年の初めなので、掲示板にデビューしたときのことを書いてみます。
もともとはPCなんて好きじゃなかった。顔も知らない人と会話するなんてデンジャラス(と当時は考えていた)なことは絶対やるまいと決めていた。
なので、3日に一度は行っていたイシオカ書店の店長に、「掲示板に書き込み、よろしく」といわれてもロム・オンリー。それにまだその頃は、店長の愛する音楽関係の書き込みがぽつぽつあるだけだったので、私の入って行ける場所ではないとかなり尻込みしていたのも事実。
が、2003年の2月に店長の癌が発見され、入院/手術/退院の間、「イシオカ書店の店長日記」はしばし休筆された。
それが暑い季節に日記の復活を果たされて、じんわりしんみりと喜んでいた。足しげくお店にも出向いて、精一杯本を買うぞ!と決意し実行した。それでもまだ掲示板に飛び込む勇気はなかった。
ところで私は自分でも、ねじが何本か抜けているのかも、と思うほどめったに怒らない。よくいえば「心が広い」。悪く言えば「莫迦かもしれない」。だもんで、怒りのパワーが休火山のマグマのように体内に蓄積されている。夫はそのことを熟知しているので、私の目の中に暗雲たちこめる気配を感じるや、腫れ物に触る扱いになるほど恐れている。
その年の7月の中頃か下旬頃、そんな人間(=私)がロムしてるとは知らない(あたりまえや)輩がイシオカ書店の掲示板にちゃらちゃらとアダルトサイト案内の書込みをしてしまった。爆弾のボタンは押された。
爆弾の中身は「ずいぶんなおねだり」東海林さだお/著・文春文庫のブックレビュー。ハンドルネームは? はたと困ったが、自分の怒りのパワーに流されているので、その頃はまりまくっていた諸星大二郎のまんが「栞と紙魚子」から安易にいただいた。えいっ、と投稿ボタンを押してしまった。
その後イシオカ書店に行ったら、「あ、『紙魚子』さんや」と店員のKさん。「すぐ(誰か)わかったわー」と店長。ちょっと「うふふ」な私。
あのとき本当に掲示板デビューできてよかったとつくづくしみじみ思います。あの掲示板でいろいろな話が盛上り、わずかかもしれないけれど人生の濃度があがったから。私の爆弾に着火してくれた人、ありがとう。人生なにが幸いするかわかりませんよね。
そしてイシオカ書店の掲示板から、このブログに行き着いたのですから。
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