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コシダ・3~二又分岐

 植物やラン藻などの光合成生物は太陽光エネルギーを利用して水と二酸化炭素から炭水化物を生成し副産物として酸素を放出する。地球上の生物の中で酸素を作る機能や二酸化炭素から糖を作る機能を持っているのは光合成生物だけだが、この仕組みについては未だに良くわかっておらず世界中の研究者がその解明に取り組んでいる。
 岡山大学大学院自然科学研究科の沈建仁教授らの研究グループは2011年に、葉緑体の“PSⅡ”というたんぱく質の内部にカルシウムやマンガンが結合した分子があり水を分解する反応の触媒として働いていることを解明し『ノーベル賞級の発見』と評価された。
 今回は光合成反応を起こさせた“PSⅡ”に強いX線を100兆分の1秒という極めて短い時間照射し、反応中の分子の動きをコマ送りで観察した結果、100万分の1秒後に水分子が“PSⅡ”の中のカルシウムに結合し、5000分の1秒後に水分子が分解されて酸素原子が出現していたという。これは人工光合成の実現に向けた第一歩となる成果で本研究成果は2月1日に英国科学誌『Nature』に掲載された。沈教授は『今後は酸素原子が分子となって外へ出ていく過程を突き止めたい』と話している。
 写真はウラジロ科コシダ属の「コシダ(小羊歯)」。ウラジロと同じように葉裏が白いがウラジロとは別属で羽片が2つ、2つと分岐する様子が異なる。毎年、主軸の先端から新しい主軸を伸ばして羽片を拡げていく。
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クジャクシダ・7〜枯れ姿

 ホウライシダ科ホウライシダ属の「クジャクシダ(孔雀羊歯)」。山地の明るい岩場などに生育する夏緑性のシダで冬は地上部が枯れる。茎は地中にあり地上部には葉柄が伸び、そこに一回羽状複葉の葉が並んで全体として孔雀が羽を広げたような形になる。
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クジャクシダ・6~黄葉

 奥高尾“逆沢作業道”で見られる「クジャクシダ(孔雀羊歯)」。イノモトソウ科(←ホウライシダ科)ホウライシダ属の夏緑性シダ植物で冬には地上部が枯れてしまう。この横では既に枯れた株が見られたがこの株は辛うじて黄葉して残っていた。一昨年の秋にここで初めて見つけて、新芽新葉成葉を観察することができた。
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ゲジゲジシダ

 2019年に大ヒットした『翔んで埼玉』の続編『翔んで埼玉Ⅱ~琵琶湖より愛をこめて~』が公開中だ。前作は東京に差別され迫害される埼玉の悲哀を面白可笑しく描いていた。県民は自虐的に"埼玉はダサい”と思って東京や神奈川に憧れる。東京都民に紛れ込んだ埼玉都民が"埼玉狩り”であぶり出され、埼玉県のシンボルである"しらこばと”の焼き印が入った草加せんべいの"踏み絵”が行われる。埼玉県民ならこれを踏むことがどうしてもできないのだ。更に茨城、栃木、群馬も加わって、最後には埼玉はプライドを取り戻し埼玉ブランドが全国に拡がっていき大団円を迎える。
 今回の新作は埼玉と同じように大阪や京都に虐げられている"誇れるものは湖しかない”滋賀がターゲットになった。これに埼玉が共闘し兵庫、和歌山、奈良を巻き込んでの展開となる。自動車の滋賀県ナンバーの"滋”の字の中の絲の字の上の部分の略字がゲジゲジのように見えるので、京都からは『ゲジゲジの滋賀県人はそこらへんの害虫でも食べといたらよろし!』と蔑まれている。前作も新作も各地を徹底的にこき下ろし自虐の中にも何か郷土愛を感じられるところが面白い。
 1980年代に"ダサい”と"さいたま”を掛け合わせた"ダサいたま”という造語が流行した。埼玉県はこのほど『埼玉は本当にダサいのか?』という県民アンケートを実施したところ800件を超える意見が届き、40年前は約9割が『埼玉はダサい』と言っていたのが、今回は『ダサい』が29%、『ダサくない』が27%と拮抗した。中には『海は無くても子育て支援を頑張っている』『ダサくてイイ!俺が埼玉県を愛しているならそれでイイ!』『イジられても笑い飛ばす。埼玉だけの豊かさがある』など埼玉愛に溢れる好意的な意見が多かったようだ。滋賀県も今夏の映画に便乗して滋賀を鋭意PR中と聞く。
 閑話休題。写真は奥高尾"日影林道”の斜面に生えている「ゲジゲジシダ(蚰蜒羊歯)」。ヒメシダ科ヒメシダ属の夏緑性シダ植物で北海道~九州の山野に普通に分布している。左右の羽片がジグザグ状に付き基部には三角形の翼がある。全体の様子をゲジゲジに見立てた命名でゲジゲジは子供の頃は家の周りで良く見ていたが、今は見ることはまず無い。
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ヒメミズワラビ

 イノモトソウ科(←ホライシダ科)ミズワラビ属の「ヒメミズワラビ(姫水蕨)」。水田や休耕田などに生える夏緑性シダ植物で草丈は10~30センチ。生育環境が良いと50センチにもなる。沖縄に生育する南方型のミズワラビに対し本種は鹿児島県以北のものを北方型の変種として分けられた。栄養葉は夏に出て羽状に深裂し胞子葉は秋に鹿のツノ状に伸びる。写真では中央に胞子葉が伸びておりその左下に栄養葉が見える。これは当地の愛好家の方が谷戸の休耕田で見つけられたもので当地の公園管理者が確認された。
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ヒメカナワラビ

 オシダ科イノデ属の「ヒメカナワラビ(姫鉄蕨)」。福島県以南の山地の岩場や斜面に生育している。葉身は40~70センチになる常緑性シダだが、写真のものは長さ10センチにも満たないミニサイズ。それも虫に喰われて風前の灯だ。また元気な時に出会いたい。ヒメカナワラビの小羽片には葉柄があり良く似たオオキヨズミシダと区別できる。これは別所地区のもので地元の愛好家の方が見つけられたとのことだが、栽培種の逸出や造成土に混入していた可能性が大きいようだ。
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ジュウモンジシダ・2~高尾山6号路

 高尾山で多く見られる「ジュウモンジシダ(十文字羊歯)」。オシダ科イノデ属の常緑性シダ植物で葉身は30~40センチ。長い頂羽片の基部から左右に短い側羽片があり基部の茎と合わせて“十文字”となる。大きな株は根茎から複数の葉身を出して全体が輪を作るように成長する。これは高尾山“6号路”のもの。
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クジャクシダ・5~成長

 イノモトソウ科(←ホウライシダ科)ホウライシダ属の「クジャクシダ(孔雀羊歯)」。去年、在り処を見つけて今春からその成長を観察してきた。写真は赤紫色だった新葉が成葉になり緑色に近づいてきた。孔雀が花を拡げたような美しさに魅せられる。
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クジャクシダ・4〜若葉

 イノモトソウ科(←ホウライシダ科)ホウライシダ属の「クジャクシダ(孔雀羊歯)」。早春の“コル(koru)”新葉の展開を観察してきたが次第に孔雀の羽らしくなってきた。葉色は緑色に変化しつつあるがまだ赤みが少し残っている。去年の秋にここに生えているのを見つけ成長の様子を観察している。
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クジャクシダ・3~新葉

 奥高尾“逆沢作業道”で見られる「クジャクシダ(孔雀羊歯)」。イノモトソウ科(←ホウライシダ科)ホウライシダ属の夏緑性シダ植物で写真は“コル”がほぐれて葉が展開し始めた様子。この成長を毎日観察したいところだがそうもいかない。葉は淡赤紫色でこの後大きく拡がり緑色になる
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