ぶつぶつ地蔵

地蔵 呟く ひーの言葉を。ぶつぶつと…。

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豊か(ゆたか)なる玉(ぎょく)

2006-02-23 23:15:22 | 呟き
梅の花 一輪咲いても 梅はうめ


何を当たり前の事、言ってんのんやぁ~(笑)
と、つい突っ込みたくなるほど、ほのぼのとしたこの句を詠んだのが誰だかご存知だろうか?
鬼の副長、土方歳三。
その人である。
全41首からなる豊玉発句集なるものを自ら編纂した土方。
自筆できちんと編集されたこれを、実はちゃんと見た事(読んだ事)がない。
上記の句を、友達に教えてもらって、ちと、その素朴さに大笑いしたのを梅を見るたびに思い出すので、やはりここは呟いておかねば・・・と思い、書いた次第。

この句とともに友達が教えてくれたのが、これ。

しれば迷ひ しなければ迷わぬ 恋の道

これも、当時はかなり笑った。当たり前で乙女チックって・・・。
でもね、最近はそんなに笑えないのだよね。
なんだか、歳さんの心の綺麗なところがよく現れているようでさ。
素直に自分の心を歌にしてるな、って。

今回、ブログで呟くためにネットで発句集を調べたのだ。
41首。
どれも、綺麗だな・・・って思えるんだよね。(歳かなぁ

辞世の句はこんなのです。


たとひ身は 蝦夷の島根に朽ちるとも 魂は東の 君やまもらん


これも、今回初めてちゃんとしりましたの。(←おまえそれでも土方ファンか?)
なんだか、ちょっと松蔭先生の句に似ている・・・なんて思ったオイラなのでした。
ちなみに、松蔭先生の句はね、
身はたとひ 武蔵の野辺に 朽ちぬとも 留め置かまし 大和魂
なのだ。
どちらもね、死して尚、思想ってか、志を貫く感じがね、すごいなぁ。美しいなぁって思うんだよねぇ。


最後に、勇さんと歳さんの死を悼んで佐藤彦五郎さん(土方の義兄)が詠んだ歌。

勇(の死)を悼みて
鬼百合や花なき夏を散りいそく

歳三へ(歳三の死を悼みて)
待つ甲斐もなくて消えけり梅雨の月



勇さんは鬼百合。
うん、なんだかイメージだね。

歳さんは梅雨の月。

梅の雨と書く、梅雨。
そぼ降る雨の形が、梅に似ているのだろうか。
豊玉集に梅の歌が3首ある。
花の歌、春の歌が断然多い土方の歌。
土方は梅が好きだったのだろうか?

春生まれの土方は、春にその命の花を散らしたのだ。


なんだか、久々に土方を想った朝の梅。
笑いとともにちょっぴりセンチメンタル。
それでも、ええじゃないか。