x+4/x=2のとき、x^2022の下2桁を求めよ。
素因数分解の一意性を証明する。
①除法の原理
②ベズーの補題
③ユークリッドの補題
④素因数分解の一意性
①【除法の原理】
「二つの自然数nおよびm≠0に対してある自然数aおよびbが存在して
n=am+b (0 ≤b<m) が成立する」
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②【ベズーの補題】
aとbを0でない整数とし、dをそれらの最大公約数とする。このとき整数xとyが存在して、ax+by=dとなる。
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【証明】
与えられた 0 でない整数 a と b に対して、x と y を整数として ax + by がとりうる整数の集合 S について、S の任意の要素 u, v および整数 k に対して u + v, ku は S に含まれる。
実際u,vがu= ax[1]+by[1], v=ax[2]+by[2]と書ければ、
u+v=a(x[1]+ x[2])+b(x[2]+y[2])∈S,
ku=a(kx[1])+b(ky[1])∈Sである。
符号をかえれば u-v∈Sも同様にいえることがわかる。
今Sに含まれる正の整数のうち最小の数をhとする。するとSの要素はすべてhの倍数になっている。
というのは、もしhの倍数で表せない数mが存在すると仮定するとmをhで割った商をq、0でない余りをrと置いて
m=qh+r すなわち r =m-qhと書ける。
仮定より m∈ S およびh∈S, qh∈Sからr∈S。
r は割り算の余りなので割る数hより小さく、 これはhがSの最小の数であるという仮定に反する。すなわち S の要素はすべてhの倍数になっている。
ax+byの式でx=1,y=0を代入すればaとなるから、a∈S、同様にb∈S。 ということは、a,bはともにhの倍数であり、hはa,bの公約数である。したがってa, bの最大公約数g以下であるからh≦ g。……(1)
また a,bはgの倍数だから、a=a'g, b=b'g と置いて、
ax+by=(a'x+b'y)gとなり、Sの要素はgの倍数である。
特にh∈Sもgの倍数だからh≧g。……(2)
(1)(2)よりh=g、すなわち、
ax+by=g(gはa,b の最大公約数)
を満たすx, yが存在する。
【証明終】
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③【ユークリッドの補題】
素数pがabを割り切るなら,
pはaかbの少なくとも一方を割り切る。
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【ベズーの補題による証明】
ベズーの補題を利用した証明をする。ベズーの補題によれば、x, y が互いに素な整数であるなら(x, y の最大公約数が 1 であるなら)、
rx+sy=1…(1)
を満たすような整数 r, s が存在する。
a, c が互いに素であり、かつ c|ab であるとすれば、ベズーの等式 (1) より、以下の等式を得る。
rc+sa=1…(2)
(2) の両辺に b を掛ければ
rcb+sab=b…(3)となる。
(3) の左辺の第一項はcで割り切れ、第二項は ab で割り切れるので仮定よりcでも割り切れる。従ってそれらの和もcで割り切れるから c|b が成り立つ。
これは上述のユークリッドの補題の拡張になっている。
【証明終】
ユークリッドの補題を繰り返し使うことで,
素数 p が a[1]a[2]⋯a[n] を割り切れるなら,p が a[1],⋯,a[n] の少なくとも一つを割り切ることが分かります。これを使って証明します。
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④【素因数分解の一意性】
「任意の正整数は、1 を除いて、一つまたはそれ以上の素数の積として(因子の順番の違いを除いて)ただ一通りに表すことができる」
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【証明】
Nが二通りに素因数分解できたと仮定する:
N=p[1]p[2]⋯p[n]=q[1]q[2]⋯q[m]
(n≤m,p[i]やq[i]たちは同じものが複数あってもよい)
中辺はp[1]の倍数なので補題よりq[1]からq[m]のいずれかがp[1]で割り切れる。q[1]がp[1]の倍数としても一般性を失わない。ところがp[1]もq[1]も素数なのでp[1]=q[1]である。
以下同様に(適当に順番をつけることで)p[2]=q[2],⋯,p[n]=q[n]が分かる。
n<mのとき,もとの式より 1=q[n+1]⋯q[m]となるがこれは不適。つまりn=mとなる。
以上により二通りの素因数分解は一致した。
【証明終】
(2021/2/27)
あと3月 参院前の バラマキに
(2022/4/22)
自民党と公明党は物価高などへの緊急対策で所得の低い子育て世帯に子ども1人当たり5万円を給付することなどで合意しました。また今の国会での補正予算案の編成を求めることでも合意し、政府に申し入れました。
選挙の度にバラマキをすると、バラマキがあるのが「普通」になって、バラマキのない選挙は大敗するかも。
文通費 やっとのことで 日割りかな
(2022/4/16)
国会議員に毎月100万円が支払われる文書通信交通滞在費(文通費)の関連法が、名称を「調査研究広報滞在費」に変更して15日に成立した。
【変更内容】
①在職日数による日割り計算
②支給目的も拡大
目的も「調査研究」「広報」「国民との交流」「滞在」など
一方、
①使途公開や未使用分の国庫返納
②領収書添付
などは検討課題として残された。
領収書が無ければ目的外使用も可能だし、未使用分は個々のお財布に入る。
未使用分を株式投資するのも可能である。
昨年の10月の衆議院選挙後に問題が浮上した文通費。実質日割り計算にすることで決着するのか?
3文字の基本対称式
a+b+c=α
ab+bc+ca=β
abc=γ
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対称式は、基本対称式の多項式で表すことができる。
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【第0章 準備】
P[n]=a^n+b^n+c^nとする。
(x-a)(x-b)(x-c)=0
x^3-(a+b+c)x^2+(ab+bc+ca)x-abc=0
a,b,cは、x^3-αx^2+βx-γ=0の解である。
a^3-αa^2+βa-γ=0→a^nを掛けると、
a^(n+3)-αa^(n+2)+βa^(n+1)-γa^n=0
同様に
b^(n+3)-αb^(n+2)+βb^(n+1)-γb^n=0
c^(n+3)-αc^(n+2)+βc^(n+1)-γc^n=0
辺々を足す
P[n+3]-αP[n+2]+βP[n+1]-γP[n]=0
P[n+3]=αP[n+2]-βP[n+1]+γP[n]
という漸化式が成り立つ
P[0]=a^0+b^0+c^0=3
P[1]=a+b+c=α
P[2]=a^2+b^2+c^2
=(a+b+c)^2-2(ab+bc+ca)=α^2-2β
漸化式を利用して、数学的帰納法により、
P[n]は、α,β,γで表すことができる。
P[3]=α(α^2-2β)-βα+3γ=α^3-3αβ+3γ
【第1章 対称式の分解】
a,b,cの多項式は、
k(a^s)(b^t)(c^u)の和で表すことができる
①文字が1つの項
a^sを項に持てば、b^s, c^sを項に持つ
その和S[1]=a^s+b^s+c^s=P[s]
S[1]は成り立つ
②文字が2つの項(A:s≠t)
(a^s)(b^t)を項に持てば、
(a^s)(c^t), (b^s)(a^t), (c^s)(b^t)を項に持ち、(b^s)(c^t),(c^s)(a^t)も項に持つ
その和S[2]
=(a^s)(b^t+c^t)+(b^s)(a^t+c^t)
+(c^s)(a^t+b^t)
=(a^s)(P[t]-a^t)+(b^s)(P[t]-b^t)
+(c^s)(P[t]-c^t)
=(a^s+b^s+c^s)P[t]-P[s+t]
=P[s]P[t]-P[s+t]
S[2]は成り立つ
③文字が2つの項(B:s=t)
(a^s)(b^s)を項に持てば、
(b^s)(c^s), (c^s)(a^s)を項に持つ
その和S[3]=(ab)^s+(bc)^s+(ca)^s
Q[n]=(ab)^n+(bc)^n+(ca)^nとする。
(x-ab)(x-bc)(x-ca)=0
x^3-(ab+bc+ca)x^b+abc(a+b+c)x-(abc)^2=0
ab,bc,caは、x^3-βx^2+αγx-γ^2=0の解
P[n]と同様に吟味すると、
Q[n+3]=βQ[n+2]-αγQ[n+1]+γ^2Q[n]
という漸化式が成り立つ
Q[0]=3
Q[1]=ab+bc+ca=β
Q[2]=(ab+bc+ca)^2-2abc(a+b+c)
=β^2-2αγ
漸化式を利用して、数学的帰納法により、
Q[n]は、α,β,γで表すことができる。
S[3]=Q[s]より、成り立つ
④文字が3つの項s,t,uは正の整数
(A)s,t,uがすべて異なる
Fが(a^s)(b^t)(c^u)の項を持てば、
(a^s)(c^t)(b^u)
(b^s)(a^t)(c^u)
(b^s)(c^t)(a^u)
(c^s)(a^t)(b^u)
(c^s)(b^t)(a^u)
も項に持つ。
s>t>uとしても、一般性を失わない
この6つの項の和をS[4]とする。
p=s-u, q=t-uとする。
T=(a^p)(b^q)+(a^p)(c^q)+(b^p)(a^q)
+(b^p)(c^q)+(c^p)(a^q)+(c^p)(b^q)
=(a^p)(b^q+c^q)+(b^p)(c^q+a^q)
+(c^p)(a^q+b^q)
=(a^p)(P[q]-a^q)+(b^q)(P[q]-b^q)
+(c^q)(P[q]-c^q)
=(a^p+b^p+c^p)P[q]-P[p+q]
=P[p]P[q]-P[p+q]
S[4]=γ^u×T
S[4]も成り立つ
(B)s>t=uのとき、
Fが(a^s)(b^t)(c^t)を項に持てば、
(b^s)(a^t)(c^t), (c^s)(b^t)(a^t)も項に持つ
この3つの項の和をS[5]とする。
p=s-tとする。
S[5]=(abc)^t(a^p+b^p+c^p)
=γ^t×P[p]
S[5]も成り立つ
(C)s=t>uのとき、
Fが(a^s)(b^s)(c^u)を項に持てば、
(c^s)(b^s)(a^u), (a^s)(c^s)(b^u)も項に持つ
この3つの項の和をS[6]
p=s-uとする。
S[6]=(abc)^u×{(ab)^p+(bc)^p+(ca)^p}
=γ^u×Q[p]
S[6]も成り立つ
(D)s=t=uのとき、
P[7]=(a^s)(b^s)(c^s)=(abc)^s=γ^s
成り立つ
【第2章 対称式】
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対称式は、P[1]~P[7]の和で表すことができるから、
対称式Fもα,β,γの多項式で表すことができる。
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(例)
a^2b+a^2c+b^2c+b^2a+c^2a+c^2b
=a^2(b+c)+b^2(c+a)+c^2(a+b)
=a^2(P[1]-a)+b^2(P[1]-b)+c^2(P[1]-c)
=(a^2+b^2+c^2)P[1]-a^3-b^3-c^3
=P[2]P[1]-P[3]
=(α^2-2β)α-(α^3-3αβ+3γ)
=αβ-3γ
〔※②-(A)のケース〕