2次式の因数分解
a,b,cを整数とする。ただし、a≠0
P=ax^2+bx+cが整数範囲で因数分解できるための必要十分条件は
D=b^2-4acが平方数
b^2-4ac=k^2とする。
P=ax^2+bx+c
4aP=4a^2+4abx+4ac
=(2ax)^2+2(2ax)b+b^2-b^2+4ac
=(2ax+b)^2-(b^2-4ac)
=(2ax+b)^2-k^2
=(2ax+b+k)(2ax+b-k)
すなわち、
P=ax^2+bx+c
D=b^2-4ac=k^2とする。
4aP=(2ax+b+k)(2ax+b-k)
(※)右辺から4aを括り出すことができる
(※)kを求めるのに大変なこともあるが、組み合わせなどを考えることがない。
機械的にできるので、プログラム向き
(※)kが整数でないときは因数分解できない。
【例①】
P=5x^2-11x+2
D=(-11)^2-4×5×2=121-40=81=9^2
20P=(10x-11+9)(10x-11-9)
=(10x-2)(10x-20)
=2(5x-1)×10(x-2)
P=(5x-1)(x-2)
【例②】
P=3x^2-7x-6
D=49+72=121=11^2
12P=(6x-7+11)(6x-7-11)
=(6x+4)(6x-18)=2(3x+2)×6(x-3)
P=(3x+2)(x-3)
【例③】
P=48x^2-115x-150
D=115^2+4×48×150=13225+48×600
=13225+28800
=42025
=1681×5^2=(41×5)^2=205^2
4×48P=(96x-115+205)(96x-115-205)
=(96x+90)(96x-320)
=6(16x+15)×32(3x-10)
P=(16x+15)(3x-10)
【42025=205^2の計算】
4=2^2
400=20^2
420=20^2+20
42000=200^2+2000
42025=200^2+2025
=200^2+2×200×5+5^2
=(200+5)^2=205^2
1681
16=4^2
1600=40^2
1681=40^2+81
=40^2+2×40×1+1^2
=(40+1)^2=41^2
(※)2021/10/8【開平法】を参照
(※)2021/6/11【2次式の因数分解】
を再掲
(2023/3/17)
変形理由が分かるように解答すると、
【例】
P=5x^2-11x+2
20P=100x^2-220x+40
=(10x)^2-2×11×(10x)+11^2-11^2+40
=(10x-11)^2-9^2
=(10x-11+9)(10x-11-9)
=(10x-2)(10x-20)
=2(5x-1)×10(x-2)
=20(5x-1)(x-2)
P=(5x-1)(x-2)
(※)bが偶数のときは、Dは4の倍数
【例④】
P=15x^2+2x-8
D=2^2+4×15×8=4+480=484
=4×121=2^2×11^2=22^2
60P=(30x+2+22)(30x+2-22)
=(30x+24)(30x-20)
=6(5x+4)×10(3x-2)
P=(5x+4)(3x-2)