情報を探るために潜り込んだ集団を統轄するハラムが殺され、
失われていた記憶が甦ってきます。
MADS経由の時は、リエが撃たれて記憶が甦りましたね。
ここからはそんなにも変化はないのですが、MADS経由では
登場しなかったザコキャラが登場いたします。
161:
キミは奇妙な既視感に襲われた。誰かが死んでいくのを、こうやって
看取ってやった覚えがある…。
─あれは、誰だったんだ?─
シンとした店に靴音を響かせ、ふたりの男が入って来た。傭兵ではな
いが、同じ種類の目をしている。ひとりがキミの肩に手をかけてきた
が、キミは動かず、正体の判らぬ何かを必死で手繰った。
─アレは…─
「おい、立つんだ」
男がキミの肩をグイッと引いた。
意識が眠ったような状態のままで怒りだけがキミの体を支配した。振
り向くと同時に右拳を男の腹にめり込ませる。その拳の感触がキミを
さらに狂暴にした。頭の中で何かが弾ける。
─アレは、戦場だった…オレの腕の中で死んでいった、アレは
友軍兵だ─
「人死にを見るのは初めてじゃねぇだろ!大人しくしやがれ!」
喚きながら殴りかかってきた傭兵に向け、気絶した男の体を突き飛ば
す。怯んだところに右ストレートを叩き込んだ。
入口から小さい缶のようなモノが投げ入れられたのを見たキミは、反
射的に口を覆って床に伏せた。宙に浮いた缶から白煙が吹き出し、傭
兵たちが急き込み始める。
キミは息を止め、ジリジリと入口に向かって這い進んだ。入口の横の
床にピッタリと身を伏せて待つ。
─そうだ…思い出したぞ…オレは─
不格好なガスマスクを着けた男が入口に姿を現すのを認めるや否や、
キミは跳ね起きた。勢いをつけた拳がマスクごと男の顔面を横殴りに
叩き潰す。
そのままキミは店の外に走り出した。停めてあった車の中から男が飛
び出し、キミの前に立ち塞がった。
「止まれ!」
その男の顔を右手で引っ掴む。頬の肉にキミの指が食い込んだ。一度
引いてから思い切り車のサイドウィンドウに叩きつける。派手な音が
してガラスが砕け、男は動かなくなった。
コロニーの中に降りるエレベーターに向かって走りながら、キミは破
壊の快感に酔い痴れた体が興奮から醒めて行くのを感じていた。
─思い出したぞ…オレはヘルメスだ。
・パンドラの箱を持つヘルメスだ:088
ちうこって、こっちはMADSと余し関わらないルートです。
記憶を取り戻したのも違う場所なので内容も少し違います。
088→074:
・記憶を取り戻した場所がナオミの倉庫だった:144
・それ以外の場合:105
で、倉庫じゃないので、105へ進みます。
105:
ナオミが身に着けていたネックレス─両端をチェーンに繋がれた親指
大のカプセルをキミは思い出した。あの中にマイクロフィルム化され
たリストが入っているのだ。
キミは無意識の内にナオミとリエがいる筈の倉庫に足を向けていた。
─ナオミに会わなければならない─
それがパンドラを取り戻すためなのか、それとも何か他のモノのため
なのかキミには判らなかった。
何度か道を間違えながらも何とか最後の角を曲がったキミは、思わず
立ち止まった。倉庫の正面に続く路地は、さながら市街戦直後の様相
を呈していた。左右の塀には弾痕が穿たれ、アスファルトは所々乾い
た血でドス黒く染められている。
倉庫の入口のシャッターは、爆破でもされたのか内側に捲れ上がり、
ポッカリと口を開けている。
中に入ったキミは、思わず鼻を覆った。床には焼け焦げたコンテナが
散らばり、まだ白煙を上げて燻っている。壁は真っ黒に煤けていた。
揮発油の強い臭いがツンと鼻を突く。
─何だ?一体何があったんだ?ナオミは─
・倉庫の中を捜索してみる:125
・街でMADSのメンバーを捜してみる:186
125はBAD ENDなので、186へ進みます。
ちうとこで、次回に続きます。
失われていた記憶が甦ってきます。
MADS経由の時は、リエが撃たれて記憶が甦りましたね。
ここからはそんなにも変化はないのですが、MADS経由では
登場しなかったザコキャラが登場いたします。
161:
キミは奇妙な既視感に襲われた。誰かが死んでいくのを、こうやって
看取ってやった覚えがある…。
─あれは、誰だったんだ?─
シンとした店に靴音を響かせ、ふたりの男が入って来た。傭兵ではな
いが、同じ種類の目をしている。ひとりがキミの肩に手をかけてきた
が、キミは動かず、正体の判らぬ何かを必死で手繰った。
─アレは…─
「おい、立つんだ」
男がキミの肩をグイッと引いた。
意識が眠ったような状態のままで怒りだけがキミの体を支配した。振
り向くと同時に右拳を男の腹にめり込ませる。その拳の感触がキミを
さらに狂暴にした。頭の中で何かが弾ける。
─アレは、戦場だった…オレの腕の中で死んでいった、アレは
友軍兵だ─
「人死にを見るのは初めてじゃねぇだろ!大人しくしやがれ!」
喚きながら殴りかかってきた傭兵に向け、気絶した男の体を突き飛ば
す。怯んだところに右ストレートを叩き込んだ。
入口から小さい缶のようなモノが投げ入れられたのを見たキミは、反
射的に口を覆って床に伏せた。宙に浮いた缶から白煙が吹き出し、傭
兵たちが急き込み始める。
キミは息を止め、ジリジリと入口に向かって這い進んだ。入口の横の
床にピッタリと身を伏せて待つ。
─そうだ…思い出したぞ…オレは─
不格好なガスマスクを着けた男が入口に姿を現すのを認めるや否や、
キミは跳ね起きた。勢いをつけた拳がマスクごと男の顔面を横殴りに
叩き潰す。
そのままキミは店の外に走り出した。停めてあった車の中から男が飛
び出し、キミの前に立ち塞がった。
「止まれ!」
その男の顔を右手で引っ掴む。頬の肉にキミの指が食い込んだ。一度
引いてから思い切り車のサイドウィンドウに叩きつける。派手な音が
してガラスが砕け、男は動かなくなった。
コロニーの中に降りるエレベーターに向かって走りながら、キミは破
壊の快感に酔い痴れた体が興奮から醒めて行くのを感じていた。
─思い出したぞ…オレはヘルメスだ。
・パンドラの箱を持つヘルメスだ:088
ちうこって、こっちはMADSと余し関わらないルートです。
記憶を取り戻したのも違う場所なので内容も少し違います。
088→074:
・記憶を取り戻した場所がナオミの倉庫だった:144
・それ以外の場合:105
で、倉庫じゃないので、105へ進みます。
105:
ナオミが身に着けていたネックレス─両端をチェーンに繋がれた親指
大のカプセルをキミは思い出した。あの中にマイクロフィルム化され
たリストが入っているのだ。
キミは無意識の内にナオミとリエがいる筈の倉庫に足を向けていた。
─ナオミに会わなければならない─
それがパンドラを取り戻すためなのか、それとも何か他のモノのため
なのかキミには判らなかった。
何度か道を間違えながらも何とか最後の角を曲がったキミは、思わず
立ち止まった。倉庫の正面に続く路地は、さながら市街戦直後の様相
を呈していた。左右の塀には弾痕が穿たれ、アスファルトは所々乾い
た血でドス黒く染められている。
倉庫の入口のシャッターは、爆破でもされたのか内側に捲れ上がり、
ポッカリと口を開けている。
中に入ったキミは、思わず鼻を覆った。床には焼け焦げたコンテナが
散らばり、まだ白煙を上げて燻っている。壁は真っ黒に煤けていた。
揮発油の強い臭いがツンと鼻を突く。
─何だ?一体何があったんだ?ナオミは─
・倉庫の中を捜索してみる:125
・街でMADSのメンバーを捜してみる:186
125はBAD ENDなので、186へ進みます。
ちうとこで、次回に続きます。