鳥海山近郷夜話

最近、ちっとも登らなくなった鳥海山。そこでの出来事、出会った人々について書き残しておこうと思います。

昔の住居表示

2020年11月08日 | 兎糞録

 古い地図を調べていたら新旧住居表示実施区域案内図がありました。行政なんてのはろくなことをしないものですね。効率第一ということなのでしょうけれど。

 赤いのが新しい区割りと町名。大工町、桶屋町、利右衛門小路、山椒小路など江戸時代から続く町名は消し去られました。自治会などは今も旧町名を用いているところもあります。行政はいまさら旧町名の書かれた柱をあちこち立てています。町名は税金の取り立てや郵便配達のためにあるのではありません。

 「これらの旧町名がいかに市民生活に浸透しているものであるかを示しているほか、酒田の歴史を物語る文化遺産であることを示す」ものであることを認識していながらただの柱一本でそれを保存しようなんて無理じゃないですか。石川県金沢市はとっくに旧町名復帰に取り組んでいます。旧町名復活運動は数少ないながらもあちこちでで行われています。

https://www4.city.kanazawa.lg.jp/22050/kyuchomei/kyutyoumeisingikai.html

 鳥海山の地名だってそうですよ。地名は文化遺産、ではなく文化そのものなのです。遺産にしたらただの過去のものじゃないですか。継続してこそ文化です。だから何度も「虫穴」は虫穴岩ではないと言っているわけです。どちらともいわれている(いない!)、わかりやすいから虫穴岩と呼びます、なんてガイドを名乗る人が言うか。文化、伝統を重んじない人に鳥海山のガイドを名乗る資格はありません。

 ああ、百宅も行政のごり押しで湖底に沈んでしまいますね。ここは大物忌の神様が久しぶりに荒らぶり人間が神域に立ち入らないようにしていただかないといけません。今までさんざん利用しておきながらなんですけど、ブルーラインも鳥海高原ラインもなくなって自然に帰ってもいいです。うーん、そうすると大物忌神社が倒産するか。


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