港町のカフェテリア 『Sentimiento-Cinema』


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映画音楽史(264) 『野生のエルザ』 1966年公開

2014-10-21 04:30:57 | 映画音楽



『野生のエルザ』 Born Free (米) 1965年制作
監督 ジェームズ・ヒル
音楽 ジョン・バリー
主演 ジョイ・アダムソン … ヴァージニア・マッケナ
    ジョージ・アダムソン … ビル・トラヴァース
主題歌 『野生のエルザ』 ( Born Free ) 唄・マット・モンロー

ジョイ・アダムソンの世界的ベストセラー小説の映画化で、東アフリカの狩猟監督官のアダムソン夫妻と雌ライオンの
エルザとの交流を感動的に描いた作品。
アダムソン夫妻は人間にやむを得ずに殺されたライオンの子供エルザを引き取ることにした。夫妻はエルザを我が子の
ように育て、エルザも夫妻になついた。しかし、夫妻が一時的にアフリカを離れなければならなくなった。夫妻は動物園に
送るよりも野生に戻してたくましく生きてほしいと願い、狩りもライオン仲間とのふれ合いも知らないエルザを野生に帰す
ための厳しくて辛い訓練が始まる。そして夫妻はエルザを野生に帰してアフリカを去った。それから一年、夫妻は三頭の
子供たちを連れたエルザに出会う。エルザは夫妻に寄り添ったあと、旦那であろう雄ライオンのもとへと戻っていった。

主題歌の『野生のエルザ』はドン・ブラック作詞、ジョン・バリー作曲で、サウンド・トラックの演奏もジョン・バリー楽団の
演奏によるものです。映画ではタイトル・バックのほか全編にインストゥルメンタルが使われていて、ラスト・シーンは
マット・モンローの歌唱で締めくくっていました。

Born free, as free as the wind blows
As free as the grass grows
Born free to follow your heart

↓はマット・モンローの『野生のエルザ』 YOUTUBEより


↓はサウンド・トラック(ジョン・バリー楽団)による『野生のエルザ』 YOUTUBEより


映画音楽史(263) 『殺しの免許証』 1966年公開

2014-10-20 04:00:31 | 映画音楽



『殺しの免許証』 Licensed to Kill (英) 1965年制作
監督 リンゼイ・ションテフ
音楽 バートラム・チャペル
主演 チャールズ・ヴァイン … トム・アダムス
    ヘンリック・ヤコブセン … カレル・ステパネック
    マスターマン … ピーター・ブル
    ジュリア … ヴェロニカ・ハースト
主題歌 『殺しの免許証』 ( Licensed to Kill ) 唄・サウンド・トラック

ジェームズ・ボンドと同じ00番号を持つイギリス秘密諜報部員の活躍を描いたサスペンス・アクション作品。
スエーデンの物理学者ヘンリック博士が重力を自由にあやつる装置を開発した。英国政府はその技術を得るために
博士をロンドンに呼び寄せる。そうなるとソ連も黙って見過ごすわけがなくスパイを送り込んで博士の技術を盗もうと
する。それに対抗させるために英国政府は秘密諜報部員のチャールズを差し向けて壮絶な戦いが始まる。チャールズ
は命がけでソ連のスパイたちを倒したが、ヘンリック博士の発明は金欲しさの真っ赤な嘘であった。

主題歌の『殺しの免許証』はバートラム・チャペルの作曲で、サウンド・トラックも彼の楽団の演奏によるものです。
映画では殺しのシーンで何度も使われていました。

↓はサウンド・トラックによる『殺しの免許証』 YOUTUBEより


しかし、いくら何でも 拳銃(モーゼル?)で遠くのヘリコプターを打ち落とすなんて…


映画音楽史(262) 『ダイヤモンド作戦』 1966年公開

2014-10-19 02:47:06 | 映画音楽



『ダイヤモンド作戦』 A Man Could Get Killed (米) 1965年制作
監督 ロナルド・オーム
音楽 ベルト・ケンプフェルト
主演 ウィリアム・ベドーズ … ジェームズ・ガーナー
    オーロラ・セレステ … メリナ・メルクーリ
    エミー・フランクリン … サンドラ・デイ
    スティーヴ・アントニオ … アンソニー・フランシオーサ
主題歌 『夜のストレンジャー』 ( Stranger In The Night ) 演奏・ベルト・ケンプフェルト楽団

盗難ダイヤモンドをめぐってスパイが暗躍するアクション作品で、原作はデイヴィッド・E・ウォーカーの小説。
ウィリアムは水力発電事業の資源調査のためにイギリスの銀行から派遣されてリスボン空港にやって来た。時を同じく
して、スパイ組織が絡む200万ポンドのダイヤ紛失事件が起こり、ウィリアムはその捜査官と間違えられて事件に巻き
込まれていく。愛人のイギリス大使館員を殺害されたオーロラ、事件解決の懸賞金を狙うスティーヴとその恋人エミー、
さらにはスパイ団がダイヤの行方を巡ってアクションを繰り広げる。やがてスパイ団は逮捕され、スティーヴはダイヤ
を発見して事件は解決した。オーロラもきっとウィリアムのもとに帰ってくるだろう。

主題歌の『夜のストレンジャー』はムード音楽の大御所ベルト・ケンプフェルトの作曲によるものです。映画ではタイトル・
バック、ウィリアムとオーロラのラヴシーンなど全編にインストゥルメンタルが流れていました。
サントラ盤は米デッカからリリースされているとのことですが、YOUTUBEには単品が見当たりませんので、作曲者の
ベルト・ケンプフェルト楽団の演奏を貼っておきます。

↓はベルト・ケンプフェルト楽団の『夜のストレンジャー』 YOUTUBEより



しかし、この曲は映画主題歌というよりもフランク・シナトラのビッグ・ヒットとしての方が認知度も高いと思われます。
映画も大きな話題にならず映画主題歌としてもパッとしなかったのですが、音楽出版社からシナトラのプロデューサー
に持ち込まれてシナトラが曲に惚れ込み、早速チャールズ・シングルトンとエディ・スナイダーが共同で英詩をつけた
とのことです。これをシナトラが唄って1966年7月に全米NO.1の大ヒットになりました。

Strangers in the night
Exchanging glances
Wondering in the night
What were the chances
We'd be sharing love
Before the night was through

↓はフランク・シナトラの『夜のストレンジャー』 YOUTUBEより



60年代ポップス変遷史 1961年2月

2014-10-18 01:14:37 | 60年代ポップス変遷史

1961年2月にはこんな曲が流行していました。

はるかなるアラモ ブラザーズ・フォー
G.I.ブルース エルヴィス・プレスリー
太陽がいっぱい サウンドトラック
悲しき少年兵 ジョニー・ディアフィールド
君こそすべて ニール・セダカ
日曜はダメよ ドン・コスタ楽団
グリーン・フィールズ ブラザーズ・フォー
アラスカ魂 ジョニー・ホートン
17才よさようなら フロ・サンドンス
⑩アラモの歌 マーティー・ロビンス
夢のナポリターナ マリノ・マリーニ
マイ・ホーム・タウン ポール・アンカ
グッド・タイミング ジミー・ジョーンズ


⑧、⑨、⑩に新しい映画音楽が登場してきました。
『アラスカ魂』と『17才よさようなら』はすでにこのブログの映画音楽史で紹介済みです。
『アラモの歌』は映画『アラモ』の挿入歌なのですが、映画音楽史で紹介できませんでしたので
ここでUPしておきます。

↓はマーティー・ロビンスの『アラモの歌』 YOUTUBEより


こうして見ますと、この月ベストテンにランクインした13曲のうち半数以上の7曲が映画音楽ですね。


ベストテンにはランクインしませんでしたが、ブライアン・ハイランドの『ベビー・フェイス』も
この時期に流行したヒット曲でした。この曲は本場のアメリカでは全くヒットしなかったようです。
それもそのはず、この曲はアメリカでは1928年にすでにヒット、1958年にはリトル・リチャードで
リヴァイヴァルヒットしていますので、アメリカでは二番煎じだったのかもしれません。
( リトル・リチャードの『ベビー・フェイス』 )

↓はブライアン・ハイランドの『ベビー・フェイス』 YOUTUBEより


また、映画『殺人鬼登場』の主題歌、『星を求めて』がヒットしたのもこの頃でした。
こちらはサントラ盤のゲイリー・ミルズよりもビリー・ヴォーン楽団のほうが有名です。
( ビリー・ヴォーン楽団の『星を求めて』 )


映画音楽史(261) 『ドクトル・ジバゴ』 1966年公開

2014-10-17 00:24:46 | 映画音楽



『ドクトル・ジバゴ』 Doctor Zhivago (米) 1965年制作
監督 デヴィッド・リーン
音楽 モーリス・ジャール
主演 ユーリ・ジバゴ … オマー・シャリフ
    ラーラ … ジュリー・クリスティー
    トーニャ … ジュラルディン・チャップリン
    コマロフスキー … ロッド・スタイガー
    パーシャ … トム・コートナー
    エフグラフ … アレック・ギネス
    少女 … リタ・トウシンハム
主題歌 『ドクトル・ジバゴ』 ( Doctor Zhivago ) 演奏・サウンド・トラック
挿入曲 『ラーラのテーマ』 ( Lara's Theme ) 演奏・サウンド・トラック

ロシア革命の奔流のなかで医者であり詩人でもあるジバゴの生涯を二人の女性との愛を通して描いた長編ロマン。
世界的ベストセラーの原作者ボリス・パステルナークはノーベル文学賞を政治的圧力により辞退している。
幼い時に両親を失ったジバゴは繊細な感情を持つ医師であった。ジバゴは自分の育ての親の娘トーニャと結婚するが
第一次大戦が勃発し従軍医師として動員され、以前に助けたことのあるラーラと出会い奔放な女らしさに惹かれる。
やがて終戦となったがロシア革命が起こる。その混乱の中、ジバゴは三たびラーラと出会い、田舎の雪国で愛の生活
を送っていたが二人にも危機が迫り、ついに永遠の別れとなる日が来る。長い月日が流れ、モスクワの病院に勤務
していたジバゴは町でラーラに似た女性を見つけて後を追おうとしたが心臓発作で倒れて帰らぬ人となる。

メインテーマの『ドクトル・ジバゴ』、挿入歌の『ラーラのテーマ』はいずれもモーリス・ジャールの作曲によるもので、
サウンド・トラックの演奏は彼の指揮する楽団です。メインテーマはタイトルバックに、『ラーラのテーマ』はエンディング
で流れていました。

↓はサウンド・トラックの『ドクトル・ジバゴ』 YOUTUBEより


↓はサウンド・トラックの『ラーラのテーマ』 YOUTUBEより