も見応えのある作品になっています。
ただ、描写する力が付いてきている反面、竹林も、川も、石塀もといったようにあっちもこっちもしっかり描こうとすることで何を見せたかったのかという狙いがぼやけてしまうということが途中ありました。

そういう意味では最初に、何がしたいのか、何が狙いなのかということを文章で書き記しておくことも有効な手段です。
確かに描いている途中で、予定変更という場面も出てくると思いますが、そうした屋台骨となるところまで変えてしまうと何とも締まりのない作品になってしまうでしょう。

描けるからこそ注意を払いたい。レベルが高くなるほどそうした事柄も出てくるのです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

色のパズル

2021-02-05 23:20:54 | 大人 油絵・アクリル


海江田 油彩 30号

大竹です。今回ご紹介させて頂くのは海江田さんの油彩の作品です。まるでカラフルなパズルのピースを組み合わせたかのような、ユニークな作品ですね!
薔薇、鳥、ジョウロと共に、背景は鳥籠の形になる様に色分けされています。赤紫と緑は補色の関係となっており、お互いを引き立てています。画面の右下から左上へにゅるりと顔を出している鳥の体には黄色が使われており、これは色相環でいうと先程の赤紫と緑の中間の色となっています。この黄色が入る事で、補色の関係で目立ちすぎる2色が中和されマイルドになっているのでしょう。緑のパーツには所々グラデーションになっている場所もあり、暗い色が全体を引き締めます。薔薇や花の形の崩し方も大胆で、その思い切りが見てきてとても気持ち良いですね!3つの並んだジョウロもそれぞれが違った表情をしています。形を縁取られているものもあればグラデーションで変化をつけられているものもあり、形と色味をそれぞれ楽しむ事が出来ます。3つのジョウロの中で、奥の1つだけに1輪の花が挿してあるのもドラマを感じさせますね。

最初の構想ではこの色パズルの一部を英字新聞でコラージュするアイディアもあったそうです。(キャンバスと油彩は色々な素材と組み合わせることが出来るので、私の大学の同級生にもプチプチや段ボールを貼り付けている人もいました)もしこの作品がコラージュされていたら、どのような雰囲気になっていたのでしょうか?ちょっと気になってきますね!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

外との繋がり

2021-02-04 23:28:49 | 小学生 絵画

こんにちは、ホノカです!
今回は先週に引き続き、小学生クラスで行なっている馬の絵をご紹介します!

今回の作品たちも骨を意識しながら描くことで、とてもリアルで動きのあるものに仕上がっています。しかし、さらに絵を面白く見せるには内側を意識するだけではなく、馬の尻尾や足元の草にも目を配ることが大切になります。

例えば走っている馬は尻尾がなびいていて足元も風に煽られていたり、歩いているような馬は尻尾が垂れ下がっていて足元も真っ直ぐに生えた草があることで、骨の動きだけでは表しきれない躍動感や情景が伝わってきます。このように状況を考えて描くのも、骨から意識して描いた動きをより強調させてくれます!

さて、2月からはいよいよオリジナルの動物を粘土で作っていきましょう!今回のために100800円までの様々な種類の粘土を買って、事前に学生クラスでお試しの制作をしています。そこで出来たものは、動物の形だけではなく模様を変化させたり、元になった動物ではありえない大きさの尻尾など、ただ混ぜ合わせるだけでは無いオリジナルな要素も組み込まれていました。

そして粘土はノリ先生が使いやすくてオススメと太鼓判を押すものを小学生用に用意しました!
どんな動物ができるのでしょうか、今から私も楽しみです!2月のカリキュラムもお楽しみに!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

鉛筆の世界

2021-02-02 21:55:48 | 大人 デッサン


左 渥美 / 右 古波蔵

髪をマフラーにしてます、一平です!本日は日曜クラスの渥美さんとチケット制の古波蔵さんお二人のデッサンをご紹介します!
まず、お二人に共通して言えるのはとても丁寧にモチーフの表情を読み取っていく所でしょう。デッサンから伝わってきますね。金属とリボンの硬度の違い、浜辺に落ちている貝殻とその辺に落ちている石の色味の違い。現実では当たり前のように見えるその差異が鉛筆で描写しようと思うと、ズシっとした金属が軽く見えてしまったり、貝殻の繊細な色味が汚れてしまったりと色々な関門にぶち当たります。こればっかりは描いてみないと体験できない悩みだと思います。ですが、そんな難しい関門を突破し描き切ったお二人には素晴らしい観察力が身についたと思います。

渥美さんのデッサン、まず金属の花瓶の重厚感が目に入りますね。くすんだ金属の独特の光沢がよく描写してあります。生けてある花も丁寧に描かれていて画面から彩りを感じさせてくれます。ですが、この2つのモチーフだけだと絵が重たく見えてしまうのでリボンという軽やかなモチーフを加える事で全体のバランスを取っており、デッサンとして見やすくなっています。描写力ももちろん素晴らしいです!
古波蔵さんのデッサン、テーマは潮干狩りでしょうか。薄くて繊細な模様を持つオウムガイを主たるモチーフに据えているチャレンジ精神に怠け者の僕はまず感服してしまいます。そして周りに黒い石や熊手を配置して濃いモノの中の薄いモノ、という関係性を作る事でオウムガイという繊細なモチーフが主人公でも絵として弱々しくならず、金属がメインの渥美さんのデッサンと並べても同等の迫力が演出されています。中々出来ることではありません、凄い!

モチーフの質感の描き分けはそのまま観察力のレベルアップに繋がっています。そこで養った観察眼は絵を描く上でとても重要です。モノを見る力=描写する力であり、絵の基礎となる部分なのでしばらくデッサンやってない方もたまには鉛筆に触ってくださいね!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

市美術展、入選

2021-02-01 23:32:27 | 学生


桂吾(中3)

オバラです。市美術展に学生達の巨大な作品を12枚出品しましたが、なんと初めて1点しか入選しませんでした。今回の会場は等々力の市民ミュージアムが水没リニューアル中の為、ミューザ川崎の狭い展示室に変わったせいで審査が厳しかったのではないかと予測しています。
それにしても悲しい。
が、気を取り直して、唯一入選した桂吾に祝福と先生達全員からコメントを送りたいと思います。

幸介先生から
この色彩感覚と、人物への愛の無さのギャップを活かし、次回作はニューヨークの摩天楼など、もっと『俗』と『卑』なる光と色に溢れた場所をチョイスし、いっそ人は排除してみたらどう?

加余子先生から
人工的な物しか存在しない、本来無機質なコンクリートジャングルでありながら、灰色の中にカラフルなネオンの色が反射し、むしろ黒がアクセントになっていて魅力的です。エネルギッシュな夜景で面白いですね。

一平先生から
新宿かな?たくさんの人が集まる空間を、よくここまで掘り下げた見解ができるなと脱帽しました!日常的に常に深く物事を考えている人なんだと思います。

岩田先生から
時間と空間を超えたカオスの世界がとても魅力的。こんな繁華街は見たことないな。桂吾の更なるカオスの世界に期待!

ノリ先生より
他の先生達と違い、私だけが小学生時代からの桂吾の全作品を見続け記憶しています。それもあって、この絵と言うより、今まで桂吾がこの世に生み出した作品達は、世界観がブレることなく繋がっている事を知っています。一貫して一点透視図法を使った視線誘導を促していますが、その先にあるのはいつも闇。彼は「闇は悪党」だと言います。終着点には、人をゾクッとさせる何かが待っているのです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする