先週の土曜日に夫H氏と車に乗っている時、中村明一という方がゲストで出演されていたラジオ番組を、たまたま聞いていた。途中から聞いていたので(そして途中で車を降りたので)判然としないのだが、とにかくゲストの中村さんが尺八奏者だということはわかった。
彼は実は子どもの頃ロックが大好きだったのだけれど、ある日ふとラジオで『ノヴェンバー・ステップス』を聞いたらしい。あの現代作曲家、武満徹の有名な曲である。オーケストラと琵琶と尺八が共演する、不思議な名曲。琵琶は鶴田錦史、尺八は横山勝也の名人達である。少年、中村明一は仰天してしまう。「こんな素晴らしい楽器があるのか!!」
このあとがスゴイのだが、なんと中村少年は横山勝也氏の連絡先を調べまくって探し当て、ご自宅に電話したのだ。「この楽器(尺八)、どこに売っているんですか?」
見ず知らずの横山名人に電話して楽器の買い方を聞くという少年もスゴいが、「まあ、一度うちに尺八を見に来なさい」といった横山名人もスゴい。そして中村少年は横山名人の家に尺八を見にいったのだが、いろんな尺八のうち「虚無僧尺八、すげえ!」と感嘆したらしい。その後は虚無僧尺八まっしぐらである。
H氏も『ノヴェンバー・ステップス』は大好きである。曲も素晴らしいが、オーディオの音質がよくなるほど、より細かな音が聞き取れてスゴくなるらしい。もちろん武満徹も好き、邦楽器も好きなのだ。
そうこうするうち、中村さんへのインタビューが一段落して、曲がかかる事になった。もちろん中村さんの演奏だ。
最初の曲はキング・クリムゾンの『ムーン・チャイルド』。それを中村さんが虚無僧尺八のソロで吹く。実はH氏は中学生の頃はロック少年でキング・クリムゾン大好き、なかでも『ムーン・チャイルド』はレコードが擦り切れるくらい愛聴したようだ。だから、曲の全てを知り尽くしている?ので、尺八の演奏をききつつ「おおお~ここはこう来たか~♪」とのりのり。
「ねえ、虚無僧尺八って、京都の明暗寺で虚無僧の修行中に教えてもらえるんやろか?」と疑問を口にしてしまう私。「やっぱり尺八吹けへんと、虚無僧やないもんな」
「そや、お父さん、定年になったら、明暗寺で修行して、虚無僧になったらええやん!」
「そいで、ストリート・ミュージシャン、やるねんな」
「お布施も、もらえるしなあ」
定年後の選択肢がまたひとつ増えてしまったH氏である。
*本日のブログねたは、H氏のリクエストによるものです。
彼は実は子どもの頃ロックが大好きだったのだけれど、ある日ふとラジオで『ノヴェンバー・ステップス』を聞いたらしい。あの現代作曲家、武満徹の有名な曲である。オーケストラと琵琶と尺八が共演する、不思議な名曲。琵琶は鶴田錦史、尺八は横山勝也の名人達である。少年、中村明一は仰天してしまう。「こんな素晴らしい楽器があるのか!!」
このあとがスゴイのだが、なんと中村少年は横山勝也氏の連絡先を調べまくって探し当て、ご自宅に電話したのだ。「この楽器(尺八)、どこに売っているんですか?」
見ず知らずの横山名人に電話して楽器の買い方を聞くという少年もスゴいが、「まあ、一度うちに尺八を見に来なさい」といった横山名人もスゴい。そして中村少年は横山名人の家に尺八を見にいったのだが、いろんな尺八のうち「虚無僧尺八、すげえ!」と感嘆したらしい。その後は虚無僧尺八まっしぐらである。
H氏も『ノヴェンバー・ステップス』は大好きである。曲も素晴らしいが、オーディオの音質がよくなるほど、より細かな音が聞き取れてスゴくなるらしい。もちろん武満徹も好き、邦楽器も好きなのだ。
そうこうするうち、中村さんへのインタビューが一段落して、曲がかかる事になった。もちろん中村さんの演奏だ。
最初の曲はキング・クリムゾンの『ムーン・チャイルド』。それを中村さんが虚無僧尺八のソロで吹く。実はH氏は中学生の頃はロック少年でキング・クリムゾン大好き、なかでも『ムーン・チャイルド』はレコードが擦り切れるくらい愛聴したようだ。だから、曲の全てを知り尽くしている?ので、尺八の演奏をききつつ「おおお~ここはこう来たか~♪」とのりのり。
「ねえ、虚無僧尺八って、京都の明暗寺で虚無僧の修行中に教えてもらえるんやろか?」と疑問を口にしてしまう私。「やっぱり尺八吹けへんと、虚無僧やないもんな」
「そや、お父さん、定年になったら、明暗寺で修行して、虚無僧になったらええやん!」
「そいで、ストリート・ミュージシャン、やるねんな」
「お布施も、もらえるしなあ」
定年後の選択肢がまたひとつ増えてしまったH氏である。
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