港町のカフェテリア 『Sentimiento-Cinema』


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映画音楽史(260) 『キャット・バルー』 1966年公開

2014-10-16 04:17:11 | 映画音楽



『キャット・バルー』 Cat Ballou (米) 1965年制作
監督 エリオット・シルヴァースタイン
音楽 フランク・デヴォール
主演 キャサリン・バルウ … ジェーン・フォンダ
    キッド・シェリーン … リー・マーヴィン
    ティム・ストローン … リー・マーヴィン
    クレイ・ブーン … マイケル・カラン
主題歌 『キャット・バルーのバラード』 ( Ballad Of Cat Ballou ) 唄・ナット・キング・コール&スタッビー・ケイ

ロイ・チャンスラーの小説をもとに、山猫バルウの仇討ち物語をコメディ・タッチで描いた痛快西部劇。
1894年、ワイオミングで牧場を営んでいたキャサリンの父は 町のボスであるパーシヴァルの用心棒ストローンに殺された。
キャサリンは復讐を誓って山にこもリ、友人のクレイや早撃ちガンマンのシェリーンたちと「山猫バルウ」を組み列車強盗
などの悪事を働くようになる。やがてキャサリンは仇のパーシヴァルを倒すが自分も捕まってしまう。キャサリンは絞首刑
になる寸前にクレイや酔っぱらったシェリーンによって救い出され、キャサリンとクレイは新天地を目指す。

主題歌の『キャット・バルーのバラード』はマック・ディヴィッド作詞、ジェイ・リヴィングストン作曲によるもので、映画では
ナット・キング・コールとスタッビー・ケイのコンビが映画の進行に合わせて狂言回しとして唄っていました。

Well, now friends just lend an ear
For you're now about to hear
'The Ballad of Cat Ballou
It's a song that's newly made
And Professus and The Shade
And The Sunrise Kid are singin' it for you
Cat Ballou, Cat Ballou

↓はナット・キング・コールとスタッビー・ケイの『キャット・バルーのバラード』 YOUTUBEより




映画音楽史(259) 『歌え!ドミニク』 1966年公開

2014-10-15 01:24:47 | 映画音楽



『歌え!ドミニク』 The Singing Nun (米) 1966年制作
監督 ヘンリー・コスター
音楽 ハリー・サックマン
主演 シスター・アン … デビー・レイノルズ
    クレメンティ神父 … リカルド・モンタルバン
    マザー・プリオレ … グリア・ガースン
    シスター・クルーニー … アグネス・ムーアヘッド
    ジェラルド … チャド・イヴレット
    ニコル … キャサリン・ロス
主題歌 『ドミニク』 ( Dominic ) 唄・デビー・レイノルズ

ベルギーの修道女スール・スーリールのヒット曲『ドミニク』がヒットするまでを描いた音楽映画。
アントワープの見習い修道女アンはギター片手にブリュッセルの貧困地区のサンタ・マリア・ハウスで初めての任務に赴く。
ここでアンは母親のいない少年ドミニクに出会い仲良しになる。またアンの音楽才能に感心した神父やマザーはレコード
会社のジェラルドを紹介する。実はアンとジェラルドは以前からの音楽仲間であった。早速『ドミニク』をレコーディングして
売り出すとこれが全米で大ヒットとなった。しかし、ドミニク少年が交通事故に会いさらにはその姉ニコルがいかがわしい
モデルの仕事をしているのに心を痛めて改めて伝道の道を選ぶ。次の任務地はアフリカだ。

主題歌の『ドミニク』の作詞・作曲はベルギーのドミニク教団の尼僧シスター・リュック・ガブリエルが尼僧院の少女たちの
ために書いたもので、彼女を中心とした四人組のスール・スーリール(微笑みのシスター)でレコーディングしたものです。
映画ではシスター・アン役のデビーがエド・サリバン・ショーに出演して世界中にTV放送されるシーンで唄っていました。
他にもスール・スーリールの作詞作曲による歌曲が8曲、それにオリジナル曲も数曲唄われています。
レコードの『ドミニク』が五週連続全米No.1に輝いたのが1963年の末、日本でも少し遅れた頃でした。大ヒットしてから
三年後の映画公開となると時期がズレてしまって、残念ながら新鮮味がありませんでした。

Dominique, nique, nique I will tell of Dominique
His goodness to acclaim
And I pray the song I sing
Will some simple pleasure bring
That the world shall know his name!

↓はデビー・レイノルズの『ドミニク』 YOUTUBEより


しかしながら、アメリカ人の日本人に対する認識には閉口です。『ティファニーで朝食を』もそうでしたが…


『ドミニク』は何と言っても本家本元のスール・スーリールですよね。

Dominique, nique, nique
S'en allait tout simplement,
Routier, pauvre et chantant
En tous chemins, en tous lieux,
Il ne parle que du Bon Dieu,

↓はスール・スーリールの『ドミニク』 YOUTUBEより




映画音楽史(258) 『地中海の休日』 1965年公開

2014-10-14 01:32:30 | 映画音楽



『地中海の休日』 Mediterranean Holiday (西独) 1962年制作
監督 ヘルマン・ライトナー
    ルドルフ・ヌスグルーバー
音楽 リズ・オルトラーニ
主題歌 『太陽のスイム』 ( Twist Around The World ) 演奏・リズ・オルトラーニ楽団

スェーデンの商船学校の練習機帆船による航海をシネラマ方式で上映された観光ドキュメンタリー映画。
「フライング・クリッパー号」がポルトガル、ユーゴスラヴィア、エジプト、レヴァノン、トルコ、ギリシャ、イタリア、モナコ、
スペインなどの各地を巡り、風俗や名所を紹介してまわる。

主題歌の『太陽のスイム』はリズ・オルトラーニの作曲によるものですが、残念なことに私は劇場では未見です。
後日、機会があってフィルムを確認することができましたが、映画の中でこの曲を見つけることができませんでした。
レコードとしてはリズ・オルトラーニ楽団の『太陽のスイム』がサントラ盤として出回っています。

↓はリズ・オルトラーニ楽団の『太陽のスイム』 YOUTUBEより



映画音楽史(257) 『夜霧のしのび逢い』 1965年公開

2014-10-13 00:36:08 | 映画音楽



『夜霧のしのび逢い』 The Red Lanterns (希) 1964年制作
監督 ヴァシリス・ジョルジアディス
音楽 セント・クサルカコス
主演 エレニ … ジェニー・カレツィ
    ペテロ … ディミトリス・パパミカエル
主題歌 『夜霧のしのび逢い』 ( La playa ) 演奏・クロード・チアリ

原作はアレコス・ガラノスの戯曲で、公娼制度の禁止を背景にした娼婦たちの愛を描いた風俗ドラマ。
公娼制度禁止法が施行間近のギリシャの小さな港町の歓楽街。そこで働くエレニはペテロと交際していたが隠していた
身分がバレてペテロは去ってゆく。アンナは船長と結婚の約束をしていたが船長は海難事故で遭難。他にも青年の親の
反対で結婚できない女、ヤクザに捨てられた女など不幸が続く。しかしエレニの前にペテロが現れて二人で出直そうと
約束を交わす。ついに禁止法が施行されて娼館も閉鎖となる。掃除婦のカテリーナも昔の恋人と共に町を去っていった。

主題歌の『夜霧のしのび逢い』はロス・マヤス楽団のリーダーであるジョー・ヴァン・ウエッターの作曲によるもので、
原題は " La playa " ( 浜辺 ) です。日本でもこの映画が封切りされる前には『ひとりぼっちの浜辺』というタイトルで
ラジオでもよく流れていたヒット曲でした。勿論この映画のために作られた曲ではありません。輸入されたフィルムには
このテーマ曲は影も形もなかったのですが、本邦公開にあたって タイトル・バックとエンディングにクロード・チアリの
ギター演奏をサウンド・トラックに貼付けため、『夜霧のしのび逢い』という邦題でレコードがリリースされました。

↓はクロード・チアリの『夜霧のしのび逢い』 YOUTUBEより



原曲の『ひとりぼっちの浜辺』は私にとって強い思い入れのある曲でしたが、この映画でクロード・チアリのレコードが
大ヒットしたことにより、それ以後『ひとりぼっちの浜辺』というタイトルのすべてのレコードが強引に『夜霧のしのび逢い』
に改名されてしまいました。『ひとりぼっちの浜辺』というタイトルに大切な思い出を持つ私にとってはとても不愉快な
話です。ロス・マヤス楽団の原曲はクロード・チアリのガチャガチャとした演奏とは違い、しっとりとしたムードで技術も
格段に違うと思いますので聞き比べてください。

↓はロス・マヤス楽団の『ひとりぼっちの浜辺』 YOUTUBEより


また、この曲は女優のマリー・ラフォレやカテリーナ・ヴァレンテなどもレコードをリリースしていました。
マリー・ラフォレの歌唱は隠れた逸品です。

Cuando la playa se inundó de luz, y sol
y cuando el mar con su rumor habló de amor
cuando soñaba en el azul
fue a imitar este soñar llegaste tú

↓はマリー・ラフォレの『ひとりぼっちの浜辺』 YOUTUBEより



映画音楽史(256) 『その男ゾルバ』 1965年公開

2014-10-12 00:58:09 | 映画音楽



『その男ゾルバ』 Zorba the Greek (希) 1964年制作
監督 マイケル・カコヤニス
音楽 ミキス・テオドラキス
主演 ゾルバ … アンソニー・クイン
    ベージル … アラン・ベイツ
    未亡人 … イレーネ・パパス
    マダム・ホーテンス … リラ・ケドロヴァ
主題歌 『その男ゾルバ』 ( Zorbas Syrtaki ) 演奏・サウンド・トラック

野性的な生命力のゾルバをイギリス青年の目線で描いた人間ドラマで、原作はニコス・カザンツァキスの同名小説。
イギリス人作家のベージルは亡き父の残した炭坑を再掘するためにクレタ島にやって来た。そこで精力的な楽天家の
ゾルバを相棒に雇う。ある日ベージルは町の未亡人に心を動かされるが、彼女のせいで炭坑管理人の息子が自殺
してしまったためギリシャの掟により彼女は殺されてしまった。工事も進み何とか炭坑の竣工にこぎつけたものの設計
の不備で積み出し用のケーブルがぶっ壊れる。ベージルはそれでも平然としているゾルバを見て、彼に教わりながら
一緒にグリークダンスを踊る。

ブズーキやサンドウリなどの民族楽器を巧みに使った主題歌の『その男ゾルバ』はミキス・テオドラキスの作曲による
もので印象深いラストシーンを盛り上げました。当時の日本ではそれほどのヒットにはなりませんでしたが世界的にも
知られる名曲です。レコードとしてはサントラ盤の他にハーブ・アルパートとティファナブラスの演奏やダリダによる
歌唱など多数がリリースされました。

↓はサウンド・トラックによる『その男ゾルバ』 YOUTUBEより