整数を扱うのに、知っておくと便利なものに、「合同式」がある。高校の範囲を越えるけれども、はまると面白い分野なので、お付き合いください。
【第1章】
(1)合同式
整数a,b、自然数nに対し、
a-bがnの倍数のとき、
aとbは、nを法として「合同」といい、
a≡b (mod n)
と表す。
例えば、8と13は
8-13=-5だから、5を法として合同
8≡13 (mod 5)
8÷5=1 … 3
13÷5=2 … 3
5で割ったときの余りが等しい。
a≡b (mod n)のとき、
「aをnで割ったときの余りとbをnで割ったときの余りが等しい。」
(これを、a≡b (mod n)の定義としている場合も多いが、性質等の証明するのに上記の方が楽なので、上記の定義を採用した。)
nで割ったときの余りは、0~n-1。
整数をn個のグループに分け、同じグループの数同士は「合同」とする。
(例)ある年の3月1日は日曜日だった。
6月1日は何曜日か。
3月1日を1日目とする。
31+30+31+1=93より、
6月1日は93日目。93=7×13+2
93≡2 (mod 7)
1つ曜日をずらして、月曜日
x≡1 (mod 7)は日曜日
x≡2 (mod 7)は月曜日
のように、曜日は合同式で考えられる。
時計もmod 12の合同式で考えられる。
15時は、(午後)3時で
15≡3 (mod 12)