これまであまり詳しく見てこなかったが、渡辺社長の記事(NBonlineの「あなたのお金は、直接民主主義の一票です」)を読んで、一体どのような介護事業をやっているのか、というのが気になったので。
料金説明みたいなものがワタミのHPには出ていなかったので、よく判らんが、一見すると「オイシイ」相手だけに商売をやってるんじゃないの?と思った。だって、「有料老人ホーム」で、こぎれいな施設みたいだし(笑)。
こちらの記事は結構詳しい。
中日新聞介護迷走<2> 『サービス維持できるか』暮らしCHUNICHI Web
(一部引用)
GWGは、介護事業をグループ以外に売却し、全面撤退する方針を決めた。事業の取得については、大手のニチイ学館や、首都圏と関西で二十七施設を運営する大手居酒屋チェーン・ワタミを中心とした事業者連合などが名乗りを上げている。早ければ来年三月から、新しい事業者に施設運営を引き継いでいく。
民間の介護付き有料老人ホームは、入居一時金が億単位の豪華な施設もあるが、一般的な施設ではゼロから三千万円までと幅広い。このほか生活費や食費など月額で十数万円から二十数万円かかる。事業が譲渡され、事業者が代わっても、介護保険は「公定価格」なので、訪問介護など以前と同じケアプランでサービスを受けるなら、利用者の負担は変わらない。だが、有料老人ホームやグループホームなど施設サービスには、介護保険とは別の費用がかかるだけに、事業者の変更には注意しなければならないという。
国民生活センター(東京)の調査室長だった木間(このま)昭子さんは「食費と入居費、管理費が不当に値上げされないかチェックが必要」と指摘する。特に注意すべきなのが「管理費」だという。「悪質な業者の中には、管理費の中身を明らかにせず、介護保険で賄うべきサービスを組み入れているおそれがある」
利用者と業者間の民民契約だからといって傍観するのではなく、木間さんは「事業者が利用者に不当な出費を求めることのないように、行政がしっかりと指導すべきだ」と行政の監視の必要性を強調した。
介護付きといっても、かなり幅があるだろう。病院などに送り迎えしてくれるとか、その他介護サービスの一部をやってくれることはあるだろう。けれども、基本的には、マンションを買わされるみたいなもので、金持ちしか入居できないことは多々ある。独居老人でそこそこ金がある人は、不動産なんかを処分したりして入居し、死ぬまでそこで暮らす、ってことだな。食事サービスの利用料が月に数万円~10万円程度になっていることもあるし、毎月色々と金を取られるので、上の記事にもあるように20数万も払えない人は入れないんだよ。年金で細々暮らしている老人とは隔絶された世界ってことさ。
ワタミがこういう施設なのか知らないので何とも言えないが、似たようなシステムになっているなら、要するに「金持ってる年寄り」を相手している商売だから、初めから「施設介護は欲しいが、訪問介護はいらない」とか言っていたんだよ、きっと。介護での苦しい現場というのは、こういう資金的に余裕のある人なんかじゃないんだよ。全然違うんだよ。
一人暮らしで金もない、とか、家族がいても時間も金もない、みたいな場合なんだよ。医療費や介護費用の自己負担分を払うのが精一杯というような人たちなんだよ。本当は施設入所を希望していても、空きがなくて順番待ちとか。特定養護老人ホームとかに入れるならいいのだが、空かないと入れないからね。有料老人ホームなんかに比べれば、格段に安く入れるからだ。老人保健施設もあるが、基本的には長期入所ができないので、暫く入っていても退所して在宅介護にせねばならないのだ。介護職員などの効率を考えると、こうした一箇所の施設に集めておく方が有利だ。一対一対応になってしまうと、効率は悪くなるに決まっているのである。移動時間ロスもそうだしね。なので、一対多対応が可能で、職員の効率を上げるのであれば施設介護が望ましいのだが、それを充足させるほどの収容能力がないのである。そこで、民間の有料老人ホームがある意味があり、金がある人たちは困ることなんて余りないだろうと思う。問題は、金がなくて施設にも入れず在宅介護となっている高齢者たちなのである。
この分野を誰が担うのか、ということになるが、ワタミが本当にやってくれるのか?官ではもうダメだ、国には頼らずに、経営の力で、民間の力で、みたいに渡辺社長は言っているのだが、本当にできるのか?(笑)
「やってもいいですよ、勿論。ただし、あなたが金を払えるならね」
とか言うのであれば、これは誰でもできるんだよ。どうぞどうぞ、いくらでもやってあげます、その分金出せ、ということなら、あっという間に解決ができそうだな。現実には、金があまり払えない人たちを相手にして、その中でやっていかなくちゃならない。ま、経営力でやれるのであれば、是非とも頑張って頂いて、いい介護サービスを提供してくれれば日本にとっても有益です。そういう民間事業者のお手本のようなモデルができるかもしれませんし。
よく豪華な病院食を提供します、とか有名シェフ並みのディナーをご用意、みたいなのとかあるらしいけど、あんなのも誰もタダでやってくれるのではないわけで、特別室のバカ高い料金に含まれているとかなんだろうね。結局自分が払っているに決まっている、ということ。金出せばそりゃ、やってくれるわな、いろんなサービスを。結局、そういうこと。
安い金しか払わないのにサービスがいいのは、基本的には公的な(官ってことだな)サービスしか有り得ないってのが、根本原則なんだよね。勘違いしてはいけないのだ。ワタミの介護は慈善事業でも何でもない、「払った者だけが相応のサービスを受けられる」という資本主義的原則に基づいているだけだ、ということ。
料金説明みたいなものがワタミのHPには出ていなかったので、よく判らんが、一見すると「オイシイ」相手だけに商売をやってるんじゃないの?と思った。だって、「有料老人ホーム」で、こぎれいな施設みたいだし(笑)。
こちらの記事は結構詳しい。
中日新聞介護迷走<2> 『サービス維持できるか』暮らしCHUNICHI Web
(一部引用)
GWGは、介護事業をグループ以外に売却し、全面撤退する方針を決めた。事業の取得については、大手のニチイ学館や、首都圏と関西で二十七施設を運営する大手居酒屋チェーン・ワタミを中心とした事業者連合などが名乗りを上げている。早ければ来年三月から、新しい事業者に施設運営を引き継いでいく。
民間の介護付き有料老人ホームは、入居一時金が億単位の豪華な施設もあるが、一般的な施設ではゼロから三千万円までと幅広い。このほか生活費や食費など月額で十数万円から二十数万円かかる。事業が譲渡され、事業者が代わっても、介護保険は「公定価格」なので、訪問介護など以前と同じケアプランでサービスを受けるなら、利用者の負担は変わらない。だが、有料老人ホームやグループホームなど施設サービスには、介護保険とは別の費用がかかるだけに、事業者の変更には注意しなければならないという。
国民生活センター(東京)の調査室長だった木間(このま)昭子さんは「食費と入居費、管理費が不当に値上げされないかチェックが必要」と指摘する。特に注意すべきなのが「管理費」だという。「悪質な業者の中には、管理費の中身を明らかにせず、介護保険で賄うべきサービスを組み入れているおそれがある」
利用者と業者間の民民契約だからといって傍観するのではなく、木間さんは「事業者が利用者に不当な出費を求めることのないように、行政がしっかりと指導すべきだ」と行政の監視の必要性を強調した。
介護付きといっても、かなり幅があるだろう。病院などに送り迎えしてくれるとか、その他介護サービスの一部をやってくれることはあるだろう。けれども、基本的には、マンションを買わされるみたいなもので、金持ちしか入居できないことは多々ある。独居老人でそこそこ金がある人は、不動産なんかを処分したりして入居し、死ぬまでそこで暮らす、ってことだな。食事サービスの利用料が月に数万円~10万円程度になっていることもあるし、毎月色々と金を取られるので、上の記事にもあるように20数万も払えない人は入れないんだよ。年金で細々暮らしている老人とは隔絶された世界ってことさ。
ワタミがこういう施設なのか知らないので何とも言えないが、似たようなシステムになっているなら、要するに「金持ってる年寄り」を相手している商売だから、初めから「施設介護は欲しいが、訪問介護はいらない」とか言っていたんだよ、きっと。介護での苦しい現場というのは、こういう資金的に余裕のある人なんかじゃないんだよ。全然違うんだよ。
一人暮らしで金もない、とか、家族がいても時間も金もない、みたいな場合なんだよ。医療費や介護費用の自己負担分を払うのが精一杯というような人たちなんだよ。本当は施設入所を希望していても、空きがなくて順番待ちとか。特定養護老人ホームとかに入れるならいいのだが、空かないと入れないからね。有料老人ホームなんかに比べれば、格段に安く入れるからだ。老人保健施設もあるが、基本的には長期入所ができないので、暫く入っていても退所して在宅介護にせねばならないのだ。介護職員などの効率を考えると、こうした一箇所の施設に集めておく方が有利だ。一対一対応になってしまうと、効率は悪くなるに決まっているのである。移動時間ロスもそうだしね。なので、一対多対応が可能で、職員の効率を上げるのであれば施設介護が望ましいのだが、それを充足させるほどの収容能力がないのである。そこで、民間の有料老人ホームがある意味があり、金がある人たちは困ることなんて余りないだろうと思う。問題は、金がなくて施設にも入れず在宅介護となっている高齢者たちなのである。
この分野を誰が担うのか、ということになるが、ワタミが本当にやってくれるのか?官ではもうダメだ、国には頼らずに、経営の力で、民間の力で、みたいに渡辺社長は言っているのだが、本当にできるのか?(笑)
「やってもいいですよ、勿論。ただし、あなたが金を払えるならね」
とか言うのであれば、これは誰でもできるんだよ。どうぞどうぞ、いくらでもやってあげます、その分金出せ、ということなら、あっという間に解決ができそうだな。現実には、金があまり払えない人たちを相手にして、その中でやっていかなくちゃならない。ま、経営力でやれるのであれば、是非とも頑張って頂いて、いい介護サービスを提供してくれれば日本にとっても有益です。そういう民間事業者のお手本のようなモデルができるかもしれませんし。
よく豪華な病院食を提供します、とか有名シェフ並みのディナーをご用意、みたいなのとかあるらしいけど、あんなのも誰もタダでやってくれるのではないわけで、特別室のバカ高い料金に含まれているとかなんだろうね。結局自分が払っているに決まっている、ということ。金出せばそりゃ、やってくれるわな、いろんなサービスを。結局、そういうこと。
安い金しか払わないのにサービスがいいのは、基本的には公的な(官ってことだな)サービスしか有り得ないってのが、根本原則なんだよね。勘違いしてはいけないのだ。ワタミの介護は慈善事業でも何でもない、「払った者だけが相応のサービスを受けられる」という資本主義的原則に基づいているだけだ、ということ。