いまさら韓ドラ!

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【無韓系】スペイン映画「リミット」を観た

2015年05月08日 | 無韓系日記
なんの因果か、家人の切なる希望で視聴いたしました。

《あらすじ》

目が覚めると、棺桶に入れられて生き埋めにされた男がひとり。
手元には携帯電話とZippoがある。
自分はテロの標的にされたのか?
ここから脱出することができるのか?


ねー、怖いでしょう、この状況。
わたし最初の10分で息苦しくなってきて、正直もうダメかと思いました。

2010年の映画なんですけどね、
今の世界の状況というか、日本の立ち位置とか、未来への選択ですとか、
いろいろ考えちゃうこの時期に観た、というのも、
息苦しさをいや増した原因なのかも、と思っちゃったりして。

日本……わたしたちの国は、この先どうしたらいいんだろう。
テロに屈せず闘い続ける国にしたい人が今の日本のリーダーなんですけど、
闘うって具体的にどうするんですか?
どうしたらいいんだろうね?と深く考えさせられる映画でした。

これは反戦映画だ、という方もいて、納得です。
絶対に戦争はダメだ、って思うもん。
てか、いろんな理由つけて、人を殺しにいくことを正当化しちゃ絶対にダメだと思う。

もう苦しくって苦しくって後味も最悪ですが、
そりゃあ監督の言いたいことがこういうことなら、こうなるしかないわけで。
ワンシチュエーション・スリラーとか、
あんまりその状況だけを評価するのも的外れなんじゃないかなーという気がします。

もちろん、観客の興味をそそる設定&低予算ということで、
十分計算された映画作りなんだなぁ、と感嘆しましたが。

DVDのパッケージ見て、不穏な気分になって借りてない方多いでしょう?

大正解なので、借りないでください。いや、あえて借りて!

たまにはこういう苦い映画もいいよ!

じゃあネタバレ含みつつ感想を書きますので、
未視聴の方はご遠慮ください。





観終わった直後(って1時間前なんすけど)、
思わず「NO~!」と叫び出しそうになったわたし。

頭ぐるぐるしながらみなさんの感想を読みに行きましたら、
結構賛否両論あるもんですね。

大絶賛の嵐かと思いきや、私の行きつけの映画感想ブログでは微妙な感じ。
時間を無駄にした!っていう人もいました。

でもちょっと待って!

わたしの観終わってホヤホヤの感想を言わせてもらえば、

面白かったよ!

どうやって脱出するのかなぁドキドキ!ってんじゃなくて。

だって、相手がテロリストだと明らかになった時点で、
もう助からないってわかるじゃん。
バッドエンドは確実で、あとは、
主人公がどう死んでいくかにかかってるわけじゃん。

主人公のいらだち、かすかな希望、ありふれた日常だったはずの過去、
家族への愛情、生きたいという欲求、そして絶望。

彼を見つめ続けた90分間はものすごく濃密な時間だった。
彼と同化して感じること、
客観的に観て、感じることがたくさんあったと思う。

わたしは正直、非戦の誓いほど大切なものは無いと思ったな。
テロと闘うって、終わりのない戦争を始めるってことと一緒な気がするよ。

ものすごい絶望感の後、じゃあ、どうするんだ?って問いかけられた気持ち。
こんな世界はイヤだというのなら、じゃあどうするんだ?って。

だから蛇くらい、いいじゃないですか……。
携帯のバッテリがめちゃ持つね~くらい、いいじゃないですか……。
さすがに火なんか燃やして空気なくなっちゃうよ!とあせりましたが。

邦題を「リミット」にするから悪い。
いかにもさー、9時までのタイムリミットとか、空気残量のリミットとか、
そういう脱出ゲームみたいな雰囲気を期待してしまうもの。
原題通り「埋められた」というニュアンスの邦題を考えればよかったのに。

普段、映画のリアル映画のリアルと言ってうるさいわたくしですが、
今回は「細けえことはいいんだよ!」と突っぱねてしまいたい。
自分が疎い業界の話だってこともあるのだけど、
それだけ主人公の感情に引きずられたのだとも言える。
「あり得ナス」とか言われても、現に!今!埋められてんだけど!みたいな。

一般人をこんな面倒な手口で誘拐・殺害するかぁ~?とか、
犯人が主人公の自宅住所を知っている件とか、
気になる人はいろいろ疑問がわいてきて入り込めなかったようですが、
そりゃそう言われればそうかもな、と思います。

でもあの生き埋めにされた状況の衝撃で、
ホントに細かいことはどーでもよくなるし、
論理的に考えられなくなる。
そもそも犯人が約束を守るという保証すらないのに、
自分は数分後には砂に埋まって死んでしまう可能性大だというのに、
指まで切断してしまうわけです。

かの地で人質になってしまった人々を、自己責任!と罵った世相がありましたが、
彼らはいったいどれほどの恐怖を味わったことでしょうか。
そんな目にあって当然だ、と言えるほど悪いことを彼らはしたんでしょうか?
いわゆるフツーの誘拐テロ事件を映画にすることもできたかもしれない。
しかし、果たしてそんな映像で、伝わるものはいかほどのものでしょう?
モノホンの映像を見慣れた人々にとって、
それはまさに虚構以外のなにものでもない。
リアルな映像、本物の形を見せても、中にあるのは乾いた感情だけ、というなら、
映画の作り手は、本物の感情を呼び起こすために、作り物の世界を見せるのです。
それがハリボテでも!

設定は面白いけどね~とか、斜に構えた感想しか出てこない人もいるのでしょうが、
わたしは魂を揺さぶられたとです。

この文章、途中で寝落ちしちゃって起きてから書いてるんだけど、
人を殺して逃げてる怖い夢見ちゃった。
しかもあやうくおねしょするとこだった、てへ。
ここまでガツンとくる映画だったのか、リミット!恐るべし!
あ!おねしょは未遂だから!
いくらなんでも!


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