マキャベリ曰く、
弱体な国家は、常に優柔不断である。そして決断に手間取ることは、これまた常に有害である。
このことについては、私自身確信を持って言える。国家活動において、物事を曖昧にしておいたことが、フィレンツェ共和国にとっていかに有害であったかは、私自身が体験したことであったからだ。
決断力に欠ける人々が、いかに真面目に協議しようとも、そこから出てくる結論は、常に曖昧で、それ故に常に役立たないものである。また、優柔不断さに劣らず、長時間の討議の末の遅すぎる結論も、同じく有害であることに変わりは無い。
それが、例えば、誰かを援助しようというものであっても、決定の時期を逸したというだけで、相手を助けられないどころか、こちらの害になって返ってかくるものだからだ。
多くの事は、はじめのうちは内容も曖昧で不明確なものなので、これらをはじめから明確な言葉で表す事は難しい。だが、一旦決定しさえすれば、言葉など後から生まれてくるものであることも忘れてはならない。
これらの事は、君主制であろうと共和制であろうと、すべての指導者が心しておくべきことである。