先日、仕事帰りに立ち寄ってくださったAさん。。
彼女はこの福原で働いていた人で
現役時代はよく出前をとってくれましたが
10年前に引退して現役も離れていたところ、
ひょんなことから某お店に依頼されてソープ嬢に技術指導をしているそうです。
そう、Aさんは元ベテランソープ嬢なのです。
そんなAさんが「あーちゃん」を尋ねてくれるときは
講習を終えた帰りに持ち帰りのうどんとお寿司を買いにきたときで
ちょこっとおでんなんかをつっつきながら少しお話したりして
いつのまにか私たちを和ませてくれる存在になってしまっています
そんなAさんが珍しくグチをこぼします・・
女の子に技術指導をしていると
今の若い子はちゃんと覚えてくれないどころか
目上の人に対しても“敬う”ということを知らないというか・・
仕事に対する意欲にしても
“いくら稼ぎたい”と言う欲だけは人一倍なのに
それに見合った仕事をするのは「面倒」「しんどい」・・
Aさんが指導した後で、
おさらいでもう一度、今度は一人でやってみて・・
というと
え~~~~っ!そんなことできなぁ~い!
イヤ!
・・・
Aさんは教えながら涙がでそうになるんだそうです。。
最近は頭に神経禿までできてしまったとか・・・
精神的にキツイといっています。。
自分は何のためにここにきて教えてるんだろう・・
頼まれて講習に出向いてくるものの
仕事に対して意欲を持っている女の子はほんの僅か・・・
ろくな技術もないままお店でお客の相手をして
指名がかる・・なんてこともなく
その日の客が無ければ店側のせいにする・・
Aさんが現役の頃は
働く女の子よりも店側のほうが高飛車で
「指名がかえらなければ辞めてくれ」な方針だったし
そのためには先輩ソープ嬢に自分からお金払って技術を身につけた・・
という涙ぐましい努力があったそうです。
無断欠勤に遅刻なんかもってのほか
出勤する時はスーツに化粧バッチリで
とにかく、私の知っている一昔前の風俗嬢というのは
自分の仕事に対して“プライド”を持っていましたねぇ。。
なにせ、出勤前に空っぽの財布でいても
帰りには財布に入りきれないお金を持って帰っていたといいますから。。
そんな時代に風俗で頑張った人たちの中には
お店を持った人や、
を3つも持っている人もいたり、
Aさんの様に、明日の風俗界を背負って立つ人材を育てるお手伝いをしたり
とにかく、一昔前のおねぇさんたちは風俗の「苦労」を知っているだけに
逞しく生きてらっしゃる方が多いです。。
でも、今は違います・・
不景気で風俗遊びをする人が減ったこともあるのでしょうが
ソープだけではなく、“ヘルス”というお店が増えたせいで
お客も“安く遊びたい”とおもうのでしょうか、
そんなお店ばかりが増えてきて
ソープ自体廃ってしまいつつあるようで
というか、
女の子の技術指導ができていないために
“ソープの醍醐味”、本当のソープの素晴らしさを知らないお客が
“ソープ離れ”をおこしてしまったのではないか・・?!と
Aさんのお話を聞かされてふと思いました。。
Aさん曰く、
お客様は、1ヶ月一生懸命働いたお金で遊びにくる。
そんなお客様というのは、家庭以外の“癒し”を求めてやってくるのだから
それなりの技術で満足していただけなければならないのだと。。
その技術すらないままに接客して、しっかり金額だけは頂く・・
いえ、値切ってでも金さえ入れば・・と思っているお店もあるそうで・・
本当のソープの楽しさを知らないお客様が初めてソープにやってきて
ソープっていうのはそんなもんか・・と
もう一度来たいと思う事もなく去って行く・・
そういう現象は悲しい、悲しすぎますねぇ。。
陰で風俗界を支えるAさんのような人たちの努力がむくわれることなく
今の福原も廃りかけているんですもん。。
Aさんの時代の時のおねぇさんたちは、みんな“プライド”を持って
お仕事をしていました。
Aさんの仕事にしても、私らの仕事にしても、プライドを持って働く事は当然で
Aさんの仕事での“指名”というのは
私らの“常連”と同じ意味合いがあるのでは・・とおもうのです。。
Aさんは「技術」で常連客を増やし、
私ら食べ物屋さんは「味」で常連さんを増やす。。
そのための努力は惜しんだ事はないし、
「ありがとう」「美味しかった」の一言を聞いた時は
どんな苦労もかき消してくれる力があるということも知っています。。
Aさんも私たちも、職種は違えど、
働くということにかけては「プロ」なのです。
プロは素人とは違います。。
誰でもできるようなことをしているようでは「プロ」ではないのです。
お店を流行らせるのも廃らせるのも
それは店側の「努力」だとおもうのです。
私ら食べ物屋さんも風俗の世界も、“売ってなんぼ”の世界です。。
食うか食われるかの今の世の中で生き残りをかけるなら
“エエ仕事”を「売り」にするべきだと思うのですが・・
って、
今の若い子たちに、こんな辛気臭い話をしても
誰もついてはこないのでしょうかねぇ・・
困った世の中です・・