日々の出来事を写真と共に

身近に起こる出来事、感想を写真と共に綴ります・・・

全ての人に…

2022-08-10 | 読書
【2022.08.10(wed)】        
それぞれの青春がある。

・著名な歌人である、永田和宏氏が綴られた手記です。

・2010年に亡くなられた妻・裕子さんとの出会いから結婚されるまでの道のりを、
二人が交わした手紙、裕子さんの日記、加えてそれぞれが詠まれた歌を軸として描かれた作品。

・始めの数章には裕子さんと出会う前の永田氏の生い立ちが綴られており、他では知る機会が無く新鮮な気持ちで読んだ。 
それは裕子さんが家族に言い残した「お父さんはさびしい人なのだから」の言葉に繋がっている。




・それぞれが結婚を決めた以降に自死を試みていたことまで明かされている。
青春の時を振り返ると、こんな危うい側面があるだろうと多くの人が共感するのではないだろうか。 

・序文の中に “「何ゆゑにここまで書くか」は、稿を進めつつ往々にしてとらわれた思いであったが、河野の日記や手紙をそのまま出す以上、少しでも脚色があってはならないし、伏せる部分があってはならないと、それは河野への責任の取り方でもあると思ってきた” と記されている。

・感情をむきだしにしてひたむきに綴られた文章は強く心を捉える。
日記や手紙といった私的な文書を公開して、包み隠さず真摯に語られたことにとても驚いた。 

・著されている他の関連書籍(参考)
「歌に私は泣くだらう ~妻・河野裕子 闘病の十年~」
「家族の歌 河野裕子の死を見つめて」

TVドラマ化もされている。
歌人に理系の方が多いのに納得しました。

I.O.
コメント
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