Cafe & Magazine 「旅遊亭」 of エセ男爵

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軽井沢山荘風『超極貧ディナー』:短編連載「エセ男爵流ステーキ」の巻 (3/3)

2007-01-28 21:35:05 | 食彩+酒の肴
 まずは熱々のステーキを一切れ・・・

 さて、画像に現われ出でたる「カット面」における焼き加減は?(エセ男爵にとっては)みごと?な「ミディアム」である。いまひとつ、芳しくないが、悪くはない。
 さて、一口!いざ見参。

 塩黒コショウのベースに加え、赤ワインの香り風味は満遍なくゆきわたり、まろやかこの上なく、結構な美味である。


 さて焼き加減、按配は?
   すなわち焼き加減、バランスは如何? となれば、いかにも難しい。
 
 左右の肉の厚み違うので、焼き具合も違ってくる。

 調理前のフィレ肉のカットがよくない。向かって左側は1.5cm強程度の厚みであり右は凡そ3cm近い厚さであった。つまり、カットのバランスは最初から少し狂っていた。そのこと分かっていたから、右側の熱さ約3センチの場所の「焼き加減」をミディアムレアーになるよう目安にし、ステーキを焼いた。食すにあたって、向かって左側をフォークで固定し、右手のナイフでカットし始めれば、当然ながらステーキは左から食し進めていくこととなる。この画像は二切れ目にて、ナイフフォークを手放し食事作業を一旦停止し、撮影に挑む。その後引き続いてナイフとフォークは逐次右側に移行し、第3回目のカットは(画像なし!)みごとな我輩好みのミディアムレアー。いよいよ最後、一番右端のカットは、ほぼレアーに近いものであった。
 これこの理屈、小学生でも分別できる。すなわち厚みが違えば焼き加減も違い、焼いた結果異なるは、必定。ミディアムの部分とウエルダンの部分と、ミディアムレアーの部分とほぼレアーの部分、マチマチに仕上がるから不愉快である。

 かくしてフィレ肉のステーキなるもの、願わくば、少なくとも1.5kg以上3kg程度の塊を購入し、自分の「好みの厚さ」(3センチ以上3.5センチ以下)にカットしたいものである。満遍なくカットした肉の厚みを同じく整えて焼かなければならぬこと、あらためて痛感した。 

 「付けあわせ」を、あらためて紹介しておきたい。

 熱々のステーキと温野菜の上に、マイナス20度以上の超低温度にてビニール袋に入れて冷凍保存している「パセリ」を、ビニール袋のまま揉み解し、凡そ大さじ一杯分の微塵を振りかけている。冷凍パセリの微塵大さじ一杯は、大型生パセリの3本分にあたるから、多いにビタミン補給可能にて、香味野菜的な風味そこなわれず、バターの香りとマッチする。
 ポテトは皮ごと食すが一番。小児の握りこぶし大のものまるまる一個、調理したけれど、お皿の大きさに合わせ、都合上ポテトスライス2枚しか置いてていない。
 ミニキャロットは、甘味一杯にてワインソースとマッチする。
 まるまる一本あったサニーレタスは、いよいよそこをつき、最後の数枚しか残らず、この夜のディナーで無事全て食した、、、。

 料理に使った残り物、安物赤ワインをグイグイやりながら超極貧ディナーは進行する、、、。
 ここは、軽井沢八風の郷の山懐。
 外気温はすでに零下5度。室内温度は25度にて快適そのもの、、、。かくして今夜も山荘の「一人宴会」は続き時間止まらず極寒の夜はふけゆく、、、。不良中年一人して陽気無言の気焔を撒きつつ明日に向け、エネルギーを蓄えるとの意、いよいよ酔いの回った不明瞭なる頭脳にて、長編小説の続きシナリオ&プロット等々めくるめく試行錯誤する・・・

 「・・・?」

 なにかと、忙しかったのです。
 そう、そうです。画像撮影さえなければ、もっと美味しく食事できたはず。ま、こういうこともあるか。あらためて撮影担当と調理担当を合い兼ねる忙しさと慌しさを痛感した次第である・・・


 <・完・・>