モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

「見る」力

2023-11-08 23:20:22 | 小学生 絵画

急に冷え込むようになりましたね、ナツメです。本日は小学生クラス10月のカリキュラム、「自画像」をご紹介します!先日の小原先生の記事も併せてご覧下さい。

クレヨンを画用紙に塗ると白い紙の目がチラついてしまうため、今回は鉛筆で下書きをした後に肌の部分にのみピンク・オレンジ・黄色のアクリル絵の具で下塗りをしました。これで多少の塗り残しも目立ちません。また、アクリル絵の具はあえてルミナスカラー(蛍光色)を選び、肌の色が美しく明るく発色するように工夫しました。はじめに色が塗ってあるとやりやすこともあり、躊躇なくクレヨンを動かすという効果も考慮しています。

クレヨンで肌を塗る際は、ハロウィンの傷粘土に少し緑色を混ぜたのと同じ理由で、肌にはオレンジや茶色といった暖色だけではなく、青色などの寒色を重ねて使っています。

さて、私たちに1番身近な、見慣れている顔はなんでしょうか?正解は自分の顔です。毎日鏡を見る方がほとんどだと思います。例えば石膏デッサンをしていても、どこからどう見ても西洋の顔立ちをしている石膏像なのにいつの間にか描いた本人(アジア人)に似てきてしまうという現象がよく発生します。

そう聞くと誰の自画像なのかが一発でわかるほど、それぞれの顔の特徴が現れているのも当然のように感じますが、流石に印象の深さだけでここまで描くことはできません。自分の顔とにらめっこしながら、よく見て丁寧に形を追った成果です。また、自分の顔を改めて描くことで、目の形はどうなっているのか、パーツの位置の関係はどんなバランスなのかと様々な気付きもあったと思います。普段見慣れている身近なものを観察して発見する、今回のカリキュラムで「見る力」が身についたため、今後の作品もより良いものになるに違いないですね!

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どこに注目してほしいのか

2023-11-07 23:20:42 | 小学生 絵画


芽依 6年 / 創太 6年 / さくら 5年

サヤカです。11月だというのに暖かい日が続いていて戸惑ってしまいますね。さて、今回は小学生クラスの油絵を紹介します。

芽依ー露天風呂で温まるカピバラを描きました。中央のカピバラの何とも言えないうっとりとした表情が可愛いですね。カピバラの茶色い体が目立つよう周囲の色を寒色でまとめたり、奥のカピバラを正面のカピバラよりも淡い色にしたりすることで、中央のカピバラに目が惹かれるよう工夫されています。カピバラの毛並みや手前の岩の質感は陰影をうまく使い、立体感が自然に描けました。また、柚子が水面に沈み、屈折している様子を、鮮やかな黄色と水面の緑、複数の青色で綺麗に表現されていて、その画力に驚きます。

創太ー赤いレンガ、ドーム型の屋根から醸し出される東京駅のレトロな雰囲気が上手に描けています。誰もが知っていて、構造も難しい建築物をここまで描いた創太、素晴らしいです!空とその他の建物を青系の色でまとめることで、煉瓦造りの赤色がよく映えるようになっています。描きごたえのあるモチーフが一つあると他の部分がおざなりになってしまいがちですが、周囲の木や道路に落ちる影、自動車などどの部分をとってもよく観察された見応えのある作品になっています。集中力を切らさず時間を掛けて完成させました。

さくらーまっすぐな視線と優雅な表情にドキリとする作品ですね。丸くなっている猫のもっちりとした体やふわふわの尻尾の質感が伝わってきます。顔の彫りや輪郭の繊細な作り、湾曲している体のラインを影と光を上手に使い表現しています。筆跡を残し毛の流れをしっかり描くことで、ふわふわの尻尾が再現されています。クッションを暖色で描き柔らかな印象にすることで、猫ちゃんの性格や纏う雰囲気が穏やかなのだろうと想像できますね!同系色を使い、非常にまとまりのある作品に仕上がりました。

どれもどこに注目して欲しいのかがわかりやすく、かつ全体としてまとまりを持った作品たち。特に芽依と創太にとっては小学生の間に培った技術の集大成のような作品になったのではないでしょうか。

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縫合不能!切創・裂傷の作り方

2023-11-06 22:09:43 | 小学生・ハロウィンパーティ


①小麦粘土 ②ファンデーション&コンシーラー ③つけまつげ用の糊

まだハロウィンをひきずっているオバラです。くわしい傷の作り方をご説明します。
用意する物 左から
①小麦粘土ーやわらかく固まりにくいので、半日くらいは肌にピッタリフィットしています。色の分量は写真を参考に。緑(静脈の色)を少量入れるとリアルな肌の色になるのは、油絵と同じ。
②ファンデーションー唇の色を消します。(子どもは血色が良過ぎるからね。)
③つけまつげ用糊ー粘土の傷を貼るのに使います。糊は中央より周りにたっぷり塗らないと、すぐに剥がれちゃうよ!あっという間に乾くので、予めどこに傷を付けるか決めておきましょう。


④ヴァンパイア. ブラッド ⑤安全・安心・無害のボディーメイク用品 ⑥アイライナー&アイシャドウ&眉墨

④ヴァンパイア. ブラッドーパリピのせいで渋谷のハンズからハロウィンコスプレ用品売り場が消えて数年。血を手に入れるのが大変になりました。100均ではほとんど手に入らない。注射器があると、目じりを狙って血の涙など流しやすくなるのでおススメ。(スポイトでも良いけど、注射器の方が盛り上がるよね。)
⑤ボディーメイク用品ーパリピの…以下同文。アクリル系のボディー専用絵具は、髪につけるとワックス代わりにもなります。(頭洗うのがメチャクチャ大変だけど。お風呂もメチャクチャ汚れるけど。お母様方すみません!)
⑥アイライナー他ーアイライナーは傷を描くのに重宝します。縫い目も描けるしね。筆先がやわらかいので、瞼に傷を描くのも楽々。アイシャドウはキラキラが入っているので、ゾンビには眉墨の方が◎


⑦刻んだペットボトル ⑧キッチン用アルミテープ ⑨血染め白シャツなど

⑦刻んだペットボトルー顔に付けても痛くない。でも裸足で踏むと痛いから、おうちでは落とさないように。
⑧キッチン用アルミテープー細かく切って、フランケンシュタインのようなホチキスの縫い目に出来ます。テープの厚みは薄い方が肌になじむよ。
⑨血染め白シャツなどーお父さんのワイシャツが大きくてベスト。アクリル絵具を使うと落ちづらくて良いですが、1回で捨てるなら水彩絵具でも。赤に黒を混ぜるのがコツ。血の手形を付けると「やられた感」が。豪快にジャキジャキ切り刻もう。(切り過ぎてセクシーゾンビになりそうな時は、黒っぽいTシャツをインすれば大丈夫。)ズボンは裾をボロボロに。おもちゃの武器をわざわざ購入しなくても、工具で十分。(包丁は危ないよ!大人と一緒ならOK。)

大きな写真で載せる必要があるのだろうか?こんなにたくさん傷の作り方の説明写真は不要だよね?ノリ先生はホント悪趣味だなぁ。サイテー!

学生クラスでも「どうしてもやりたい!」子だけ、メイクしていました。真面目に制作している学生との温度差が…と言いつつ、私はメイクチームを担当。だって、文字通り「血が騒ぐから」w

一平先生とのメイク講座YouTubeはこちら(但し私は編集技術が無いので22分と長いです。情報弱者ですみません。)

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「綺麗」だけには留まらない

2023-11-04 21:42:52 | 大人 油絵・アクリル


麻場 油彩

岩田です。今回は麻場さんの作品をご紹介します。

自身で撮った風景を絵にすることの多い麻場さん。こちらの絵は、いつもの作品に比べると何だか不思議な雰囲気。
最初は、撮影した空港を描こうと思ってはいたのですが、いつもと同じでは何だか物足りないということで、自分で創造したシーンを絵にしました。

管制塔は現代的、その隣にはモンサンミッシェルのような城がそびえ建っていて、下には広大な草原が広がり、空飛ぶ車のようなものが飛んでいる。今と昔、国を跨いだ異空間を作者らしい優しい色使いで描いた作品です。

こうした絵が難なく描くことが出来る力が付いてくると、見ているこちらも、もっともっと高いレベルをと願ってしまうもの。
確かに色使いにおいて、良い色感をお持ちだなぁと感心するのですが、例えばパウル・クレーやマルク・シャガールのような、ただ綺麗という言葉では捉えきれない、清濁併せ持つような、そこはかとない色の深さを目指してみて下さい。

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パンプキング誕生!

2023-11-03 18:36:57 | 幼児

ここ最近の寒暖差で体がヨレヨレの大竹です。(でも寒いのは大好き!)幼児クラスでも、ハロウィンの工作やお絵かきのカリキュラムを行いました。

この寒暖差の為か体調不良でお休みの子もあり、少人数での制作となっておりました。(その分、講師が一人一人に時間をかけてあげられます)今回のカリキュラムでは紙工作のパンプキン型クラウンと、かぼちゃのクレヨン画を制作しました。
色画用紙を二枚使用し頭ぴったりのサイズに調整し、悪魔の角を付けたり、表面に装飾を施していきます。ツノを作る際に出た端切れも使って無駄のないよう制作しました♪ツノも高さがあるので被ってみると中々のボリュームですね。ずり落ちないようリボンもつけたらパンプキングの完成です!
お絵かきの方では緑のかぼちゃをクレヨンで描いていきました。奥には丸いかぼちゃ、手前には切ったかぼちゃが置いてあるように、かぼちゃ同士を重ねて描いています。黄色や黄緑、緑を重ね塗りをして自然な色合いを出していきました。黄色い身も美味しそう!なんだかかぼちゃ料理が食べたくなってきましたね。

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入り込めてしまうような感覚

2023-11-02 22:33:45 | 大人 油絵・アクリル


香月 油彩

既に布団から出られない日々をすごしています。マユカです!今回は香月さんの作品をご紹介します!

江ノ電の走る風景と、香月さんの奥様をモデルにされた風景画。どちらの作品も、その場所特有の空気感や、時間帯による気温など、視覚以外の情報が伝わって来そうな作品ですね。展覧会に出品した前回の作品も、娘さんとお孫さん達を風景と共に描かれていました。旅行先で撮られた写真を元に描いていらっしゃいますが、これで3枚目とは驚きです。描きたいという意欲があると上達も早いのですね。

それでは左の作品から見ていきましょう。青い江ノ電と踏切のイエローが目に鮮やかで、全体的に落ち着いた色味でまとまった画面にアクセントを与えています。奥から手前へ向かってぐっと強いパースを用いて描いているため、迫力やこちらへ向かってくるような臨場感を感じます。自然物の中に作られた人工物の対比があることで、整った構図になっているなぁという印象です。
また、電車のライトがついている所から、遅い時間帯やうす暗い周囲の様子がより伝わり、まるで香月さんの旅行先を追体験しているような気分にさせてくれる一枚ですね。

右の作品は爽やかな色遣いでありながら、夏の湿度を感じさせるような空気が伝わってくるようです。全体的な色合いが鮮やかというのもありますが、それよりも光に夏を感じます。明るさと暗さのコントラストが強いところから日差しの強さが分かり、物が落とす影が色濃くなっているあたりから、忘れかけていた夏の暑さを思い出してしまいそうです。こういった風景の細かな状況描写により、絵全体の印象にプラスして、視覚以外の五感に訴えかけてくるかのような作品になっていますね。

香月さんの作品を見ていたら旅行に行きたくなりました。油彩でも水彩でも、はたまたデッサンでも、一度撮った思い出をもう一度眺めながら、作品としても残すというのは何とも素敵なことですね。次は一体どこの景色を描かれるのでしょうか。次回の作品も楽しみにしております

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小さなゾンビ達

2023-11-01 23:10:09 | 小学生・ハロウィンパーティ

あっという間に11月ですね、ナツメです!昨日のサヤカ先生の記事に引き続き、先週小学生クラスで開催したハロウィンイベントの紹介です!

イベントの時のアトリエは準備も普段と違うため、教室に入ってきた時から少し浮き立った様子。血糊やメイク道具など、見慣れないものがあるだけでも楽しいですよね。粘土でフェイクの傷を作り、縫い傷やあざ、隈などを顔に描いたら、小さなゾンビの完成です。

私は学生クラスに在籍していた頃に今回同様の傷メイクをしました。フェイク傷自体は中々痛そうに作ることができて満足の出来だったのですが、ゾンビメイクはお手本の先生たちの顔があまりにも怖くて、びびって最低限しかやらなかった記憶があります。今思えば、折角だったので負けないくらいの本格派ゾンビになってみてもよかったと思います。反省を活かして(?)今回の小学生クラスでは私も傷メイクをして挑んだのですが「先生が一番怖くないね」「俺の方が上手い!」などと好き放題言われました。もうしません。

学生の頃の私とは違い小学生達は思い切りが良く、そこまでにしといたら?()と思うほど傷を増やし血みどろになり、楽しんでいる表情とは正反対にどんどん顔を痛々しくしていました。中々ここまで凝ったゾンビになれる機会もそうないと思います。ちゃんとお菓子は貰えたかな?ぜひ来年も挑戦してほしいです。

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