-2x>6→x<-3
不等式で、
両辺を負の数で掛けたり割ったりすると、なぜ不等号の向きが変わるのか?
次の事項は、正しいとする。
【不等号の性質】
①a>b→a+c>b+c
②a>b→a-c>b-c
③c>0のとき、
a>b→ac>bc
a>b→a/c>b/c
④a>b→b<a 【両辺の逆転】
【移項】
a+c>b-d
→a+c-c>b-d-c :両辺からcを引く
→a>b-d-c :左辺を計算する
→a+d>b-d-c+d :両辺にdを足す
→a+d>b-c :右辺を計算する
最初の式と最後の式を比べる。
a+c>b-d→a+d>b-c
cに注目すると、左辺から右辺に移って符号が変わる。
dに注目すると、右辺から左辺に移って符号が変わる。
不等号を挟んで辺を移ると、符号が変わる。
これを、「移項」という。
【負の数を掛けたり割ったりする】
c<0とする。移項して、0<-c
a>b
→a×(-c)>b×(-c) :両辺に-c>0を掛ける
→-ac>-bc :両辺を計算する
→bc>ac :移項する
→ac<bc :両辺の逆転
よって、
c<0のとき、a>b→ac<bc
同様に、
a>b→a/(-c)>b/(-c)→-a/c>-b/c
→b/c>a/c→a/c<b/c
したがって、
c<0のとき、
a>b→ac<bc
a>b→a/c<b/c
すなわち、
負の数を掛けたり割ったりすると、不等号の向きが変わる。
(2023/4/17)
【蛇足:①②③④の補足】
a>b→a+c>b+c
a>b→a-c>b-c
上皿天秤をイメージすると成り立つ。
c>0のとき、
a>b→ac>bc, a/c>b/c
n:自然数のとき、①より成り立つ
m:自然数のとき、
a>b→a/m<b/mとする。
(a/m)×m<(b/m)×m→a<b
矛盾するから、a>b→a/m>b/m
a>b→an>bn→(an)/m>(bn)/m
→a×(n/m)>b×(n/m)
すなわち、cが任意の有理数で成り立つ
例えば、√2=1.41421356…
少数のどこで区切っても有理数になるので成り立つから、√2でも成り立つと考える方が自然である。
そう考えても、矛盾が生まれないからOK→無理数でも成り立つ
実数でも成り立つとする。
a>b→b<a
表記の仕方を変えただけ。