著:佐藤由美子
図書館へ行ったときに、偶々、新刊コーナーに置かれていて、手にした一冊。
著者は、アメリカを活動の拠点としている音楽療法士。
日本では、音楽療法士と言う、職業自体が馴染みがないのだけれど、
障害がある方や病気の方を対象に、
音楽で持って、リハビリや緩和ケアを行うお仕事らしい。
この本に登場する方は、戦争を体験しているアメリがの高齢者の方たち。
人生の終末期に、その人たちが語る戦争の記憶が、本当に切ない。
勝利した国の人たちの記憶にさえ、強烈な体験が残っていて、
涙ぐんでしまう場面もあった。
人と人が殺し合うことを正義としてきた時代が、どれほど恐ろしい事か、
その生々しい記憶を背負って生きていくことのやるせなさ、
戦争を知らない筆者が伝えることにも、
この書籍は大きな価値があると感じました。
朝ドラ「エール」で、戦争に突き進んでいく時代が放送されていて、
戦意を高めるための曲を作る作曲家が描かれている。
7月に急逝した三浦春馬君が出演していた「太陽の子」では、
京大の秀才たちが、原子爆弾を開発する実験を行っていた。
才能のある人たちの能力をあらぬ方へ向かわせた残酷な時代。
それを疑うこともしなかっただろう。
この本を読んでから、特に、そう言う場面を描いたドラマや映画が痛い。
自由な時代に生きていることをもっと楽しまなくてはいけないと、
あれこれ思うのでありました。
あ・・・、楽しみ過ぎですね、私の場合。笑笑
@ふると
当時の社会状況では、密告を恐れてご近所さんのことも信用できなかったから、平和になったとしても心にわだかまりが残って、トラウマ化したのかもしれません。
昔の学者さん達は、代々続く裕福な家の子息が大半だっただろうと思うので、同じく中央政府の人間もそうだったろうし、家同士の繋がりもあり同じ方向に向きやすかったのかも。
現代では一般でも学者さんになれたりしますから、その辺に齟齬が発生して・・・今揉めている案件に発展したのでしょう(苦笑)
今年は大戦を描いたドラマを 感慨深く観る機会が続いたせいもあって、この本の内容が余計に気になったのかもしれません。
お天気ねこさんの意見にも、なるほどなぁって、思います。