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アキザキヤツシロラン・2~果実

 ラン科オニノヤガラ属の「アキザキヤツシロラン(秋咲八代蘭)」。関東地方南部から琉球列島に分布し“八代”は熊本県八代市に由来する。花期は9~10月頃で、春に咲くハルザキヤツシロランもあるようだ。写真は果実の様子で下方にはまだ花が咲いている。花期の草丈は5センチほどだが花後には20センチ以上に成長する。これは受粉を手助けするのが地表付近の小さな虫であり、結実後は種を少しでも遠くに飛ばすために茎を高くするという戦略。
 さて余談だが、この花が生育する雑木林の入口にはジョロウグモの門番がいて、そこから胸の高さほどの笹が生い茂りそれをかき分けながら急斜面を奥に下って行くと薄暗い竹林に着く。人が入ることはほとんど無い場所で地面には踏み固められたような道は無く倒木もあって足場は悪い。2ヶ月前からこの花を探すために数回探索したが、一度、出口を見失って笹の中を20~30分彷徨ったことがある。見上げれば急斜面の15メートル先には明るい外が見えるが、行く手を笹や蔓などに阻まれ思うように進めない。藪に入る時は下りで比較的スイスイと進めたが帰りは急斜面の登り。何度か登り降りし、方向違いで壁のような崖にも阻まれほとほと困った。わずか15メートルの藪でこんなに迷うのだから、山奥の登山道で迷ったら生死に関わる。これに懲りて、先日はピンク色の短い紐を数本用意し目印として笹に結びながら進み、帰りはその紐を回収しながら戻ってきた。お陰で無事に藪から脱出。
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ノダケ・5~開花

 長沼公園“霧降の道”で見られる「ノダケ(野竹)」。セリ科シシウド属の多年草で、セリ科には珍しく花は濃紫色になる。草丈は1メートルを超えるほどになり、分枝した先端に複散形花序を付ける。ひとつの小さな5弁花の直径は4~5ミリで写真中央は雄蕊と花弁がある雄性期の花。このあと写真上部の花のように雄蕊と花弁が落ち、雌蕊の柱頭が伸びて雌性期になる
 さて観測史上最強とも言われる台風19号が関東に近づいている。気象庁は61年前の狩野川台風に匹敵する可能性があるとして厳重な警戒を呼び掛けている。今朝の日本経済新聞コラムで『枕草子』の“野分(のわけ・のわき)のまたの日こそ、いみじうあはれにおかしけれ(台風の次の日こそ、しみじみとして趣深い)”が紹介されていたが、清少納言が生きた平安時代の日本と亜熱帯化した現代の日本とでは台風の勢力は様変わりしている。何とか台風19号が東に大きく逸れて進み被害最小限で次の日を迎えたい。
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