上野と谷中めぐりも、そろそろ終わりです。目的地のJR日暮駅が近づき観光客が増えてきました。谷中は上野の山と地続きの台地にあり、将軍の墓所として寛永寺が建てられて以来、江戸の寺町が形成され、盛隆期には約100か所の寺があったと言われています。スペース山小屋を過ぎると、旧町名由来案内の看板が立った建物の前に出ました。昔の長屋を思わせる佇まい、台東区のまちかど賞をとっています。前面の柱にそのプレートが取り付けてありました。
この辺りは町並みも下町情緒がありますが、細い路地も風情があります。路地や横丁好きの私としては、名のある観光地よりもこんな道に旅情を感じる今日この頃。そして慶長16年(1611年)創建の観音寺を撮影していると女性が1人で、境内に入って行きました。静かな佇まいにの古刹には、このような光景もしっくりと似合っていました。
次は「旅するミシン店」です。ツレの好きなブックカバーと小物の店。ただ中には5名の客が入っていました。コロナ禍の中、店内は5名位しか入店できない由の貼り紙がしてあったので、断念して先に行きました。いよいよ初音小路です。この横丁に来るのを私は楽しみにしていました。
初音小路は小さなアーケード街、巾約2m長さ30~40m位の商店街。明らかに周りの洒落た観光地とは一線を画しています。船橋の仲通り商店街や木更津の飲み屋街と似た雰囲気です。ここは昭和20年代に谷中銀座にあった露店を、昭和25年頃に谷中初音町に移して出来た露店街。昼営業しているのは「都せんべい」だけ、他は夜営業の店ばかりです。前にも書きましたが、人気漫画「こち亀」にも登場する、知る人ぞ知る有名横丁です。
それと知らなかったのですが、この初音小路を最後まで行くと後ろの通りに出られるようです。ホテルがあって、ここで酔いつぶれても朝までOKという面白い場所です。
初音小路の道を先に行くと、日暮里駅から谷中銀座商店街通りに向かう道に突き当たります。私たちはこの坂道を下り日暮里駅に向かいました。この道の左側にも本行寺というお寺があり、その前をベビーカーを押す女性が通って行きました。坂には名前が書かれた柱が立っており、御殿坂という江戸時代からある由緒ある坂でした。また不思議な事に坂道の中ほどに白バイが停まり、何かを捕りしまっていました。