カープ君の部屋

カープファンですが、カープの記事はありません。目指せ!現代版「算額」

大人の数学教室142(三角比⑰)

2021-01-07 12:17:11 | 大人の数学教室
【第17章】
(17)三角形の面積②
余弦定理より
cosA=(b^2+c^2-a^2)/(2bc)

(sinA)^2=1-(cosA)^2
=1-(b^2+c^2-a^2)^2/(4b^2c^2)

S=½×bcsinAより、4S=2bcsinA

16S^2=(4S)^2
=(2bcsinA)^2
=4b^2c^2×(sinA)^2
=(2bc)^2-(b^2+c^2-a^2)^2
=
{2bc+(b^2+c^2-a^2)}{2bc-(b^2+c^2-a^2)}
={(b+c)^2-a^2}{a^2-(b-c)^2}
=(a+b+c)(-a+b+c)(a+b-c)(a-b+c)

t=(a+b+c)/2 とおくと、
a+b+c=2t,
-a+b+c=2(t-a), a-b+c=2(t-b), a+b-c=2(t-c)

16S^2=16t(t-a)(t-b)(t-c)
S^2=t(t-a)(t-b)(t-c)
したがって、
S=√(t(t-a)(t-b)(t-c))


ヘロンの公式【3辺→面積】
三辺の長さがa,b,cである△ABCの面積S
t=(a+b+c)/2 とおくと、
S=√{t(t-a)(t-b)(t-c)}

例)a=7, b=8, c=9のとき、面積Sを求めよ。
t=(7+8+9)/2=12
ヘロンの公式より、
S=√{12×(12-7)×(12-8)×(12-9)}=12√5

途中の式を活用する。
16S^2=(2bc)^2-(b^2+c^2-a^2)^2

例)a=√2, b=√3, c=√5のとき、
16S^2=(2√3×√5)^2-(3+5-2)^2=60-36=24
4S=2√6
よって、S=√6/2


内接円の半径をr とおくと、
S=½×r(a+b+c)
(3辺と内接円の半径→面積)


三角形の面積を求めるには
① 2 辺とはさむ角
② 3 辺と外接円の半径
③ 3 角と外接円の半径
④ 3 辺→ヘロンの公式
⑤ 3 辺と内接円の半径

例)a=7, b=3, c=8のとき、外接円の半径Rと内接円の半径rを求めよ。

【解】
t=(7+3+8)/2=9
S=√{9×(9-7)×(9-3)×(9-8)}=6√2

S=(abc)/(4R)より、
R=(abc)/(4S)=168/(24√2)
=(168√2)/48=(7√2)/2

S=½×r(a+b+c)より、
r=(2S)/(a+b+c)=(12√2)/18=(2√2)/3
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大人の数学教室141(三角比⑯)

2021-01-06 12:18:37 | 大人の数学教室
【第16章】
(16)三角形の面積①

△ABC の面積をS とする。

頂点C から直線ABに垂線を引き、直線ABとの交点をD とする。CD=AC×sinA が△ABCの高さになる。
S=½×AB×AC×sinA=½bc×sinA

同様にして
S=½bc×sinA=½ca×sinB=½ab×sinC
(2辺とそのはさむ角→面積)


正弦定理よりsinA=a/(2R) だから、
S=(abc)/(4R)
(3辺と外接円の半径→面積)


正弦定理よりb=2R×sinB, c=2R×sinC
S=2R^2×sinA×sinB×sinC
(3角と外接円の半径→面積)


例)a=4, c=3, A=120°, C=30°のとき、面積Sを求めよ。
B=180°-(120°+30°)=30°
S=½×3×4×cos30°=6×√3/2=3√3
(aとcのはさむ角はB)
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大人の数学教室140(三角比⑮)

2021-01-05 12:19:41 | 大人の数学教室
【第15章】
(15)最大角と最大辺

△ABCにおいて、
最大辺の対角が最大角である。
最大角の対辺が最大辺である。

a≧b ⇔ A≧B を示す。

【証明】
余弦定理より、
2abc(cosA-cosB)
=a(b^2+c^2-a^2)-b(c^2+a^2-b^2)
=(a-b)c^2+a(b^2-a^2)+b(b^2-a^2)
=(a-b)c^2-(a+b)(a^2-b^2)
=(a-b)c^2-(a-b)(a+b)^2
=(a-b){c^2-(a+b)^2}
=(a-b)(a+b+c){c-(a+b)}

a>0, b>0, c>0 で、c<a+b だから、

a≧b
⇔ (a-b)(a+b+c){c-(a+b)}≦0
⇔2abc(cosA-cosB)≦0
⇔ cosA≦cosB
⇔ A≧B

最大辺の対角が鋭角のときは鋭角三角形

例)a=7, b=5, c=8のとき
cosC=(7^2+5^2-8^2)/(2×7×5)
=(49+25-64)/70=1/7>0
最大角Cは鋭角だから、
△ABCは鋭角三角形

最大角の余弦(cos)を求めることで、鋭角三角形、直角三角形、鈍角三角形が分かる。
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大人の数学教室139(三角比⑭)

2021-01-04 12:23:54 | 大人の数学教室
【第14章】
(14)三角形の解法
三角形の3つの辺と3つの角のうち、3つの値から、他の値を求める。

正弦定理より
(a,b,c)=(sinA,sinB,sinC) だから、
(A,B,C)⇔(a,b,c)
(60°,60°,60°)⇔(1,1,1)
(45°,45,°90°)⇔(1,1,√2)
(90°,30°,60°)⇔(2,1,√3)

加法定理より(後日解説予定)
sin15°=sin(45°-30°)
=sin45°cos30°-cos45°sin30°
=√2/2×√3/2-√2/2×1/2
=(√6-√2)/4

sin75°=sin(45°+30°)
=sin45°cos30°+cos45°sin30°
=(√6+√2)/4

sin105°=sin(180°-75°)
=sin75°=(√6+√2)/4

(15°,15°,150°)⇔(√3-1,√3-1,√2)
(15°,30°,135°)⇔(√3-1,√2,2)
(15°,45°,120°)⇔(√3-1,2,√6)
(15°,75°,90°)⇔(√6-√2,√6+√2,4)
(30°,30°,120°)⇔(1,1,√3)
(30°,45°,105°)⇔(1,√2,√6+√2)
(45°,60°,75°)⇔(2,√6,√3+1)
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大人の数学教室138(三角比⑬)

2020-12-30 12:32:08 | 大人の数学教室
【第13章】
(13)三角形の形状決定

△ABC の形状を決定する。
①正三角形⇔3 辺が等しい

②二等辺三角形⇔2 辺が等しい
⇔2 角が等しい

③直角三角形⇔三平方の定理が成り立つ


正弦定理と余弦定理を利用して、辺の関係あるいは角の関係を調べる。

正弦定理より
sinA=a/(2R), sinB=b/(2R), sinC=c/(2R)

余弦定理より
cosA=(b^2+c^2-a^2)/(2bc)
cosB=(c^2+a^2-b^2)/(2ca)
cosC=(a^2+b^2-c^2)/(2ab)

例)sinA=2cosBsinCを満たす△ABCはどんな三角形か。
【解】
2RsinA=2cosB(2RsinC)
正弦定理より、
a=2c×cosB
余弦定理より、
a=2c×(c^2+a^2-b^2)/(2ca)
a^2=c^2+a^2-b^2
b^2=c^2
b>0, c>0より、b=c
よって、b=cの二等辺三角形
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