この言葉は日大豊山水泳部前監督の井上敦雄先生が繰り返し、生徒たちに教えていたことです。
あいさつをすること、感謝の気持ちを持つこと、相手を思いやることです。
いずれも人間関係にとって大切なことで、昔から今までも、そしてこれからもずっと変わりません。
『小学生全集』は繰り返し「えらい人」になることを説いていますが、その「えらい人」というのは社会的な地位が高いというだけでなく、人格的にも優れた人を指します。
「えらい人」は、人を大切にする人です。
人を大切にするということは、打算ではなく、「情」で接する人です。
西郷のために立ち上がった薩摩の人々は、西郷の情に応えるためだったのでしょう。
伝統の大切さはエドマンド・バークが教えてくれ、それを受け継いだチャーチルは後世に過去から学ぶことの大切さを伝えました。
学校では「日本大学の目的及び使命」がそれを示しており、校訓「強く正しく大らかに」に受け継がれています。
「強さ」は「男の強さ」です。
それは生きる力やたくましさというものです。
自分に厳しく、身体を鍛え、忍耐心を養い、つらくてもあきらめずに困難に立ち向かう強さを持つことです。
「正しさ」は人間関係を大切にする道徳です。
それがあいさつ、感謝、思いやりです。
先人から受け継がれたことを実践し、次の世代に伝えることです。
「大らかさ」は目の前の小さなことにとらわれず、大局に立ち、長期的視野で物事を見ることです。
それができれば「真の男」であり、立派な社会人として生きていくことができるはずです。
これからも日大豊山は「強く正しく大らかな」男子の育成を続けていきます。
竹村知洋