この言葉は私の座右の言葉です。
競泳選手時代から指導者となり、現在に到るまで私の人生を支え続けてきた言葉といえます。
この言葉はインド哲学の中心的な考え方を示した『バガヴァッド・ギーター』に収められています。
自分の感情や行為の結果にとらわれず、為すべきことを為せということです。
誰でも好きなことや嫌いなことはありますし、自分の行動の結果が気になるのは当然です。
しかし、インド哲学では感情や結果によって一喜一憂することなく、自分に与えられた役割を果たすことが人生において重要なことであると教えています。
『バガヴァッド・ギーター』とは「神の詩」という意味です。
古代インドで神の化身であるクリシュナが弓の使い手である戦士アルジュナに真実を教える話です。
アルジュナは戦いで人を殺めることに心を痛め、戦士としての役割を放棄しようとします。
それに対しクリシュナは自分の真の姿を現し、アルジュナに戦士として定められた行為に従事することを説くのです。
なぜならそれがアルジュナの宿命だからです。
人生に起きる出来事や世の中のすべての物事を善悪で正しく判断することは大変難しいことです。
また、インド哲学では好き嫌いの感情に振り回されてはならないことを戒めとしています。
それよりもこの人生で自分に与えられた役割は何なのか、ということを見極めてその務めを果たすことが重要であるということです。
『バガヴァッド・ギーター』では執着を離れて、結果にとらわれずに定められた行為を為すことを説いています。
競泳は毎年、大きな大会で結果が問われます。
よい時もあれば、悪いときもあります。
日常生活やどんな仕事でも同様です。
どんなに一生懸命やってもなかなかうまくいかないことが多いです。
私がインド哲学から教わったことは、よくないときであっても感情を乱すことなく、今、自分が「為すべきことを為す」ことです。
自分が果たすべきことは結果を残すことにあるのではなく、行為そのものにあることをインド哲学の古典は教えてくれるのです。
下の写真は私が学校の助成でインド研修に行ったときのものです。
アーユルヴェーダやヨーガなどを体験し、大変有意義な研修を行いました。
インドは知れば知るほど大変奥深い国だと思います。
『バガヴァッド・ギーター』
クリシュナがアルジュナに教えを説く場面です。
アーユルヴェーダで使用するハーブや施設
ヨーガの道場
インド古来の武道「カラリパヤット」
インドの伝統芸能「カタカリ」
宿泊施設からの眺め
竹村知洋