第23話 天貴の影

 □聖闘士星矢 冥王異伝 ダークウィング
　第23話 天貴の影

私立グラード国際大学附属高校男子寮──
男子生徒が悪夢に魘されています。
天貴星として目覚め、全ての生命をハーデス様に捧げるのですと。

翌朝、翔一郎は、三カ月振りに登校します。
エリシオンでの時間の流れが異なり、
現実世界では、豪華客船の事故から三ヶ月しか経過していないそうで、
翔一郎たちは、三ヶ月間の休学期間を経て、学園に復学します。
学園は、城戸光政が生前に創設した学園で、神々の闘士たる小宇宙を持つ
少年少女を世界各地から集め、育成する機関なんだそうです。
で、偽神デミウルゴスが、それに目を付けたのではないかと。
翔一郎は、詠斗との戦いで負傷した左腕が完治していないため、
敵勢力の調査は、春風とエステルが担当するようです。

夜姫たちとの会議を終えた翔一郎は、ルーカスと出会います。
翔一郎は、ルーカスと同じ先生にピアノを教わっていたので、
彼とは顔見知りのようで、兄弟子とピアノの話題で、一盛り上がり。
翔一郎は、空手大会での事件後、ピアノ教室に通い始め、
廻りに馴染めない時に話し掛けてくれたのがルーカスだったみたい。

翔一郎は、最近学園で何かなかったかと訊ねると、
ルーカスは、何人かの女生徒が行方不明なる事件があったと答えます。
そこへ、ギリシャから派遣された惣次郎たちが現れます。
エウラリアは、翔一郎に丁寧に挨拶し、転入手続きに向かいます。
惣次郎は、翔一郎にチラリと合図を送り、彼女の後を追います。
ルーカスは、エウラリアに一目惚れした様子で、美人で格好良いと。
また、彼女なら、或いは……と物憂げな表情を浮かべます。
ふたりが校舎に向かおうとすると、翔一郎は、背中に触れられます。
この小宇宙、あの日、アテナ様を襲った冥闘士のものだねと話し掛けられ、
さらに、内包する小宇宙の巨大さ、キミは、三巨頭のひとりのようだとも。
気配もなく背後を取られたことに、翔一郎は、動揺します。
その人物は、獅子座のヴァシリオスだと自己紹介し、
キミに悪意は感じない。だから今は戦わないよと笑顔で話します。
愛しのエウラリアに危害を加えたら許さないけどと、一瞬表情を変えます。
ヴァシリオスは、そう言うと翔一郎と握手を交わし、校舎に向かいます。
 翔一郎は、学園で何が起ころうとしているのかと危機感を持ちます。