いい国作ろう!「怒りのぶろぐ」

オール人力狙撃システム試作機

懐かしの「栄養費」ですか

2012年03月15日 21時39分29秒 | 俺のそれ
こういうのは、恐らく「みんな、やってるじゃん」的な話なんじゃないでしょうか(笑)。

>http://www.asahi.com/national/update/0315/TKY201203150550.html


微かな記憶でしかないが、一場選手の問題で大揺れに揺れたんじゃなかったかな?

一場選手は、その後、大きく人生が狂わされたのかもしれない。
あの件がなければ、あんなに大騒ぎにもならず、活躍の場があったのかもしれないが、そうはならなかった。

大きく沈んでいった。


当時から、多かれ少なかれ「どの球団も」やっているんじゃないのかな、という疑いの目は向けられていた。
とりわけ、人気球団であり、金満球団であるところのジャイアンツが、一切なくて「キレイです」なあんて言ってみたところで、誰が信じるかっての、みたいな話ですわな。


というか、慎之介の10億はたまげたわ。その価値はあった、ということですな。ヨシノブも逸材中の逸材だったから、まあ分からんでもない。

が、野間口に7億って、それは、ちょっとどうなのよ、と。
契約金関係に限って言うと、バブリー時代だったのかな?
そんなに高評価の投手とは思えんのだが。

実際、全然ダメだわな(笑)。
金額に見合う働きとは思えない。


まあ、ジャイアンツの件は、まさに氷山の一角、ということなんではないでしょうか。


ああ、昨年のハムの1位指名ね、あれはねえ、無理筋ってもんでしょうな。こういう「裏カネ」の存在があれば。栄養費を貰っていた手前、他に行きます、なんざ言うことはできんもの。

いやいや、別に例の選手が貰ってたと言いたいわけではないですよ。

ただ、そんなに強硬に指名する程の選手かな、とは思うわな。
いらんでしょ、どうみても。恐らく金の無駄。
後年、獲らなくて良かったね、ということになるでしょう、きっと。

そういう金で繋がっている相手には、手出ししないのが一番、ということではないかな、と。


野間口、そんなにもろたんかいな。ワロタ。




祝!出場決定~サッカー五輪予選 日本vsバーレーン

2012年03月14日 21時48分26秒 | いいことないかな
勝って出場を決めたかった日本。
ここで勝負強さを見せてほしい。


前半はやや消極的な立ち上がり。
様子をうかがうように、ゆっくりと展開。
チャンスは何本が生まれるも、得点できない。酒井から大津へのドンピシャで送ったシーンは惜しかった。シュートチャンスは少ないが、攻めの形を作ってゆく。ただ、ショートパス交換の呼吸が若干ズレがある為、フィニッシュに結びつかない。

無得点のまま折り返す。

後半、左サイドからの再三の中央への折り返しを続けて、遂に先取点!

扇原が思い切ってゴール前に詰めて、先制。


更に、左サイドを抜けて、中央折り返しが合わずに大津を抜けたと思いきや、清武の追加点が決まった!

冷静にキーパーの位置を見極めて、空き隅に鮮やかに決めた。
焦ってフカシがちな場面でも、きっちり決めるあたり、やるな。



『英国王のスピーチ』の感想

2012年03月14日 19時14分34秒 | 俺のそれ
かなり遅れたけれども、観ました。

評判通りに、とてもよい出来でした。俳優さんが素晴らしい。
対比される音声のいい人の発声と英国風の気取った感じの発音も、雰囲気が出ていて(当方は英語が苦手なのであくまで個人的感じ、ですが)とても良かった。


王様という一般人とは全く違う立場の人の、深い深い苦悩が描かれていて、そうだろうな、と思った。ありがちな「楽そうでいいじゃないか」というような批判を受けそうではあるけれど、そういう立場になった人にとっては、まさしく「隷属・隷従」のようなものでしかないということにもなるので。

自分の好きな人と結婚すら許されない、ということの、何と不自由なことか。そういう犠牲を払うことが求められる、というのと、王という立場がどういうものか、というのがうまく対照的に描かれていた。

日本人であると、天皇陛下という存在が念頭にあるわけだが、何らの実権もなく、徴税権もないし、これといって実質的権限などないのだが、そうであってでさえ国をまとめる存在として君臨し続けるのである。英国王もまさしくこれと同じなのだな、と感じた。

何故英国王が王としての地位を維持するかというと、権限はないのに「国民に話しかける」ことだけなのだ。あくまで国民の心の中にある、権威ということでしかないのである。強権で何かをされるとかではない、心の内にある「そういうもんだ」ということだけである。何故王が王の地位にあるのか、と問われてみても、「そういうもんだ」としか言えない、というような感覚である。

英国王を身近に感じた人は多くいたのではないかと思う。私自身がそうであったから。



続・『TPP反対派がダメな件』がダメな件

2012年03月12日 19時46分05秒 | 社会全般
前の記事はコレ>http://d.hatena.ne.jp/trapds/20120304/1330847484


まさか取り上げてもらえるとは思っていませんでしたので、大変うれしく思います。厚く御礼申し上げます。
>http://d.hatena.ne.jp/roumuya/20120311#p4

さて、当方の記事がトラックバックとして反映されたのは、はてなの仕組みを知らなかったからで、リンクを貼ったらたまたまそうなっただけです。本題には無関係な話ですが。

当方の理解で申し上げますと、労務屋氏は当方の議論のやり方について論難しているものと思います。エスパーだの何だとのおちょくって書いているし、説得する気があるとも思えない、ということでしょう。以下の記述を引用しておきます。

論敵を説得して譲歩を引き出そうと思ったらそれは決して賢明な作戦ではなかろうというのは、これは前回のエントリに限らすこのブログで繰り返し書いてきたことなのですが、まあ私の意見にもなかなか同意いただけない事情もありましょうとは思います。その矛先の向き方もいろいろあろうと思うわけで…くわばら、くわばら。


当方からすると、労務屋氏が論敵だという認識は全くないし、仮に賛成派だとしても説得すべき相手でもなければ譲歩を引き出すべき相手ということでもありません。そんな気は全くありませんね。別に、労務屋氏のTPPに関する過去の主張というものがどうなのかは、一切問題としていません。
ただ単に、労務屋氏の「JAのネット上の記述に対する批判」が批判のやり方としておかしい、或いは不公正・不適切でしょう、という例題として挙げたまでです。
当方の記事が『決して賢明な作戦ではなかろう』としても、JAの広報活動がやはり賢明ではないと評価されるとしても、それはそれで何ら構いません。当方はそのことを問題としてはいないので。JAを批判したい人はすればいいだけで、これを問題としているのではありません。


それでは、具体的に何を不公正と考えたかを書いておきたいと思います。
前の記事でも述べた通りに、「JAの主張」が行われた時点でなければ、JA側が不利になるに決まっています。自分だけが最近の情報を知った上で、過去の「JAの主張」を一方的に批判するのは、不公平ではないですか、ということです。議論のやり方として、不適切ですね、ということです。しかも、その過去の主張をあたかも「たった今の主張」であるかのように扱い、これを論うことによってTPP反対派共通の手法であるかのように誘導しています。そのような議論のやり方は卑怯であり、公平ではありませんね、という話です。

労務屋氏は、前の記事で次のように述べています。

『もちろんJAのやることですから本命は農産物の市場開放を拒むことであり、とにかくTPPにネガティブなことであればなんでもかんでも動員してみたということでしょうが、しかしここまで明白なデマゴーグを並べるというのもどんなもんなんでしょう。ほかの部分のとんでもなさを見ると、かえってJAの本命である農産物についても「きっとデタラメ書いてるんだろうな」と思ってしまう人もいるのではないかと思うのですが。』

ここで言う、『明白なデマゴーグ』や『ほかの部分のとんでもなさ』というのはJAの主張内容についてであり、もしもJAが名誉棄損だということで労務屋氏を訴えた場合、氏がこの立論を行うべき責任を負うはずです。その時の基準となるのは、当時に知り得た情報からして、デマゴーグであったかどうか、ですよね?

例としてよくないのかもしれませんが、とりあえず。
「ギリシャ国債とイタリア国債に投資を推奨します」
「トリプルAの各種債券に投資を推奨します」
「エルピーダ株を買い推奨します」

仮に、こういった記述や主張が過去に存在していたとして、その当時には国債格付けの引き下げが行われるとかデフォルト危機になる、リーマンショックの如きモーゲージ債券等の危機が訪れる、エルピーダが再生法申請となる、といったことを知ることができなかったのであれば、これらを「デマゴーグ」や「とんでもなさ」と評価できるのか、ということです。今になって、新たな情報を得た時点から見て、「こいつらの言ってるのはおかしい」と主張するのは、本当に公平な議論なんですかね?

労務屋氏は、
私はとりあえず「事前にわかってなかった」情報が判明した時点でどうなのかを議論しているわけです。
と述べていますが、情報が判明した時点でどうなのかを議論するつもりであるのに、相手側には「判明した時点」の主張機会を与えず過去の主張のみを殊更取り上げて批判する、ということですよね。そして、これを正当であると主張するつもりなのでしょうか。


おかしいと批判できるとすれば、
①当時から一般的に入手できる情報を分析すれば、容易に結論が得られたはず
(=故に自分は当時からそう主張していた、得られた情報も提示できる)
②今の新たな情報を得た上でもなお、同じ誤った主張を繰り返す
といったことがある時なのではありませんかね。

従って、米政府高官が否定したにも関わらず、JAが過去に「~が議題となる虞がある」という意見を一切変えようとしない、ということなら、JAは間違った主張を繰り返している、と言えるでしょう。それとも、労務屋氏は①の立論ができる、ということなのかもしれません。実際、労務屋氏曰く、
私は私で「そこまでおそれるには足りない」という情報も持っている
ということのようですから、そうした情報は一般的に知り得る情報なのかどうか、その情報を知ったのはいつの時点なのか、ということを明確にする必要があります。当時(例えば昨年11月1日)から、であるなら、当時からそのように情報分析し主張していた旨、示すことができるはずです。勿論、情報源も、ですよね。
情報源を示せないような特殊な情報源(例えば当方の例示したUSTR内部、とか、笑)であるなら、それは一般的に知り得ないものであり、JAが知らなかったとしても非難できるようなものではないはずです。


エルピーダ破綻の結果を知った後で、過去の「エルピーダに融資しましょう」だの「エルピーダ株は買い」だのといった主張を「間違いだ」と否定したところで、何になるというのでしょう。
しかも意図的に過去のこれら主張を取り上げて、「明白なデマゴーグだ」「トンデモだ」とあたかも現在も全く同一の主張であるかのように読者を誘導し、これをバッシング対象とするのは、議論のやり方としてどうなんだろうなあ、”賢明な作戦”と呼べるものなのでありましょうか、ということなんですよ。

最新の情報を加味すれば「JAの過去の主張は杞憂であった、今となっては誇大表現になるだろう」といった論であったなら、当方とて、目を引くほどの記事であったとも思いません。そうではなしに、卑怯な議論のやり方で反対派を「デマ拡散」と決めつけたように感じたわけで、氏のご指摘通りにタイトルからして冷静でなく”感情的な罵倒と難癖に終始している印象”の記事を書いたまでです。

氏の議論のやり方が適切であるとは、到底思われない、ということです。
因みに、当方の引用記事のリンク先が拙ブログになっていない、というのは、何らかの意図があるのでしょうか。リンクすると、何かがある、とか?(笑)



3月11日を迎えて

2012年03月11日 13時48分55秒 | 俺のそれ
筆舌に尽くし難いとしか言えない。さまざまな方々に困難と苦悩があったと思うが、それは私の想像をはるかに超えているとしか言いようがない。私にできることなど、微々たるものでしかない。

私たちは今、生きている。
これからも、生きていこう。それぞれが、精一杯、生き続けよう。
私にできる最大のことは、生きてゆくこと、それだけである。


日本という国は、大震災を経てでさえ、未だに変わっていない。
変わらないのが良い面であるならいいのだが、悪しき部分がそのまま温存されている。反省なき国家、学びなき国家、ということである。国家とは大勢の一般国民ということではなく、国家権力を司る権力サークルの連中である。
杜撰極まりない政策対応、大局観もなく戦略もない意思決定、矮小な個々の利益と保身を最大の目的とする愚かな指導者たちが、この日本という国を牛耳っているのである。


この国には、根本的な問題がある。
究極の無責任体制、無責任主義である。
主体、というものがない。責任所在はどこにあるか、決めるのは誰なのか、結果責任を負うべき人間は誰なのか、不明のままでなし崩し的に進もうとするシステムだ。まさしく「空気」によって支配されてしまうという、正体不明の「顔ナシ」である。「決めるのは私ではない、こっちじゃない、そっちだ、どうするんだ、誰がやるんだ」といったなすり合いが行われるだけで、「オレが責任を取るから、こうしろ」と決定できない、ということである。

その上、決定能力を有する人間に決定権限が与えられていない。考えることができる人間には権限がなく、何もできない無能な官僚主義者たちに権限があるのである。そのことがより一層、事態の悪化を招くのである。
結果の重大性を考えれば、己がバカで無能で役立たずであることが明らかとなったって、どうだっていいことなのである。できる人間にこそやってもらうべきなのだ。


原発問題について、個人的意見をこれまでにも述べてきたが、再び書いておく。
原発は、今の日本の体制では到底手に負える代物ではない。運用が変わっていないのに、安全になどなるはずもない。そういう人間には、持たせられないものである、ということだ。

日本のシステムを喩えると、運転能力の不十分な人間に車を運転させるようなものである。
何か重大な事が起こってから、急いで車の構造を調べ始める、みたいなものだ。「ブレーキペダルはどれですか」と、事故が発生してからようやく調べるという体制なのだ。このような日本の管理体制では、車を運転する資格がない、すなわち原発など「任せることはできない」ということだ。
おまけに、車の供給者であるところの東電は、車の速度や方向や位置情報などを正確に教えず、政府が「車はどうなっているのか」と尋ねようとも答えない、ということになっているのである。どうして東電が政府にこんなに逆らえるのかといえば、東電を支援している「権力サークル」体制が存在しているからであり、それは日本政府よりも強力な為である。そうであるが故に、東電の隠蔽体質は温存され続けてきた。福島の事故後であっても、それはなんら変わっていないのである。


日本には、「軍隊を動かす」というような、組織を運用する能力が決定的に欠如している。絶対的な誤り、重大な誤りは正されるべきである。それは周りの人間がサポートすべきだ。それ以外については、能力のある人間が全権を負い、命令が一直線上になっていなければならない。ご託は後にしろ、たった今こうしろ、という軍隊的指揮命令系統が、全く機能しない。ごく一部の現場レベルでは、そうした運用が行われたのかもしれないが、こと原発事故と対応に関しては、全く無力であった。
むしろ、できもしない連中が、能力を欠いたまま、管理する立場で漫然と過ぎてきた、というだけである。対処能力もなく、無知ゆえの間違いも間違いであるかどうかさえ判断できず、誰も気づかず、考え教えることもできず、事態をただただ悪化させていった、ということである。

こうした運用能力の欠如は、機械を変えても結局は同じ、である。他の機械になったからとて安全性が向上するわけでもなく、最終的には人間が運用する限り、同じようなミスを繰り返してしまうだけである。実際、東電というのがそうだった、ということを、今回は決定的に立証してくれた。過去のミスは、東電支援の権力サークルが政治力を発揮して誤魔化してこれたが、今度という今度はそう簡単にはいかなくなった。
それでも、これほどの失敗を犯しておきながら、相変わらず誤魔化し工作や東電の責任逃れを支援している権力サークルは、心底性根の腐った連中なのだということがよく分かるであろう。


運用システムの根幹が、事実・事態・状況・結果などといった、ある程度の客観的評価のあるものに基づいているのではなく、極小の権力構造(官僚機構やマスコミなども含む)内にいる人間の利害や栄達のような「取るに足らない下らないもの」が投射されたものに基づいてしまっているのである。だから、不利益な情報や失敗の存在が明らかとなる情報などは、全て隠蔽される。
「分からない、困っている」ということを隠さんが為に、正しい支援もアドバイスも受けることができなくなってしまう、ということだ。この簡単な「分からない、困っていると表明すること」を受け入れることができず、逆に知られるのを怖れてもっと酷い事態を招いてしまう、という、まさしくシステムの重大な欠陥を抱えたままなのである。

このような連中に、原発のような危険なものを委ねることはできない、と何度も言っているのである。託せるのは、その運用能力があると信ずるに足るようになった時、である。運転ができもしない人間が運転するバスに乗るほど、私は楽天家ではない。手術ができない主治医に手術をしてもいいと認めることなど、私には不可能である。バスの運転手も、執刀医も、信頼に足ると確信している時だけ、わが身を委ねることができるだけである。期待水準に到達しているであろうことが推測できる場合でなければ、託せると考えるはずがない、ということだ。


政府も東電も原発支持派たちも、そうした疑念の回答を一切行わない。能力の立証を努力している形跡もない。
「前のはほんのちょっとしくじっただけさ、今度は大丈夫、ブレーキペダルの位置を知ったから安心してよ、もうできるさ」
事故を起こし続けてきたバカ息子がそう言ったとして、車の運転を任せられると思うか?バカ息子の大丈夫という言葉を信ぜよ、と言う方が無理である。


そうではあっても、反省なき国家は、何らの解決を示さないまま、愚かな選択を続けようとしているのである。
運用システムの重大な欠陥は、残り続けるだろう。これほどの被害をもたらしたにも関わらず、である。




グローバル・ビジネスモデルと化した"furikome" fraud

2012年03月09日 21時15分38秒 | 社会全般
ある意味、素晴らしい商才、ということかもしれない。

>http://jp.reuters.com/article/oddlyEnoughNews/idJPTYE82802T20120309


振り込め詐欺が、国際的なビジネスモデルとして定着してしまった、ということなのであろう(笑)。

悪の中にビジネスの種がある、ということかな。
大儲けできる理由というものが存在する。これは、犯罪でも、犯罪ではなくても、実は大差ないのかもしれない。人間の行動、誰かを出し抜く、そういうのが基本的な部分なのかもね。



アルガルベ・カップの反省会~なでしこジャパン

2012年03月08日 18時22分44秒 | いいことないかな
そもそも、このような名前の大会があることすら知りませんでした、すみません。まずはお詫びから入りますが、米、独戦の感想などを交えて、簡単に振り返っておきたいと思います。


○米国戦

W杯の時の悲壮感とは全く違ったチームとなっていた、なでしこ達。あの時には、もう目一杯のギリギリの頑張り、みたいなのが必要でしたが、今大会は女王の自覚を持って臨んだということもあるのか、非常に落ち着いていたように思います。心に余裕があった、ということだろうと思います。

かつては、気後れするような部分が多かったのかもしれませんが、今は自分たちのプレーをきちんとできれば、アメリカ相手であっても十分通用するんだ、という、確信のようなものがあるように思います。試合結果も、まさにそれを表していたように思えます。

米国の2枚トップは強力でしたが、そこへの有効なタマ出しが来なければ、やはりゴールをこじ開けるのは難しかった、ということだと思います。ポストに当たった1本、あれはヤバかったが、幸運にも入りませんでした。なでしこのDFでシュートコースが防がれていたので、足の振り抜きがちょっと難しくなったのだろうと思います(が、あれでも、あのキック力ですので、強力です~)。

宮間のキックはやはり脅威。セットプレーでの得点力は大事だから。

全体的にタイトルホルダーとしての風格を漂わせつつ戦えたのは、なでしこの方であったと思います。この試合は、米国相手に勝利という結果が全てを物語っていたと思います。精神的優位を持つことができるまでチームとして成長した、ということです。


○ドイツ戦

意表をつくスタメンと配置でした。
特に、宮間を右ボランチの配置というのは、意外。
しかし、これが全くのダメ、でしたよね?

恐らく、澤さん的役割か、男子での”遠藤”的役はどんなもんだろうね、ということだったのかな?、と。

ポジションが後ろ目になりすぎて、DFラインが低く、ボランチがほぼその直ぐ前くらいに位置してしまって、全体が平板みたいになってしまい、ドイツの攻めが続いてしまうこととなった。全体のバランスが悪くなってしまうと、下がり過ぎということになり、ボールを持ち切れないで、苦し紛れにパスを出すが、前のパスコースはドイツ選手の方が人数が多いに決まっているので、ボールを簡単に奪われてしまう、と。

1点目はドイツの活きのいい選手のパワーとスピードにやられてしまった。2点目も、体格有利で、高さに負けて失点。ただ、試合運びは、この後からも淡々とできるくらい冷静にやっていて、米国戦でも感じた精神面での成長は著しい。戦術的に悪くなっていても、そこで耐え凌ぐ精神力を持つというのは、大変なことだ。

DFラインに不安を感じて退くと、ズルズルと下がってボール維持できず、失点に繋がる、というのを体感しました、ということだな。
それでも、2点目を失った後からは、逆に吹っ切れた感じで、サバサバとプレーできるようになって、ボール支配とパスは良くなった。

1点を前半できれいに返せたのが大きい。永里は試合を通じて、非常に良かった。W杯の時には、ちょっと空回り気味で不完全燃焼だったかもしれないが、今大会では良くなっていた。非常に厳しいパスが来た時の捌きを向上させると、もっと強くなると思う。ドイツや米国相手だと速くて長いパスじゃないと打開できないこともあるので、トラップのうまさが大きく影響する。宮間も意識的に低く速いパスを送ったと思うが、ボールが体より離れ過ぎて、相手に取られるケースが多かった。あそこで収まりをつけて、前に走れるとかなり大きいのだが。

宮間を前に上げて、バランスは良くなった。
0-2から3点を奪ったのは、立派。
試合中に、自分たちで修正してゆく能力が高まった、ということだと思う。W杯のドイツ戦ではかなり一方的に攻められていたが、今回はやられてもやり返せるだけの力がついた、ということだ。

海掘は、もう一つだったね。動きの切れが多分なかった。
最後の4点目もほんの一瞬だけ躊躇したと思う。前に出るタイミングが何分の1歩か遅れたんだ。好調時なら、迷わず飛びだして先にボールに触れていたかもしれない。が、相手選手がうまくボールを上げて、勝ち越し点を奪った。相手がうまかったのは確か。
だが、試合を通して見ると、DFラインに不安、+キーパーの調子がもう一つ、ということで、失点するべくして失点した、というべきだろう。
テストマッチ的意味合いだったので、仕方がない面はあるのですけれども。


なでしこのパスはミスも目立つわけですが、行けるぞモードのスイッチがカチーンと入ると、ゴール前にわらわらと忍者部隊が迫るように攻め込みます。もうちょっとドリブル突破の使いどころを考えると幅が広がるように思えます。

ショートパスを出すのを読まれていると、トラップの隙を衝かれてボール奪取されるケースは結構あったと思います。
パスコースorドリブル突破の両方をケアするのは困難なので、そういう選択肢があるような局面を作り出すよう意識するといいと思います。ドイツ戦でも得点に結びついたシーンは、そうした個人技からの突破を活かしていたと思います。

キープ力はそこそこ期待できるので、後はトラップ精度を上げることとか、リズムチェンジの出し方とか、そういうのを考えてもらうと、更にパワーアップしそうですよね。全体としては、良い大会だったと思います。一番対戦したかった強豪国の米と独としっかりできたので、代表選手皆にとってとても勉強になったと思います。



リンチを認める米国司法長官

2012年03月07日 23時42分19秒 | 法関係
アクション映画なら、例えばボンドの活躍よろしく、いくらでも敵を殺せるだろう。けれども、これが現実世界で堂々と行われた場合、簡単に正当化できるかというと、かなり難しいのでは。

けれども、米国の立場としては「合法だ」と言いたいのであろう。

>http://www.cnn.co.jp/usa/30005823.html

米政府は昨年イエメンで、アルカイダ系組織の指導者で米国籍のアンワル・アウラキ師を無人機を使って攻撃し、殺害した。ホルダー長官はこの件について直接言及することは避けながらも、こうした攻撃は「わが国の法と価値観」の範囲内にあると言明。「はっきりさせておきたいのは、殺傷兵器を使った外国での作戦で、アルカイダあるいは関連組織の指導者であり米国人殺害の計画にも積極関与している米国市民を標的とするのは、合法だということだ」と述べた。

容疑者殺害を合法と認める条件としては、1)その人物による対米テロの脅威が差し迫っているとの認識が米政府にある、2)容疑者の拘束が不可能、3)戦時国際法の原則にのっとった作戦の遂行――の3点を挙げた。

その上でホルダー長官は、アルカイダにはテロを実行する能力があり、常に対米テロを計画していると考えられると主張。したがって、たとえテロの具体的な計画が明らかになっていなかったとしても、容疑者を攻撃することは法律で許されるとした。


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米国の敵とされるテロリストたちが存在するであろう、ということは否定しない。けれども、そうしたテロリストがいつでもどこでも殺されたとして、これを「合法だ」と言って片付けられるのか、という疑問がある。特に、司法長官の立場として、合法だ、と宣言するには、かなり問題があるように思う。

映画や漫画の中でなら、非合法活動の一環として非合法という「後ろめたさ」を抱えていても、やってしまう、ということがあるだろう。
それは、あくまで表立って言うことのできない「暗部」なのだ。

これをアメリカは「合法だ」と大々的に宣言してしまうとなれば、どんな活動でも正当化できてしまうであろう。世界一の最強暗殺集団が合法ということになってしまう。


1)の政府に認識があったとしても、これは合法の正当化にはならない。イラク戦争の時の「大量破壊兵器」がいい例だ。政府内に認識があったのは事実だったが、それは事実とは違う。認識を有するだけでは、事実認定にはならない。

2)の拘束不可能、という条件だが、これは何とも言い難い。無人機で攻撃する前に、「動くな」と警告でもしているのか(笑)、という話である。逃げれば攻撃するぞ、その場に留まれ、といった警告を殺害前に言ったわけではないのだから、本当に拘束不可なのかが確かめようがないのでは?

3)の戦時国際法に則った作戦行動をとったとしても、犯罪が正当化される理由にはならない。これは米国側の一方的表明であって、戦時という環境(条件)が整っているのか、国際法上で本当に”戦時”と認定されるのかは大いなる疑問がある。


その上、具体的テロ計画が不明であっても、「こいつは間違いなく敵だ、だからぶっ殺せ」ということが許されるなら、私刑を正当化することにしかならない。誰が確かめようがあるというのか?
これらの主張は、前提となる大原則が存在している場合だけ、ということになるだろう。

それはアメリカ合衆国政府が「全く間違いがなく、常に正しく、事実を正確に知っており、誤った情報や判断もなく、ウソや捏造がない」という場合のみ、である。
世界中で、そんなことを信じているのは、アメリカの一部に存在する超過激な保守派とか国家主義者みたいな人だけではないかと思う。


アメリカのやり口を、また例で考えてみるよ。

サムには、常時仲違いをしているライバルのムハマンドがいた。ムハマンドは周囲の人間に、いつも「いつかサムの野郎をぶっ潰してやるぜ、この街から叩き出してやるぜ、あいつぶっ殺す」と口外していた。サムは、こうしたムハマンドの態度や考え方を知っており、ムハマンドからの攻撃に備えて、警戒していた。

ある時サムは、ムハマンドが車に乗り込む際にショットガンをトランクに入れたらしい、という目撃情報を友人から聞いた。サムは「いよいよ決行するつもりらしいな、きっと俺を殺害しにやってくるに違いない」と考えた。なので、「殺られる前に、殺れ」の鉄則通り、ムハマンドの始末をすることにした。

そこでサムは、いつもムハマンドが車で通る道路にかかる高架の上で待ち伏せすることにした。そこへムハマンドの車がやってきた。運転しているのは、勿論ムハマンドだった。同乗者もいるようだったが、この際やむを得ないと考え、サムは車めがけて機関銃を乱射した。車は蜂の巣となり、運転していたムハマンドが撃たれ、車は対向車に激突して炎上した。

サムは、言った。
「ムハマンドは俺を殺す気満々だった、巻き添えになった同乗者や対向車の人々は不幸だったが、やむを得ない措置だった、やらなければ俺が殺されていたからだ」

ムハマンドがサムを襲撃する具体的計画が本当にあったかどうかは、誰にも確かめようがなかった。けれども、サムにとっては危険な存在であるという認識だったから、ムハマンド殺害は正当化されるし合法だ、というのがサムの主張であった。


まさにこんな感じですよね?司法長官の言い分というのは。
サムが機関銃で撃つ時には、海兵隊を除隊する前に教官から教えられた通りに実行した、と。ムハマンドが米国籍であれば、別に撃たれたって文句をいえまい、と。

ムハマンドがサムに決闘の申し込みでもしたとか、サムを殺害する旨サムに向かって宣言したということでもなく、サムはムハマンドに撃つぞ、と宣言したのでもないわけですわな。これは本当に「戦時」ですかね?

どう見ても、サムの一方的な違法な攻撃、ということとしか認識できないわけですが、司法長官としては、いやいやこれは合法だ、と言えるらしい。
アメリカの無人機は高性能で、殺害する前にテロリストたちに権利でも読み上げるのかもしれんね(笑)。ああ、それはロボコップがならず者とか犯罪者を銃撃する前か。或いは、これからお前らを爆撃する、とか何とか、宣戦布告でもしたのか?


独善的な国家であることは、世界中で知られているだろうが、表立って合法だと詭弁を弄されては、それってまずくないですか、と気になるわけである。
仮に実行するにしても、誰にも知られず後ろ暗い部分を抱えて、矛盾の中で悩み苦しみながらも「行わざるを得ない」というようなものであるはずで、白昼堂々と国家的支援を受けた死刑執行が自動的に行われるというのは、極めて危険である。



ただの季節要因とかの可能性ではないんですかねえ…

2012年03月05日 09時42分33秒 | 経済関連
大した話ではないのですが。

>http://b.hatena.ne.jp/entry/d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20120304%23p3


拙ブログでも常々日銀批判を展開してきたわけですが、この意見は妥当性に疑問があるのですよね。

例年ですと、12月には年末要因で資金需要が旺盛となると思われ、ボリュームが増大するのは普通では。で、年明け以降には若干減少した後、3月には再び年度末要因などで資金需要が盛り返す、というのが大まかな動きではないかな、と。実際の数字を拾って調べたわけではないので、あくまで大雑把な実感でしかないんですがね。


こうした動きは日銀の「緩和前に絞ってやれ」という意図とかには無関係であり、経済活動の反映の結果でしかないのでは。それと、為替介入資金が大きかったりすると、それなりに後日の動向に影響している面があるかもしれないですし。政府要因の影響なんかも関係することもあるでしょうし。


日銀批判はあって当然と思いますが、だからといって、的外れな批判であると、それはそれで日銀にとっては「いわれなき非難」の類でしかないのでは。



TPP交渉参加後の離脱が困難と考えるワケ

2012年03月05日 09時41分24秒 | 政治って?
未だに「交渉ごとなんだから、参加してみて、嫌だったら止めればいい」みたいな、安易な意見を言う人がいるようだ。

まあ、それが国際交渉のエチケットだ、とか、国際交渉でのお約束ごとだ、とか本職の専門家が言うのなら、そういうもんかな、とは思うが、それが本当にTPPでも通用するのかどうかは、疑問である。

どうしてなのか、って?

その理由を書いておく。

誰が「離脱は困難」と言っていたのか、というのが問題なんだよ。


>http://sankei.jp.msn.com/economy/news/111024/biz11102417370014-n1.htm

国家戦略会議の一員であるはずの、米倉経団連会長曰く、
「途中離脱することはありえない」
と断言していますわな。どこの馬の骨とも知れぬ人間が言っているわけではないことくらい、誰でも判りそうなもんですよね。


>http://b.hatena.ne.jp/entry/www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C9381959FE0EBE2E3EB8DE0EBE3E2E0E2E3E39F9FE2E2E2E2

日経新聞記事でも米国側意見として、「途中離脱論を牽制」となっていますわな。読売新聞記事でもそうですね。

http://ceron.jp/url/www.yomiuri.co.jp/world/news/20111029-OYT1T00287.htm

元記事が探せないので代用しておきましたが、「離脱すればいい」なんてのが現実的に可能なのかどうか、考えが及ばないのでしょうかねえ。いや、勿論、米倉経団連会長が何と言おうが、米国高官が何を言おうが、「そんなの関係ねー」とばかりに日本の都合で離脱しますよ、と表明してそれを確実に実行できるという担保なり約束なりがあればいいんですがね。

うちのブログみたいなただの個人が言うのではなく、日本を代表する大新聞であるところの、読売新聞や日経新聞が「そう書いている」というのが事実です。離脱なんて、そうそう簡単には許されない、ということが、示唆されているということではありませんか。

米倉経団連会長が言ったのを受けて、藤村官房長官が発言を修正したことを知らないんじゃありませんかね。
>http://alfalfalfa.com/archives/4732923.html

交渉に参加すれば離脱困難となる、とオレが宣言してるわけじゃねーんだっての。「官房長官が言ってる」んだろ。経団連会長や官房長官が、そう言ってるんだろうよ。
交渉もしたこともない、国際条約も国際交渉も何も知らない一般人が適当にあることないことを言ってる、と、それでも言いますかね?

>http://sankei.jp.msn.com/politics/news/111025/stt11102509480004-n1.htm

玄葉外務大臣も、途中離脱は簡単ではない、として、産経新聞曰く、
『交渉途中で離脱すべきではないとの考えを示した。』と言ってるではありませんか。
官房長官と外務大臣が揃って「離脱は困難、すべきでない」ということを言ったとなれば、誰がどう考えたって「ああ、離脱は困難ということなんだな」と受けとるんじゃないですかねえ。


国際交渉の現場も知らなけりゃ、交渉の約束事も知らないし、国際関係の常識だって知る立場にない、当方のような一般国民からすると、重要閣僚であるところの官房長官や外務大臣なんかが「離脱は困難だ、orすべきでない」といったような発言をしたり、民間人でも国家戦略会議のメンバーに選ばれるような米倉経団連会長といった重要人物が「途中離脱はありえない」と言ってるのに、「いやいや、交渉なんだから嫌なら離脱できるよ」という何の保障も確約もない意見を簡単に信頼できるわけないっての。

交渉に参加してしまえば、離脱できなくなってしまうかもしれない、と判断する方が普通なんじゃないですかね?


閣僚や米倉発言を知らない人なら、交渉だから拒否すればいい、みたいな意見を簡単に信じるのかもしれませんが。要するに、無知であるからこそ、「嫌なら離脱すればいい」という意見を受け入れやすい、ということなんじゃないですかね。いや、あくまで形式的にいえば、条約批准をしなけりゃいいだけですから、議員が否決すればいい、ということには違いはないですよ。

だけど、韓国を見てごらんなさいな。
国会決議は、大混乱に陥ったでしょう?発効だって、大幅に遅れたじゃないですか。
米韓FTAの改正か破棄というのが、大統領選挙の争点とまで言われてるじゃありませんか。
手続きが進み出すと、国会で否決すればいい、なんてのは簡単にはいかなくなる、という見本と見ることもできるんじゃないですかねえ。

ま、そういう現実を見ないふりをしているのか、見たくないから拒否しているのか、無知だからなのかよく判りませんが、いずれにせよやっぱり「甘く考えている」としか思えないわけですわ。



『TPP反対派がダメな件』がダメな件

2012年03月04日 16時53分28秒 | おかしいぞ
久々に見たわ、こういうの。
>http://d.hatena.ne.jp/roumuya/20120303#p1

んー、まあ、言わんとするところは分からないでもないが、だからと言って簡単にJAなんかを批判できるとも思わないね。

この労務屋さんという方は、未来でも見通せるエスパーか何かですかな?
色々な虞を抱くのは、それを推測させるような情報や事実なんかがあるからであって、そういうことを知らない無知であればあるほど、何らの虞も抱くことはないでしょうな。だって、知らないんだから。
ネズミ捕りを見たこともない赤ん坊ならば、それを危険だとは考えないから怖れたりもしないだろうが、構造を知る人間であればそれに手が挟まるとどうなるかが予測できるから、不用意に触ったりするのを躊躇するだろう、というような話だ。

3月2日に出た日経記事を読んだら、JA関連団体の表明していた危惧がいかに大袈裟なものか、というのを言いたいのかもしれないが、そんなのを知ることができたのは、つい昨日今日の話じゃないですか?
昨年11月のAPEC前までに、そういうことを知ることが出来なかったのなら、危惧表明はごく普通だとしか思えないわけだが。新たな情報が出てから、「いやいやそんな危険性なんてないんだよ」なんて言うのは、所謂後知恵みたいなものなんじゃないですかね?

労務屋氏はこう書いている。
『たとえば医療分野においてもTPP参加で混合診療が導入されて医療保険が崩壊する(大意)おそれがあるとか書かれているわけですが、しかし混合診療についてもカトラー氏がやはり明確に否定しています。もちろん「おそれがある」「心配がある」ということなので、「だれが何と言っても私は心配なんだよ!」と言い張ることは可能なわけですので間違いではありませんが。』

あなたは、そんなことをずっと前から知っていたんですかね?(笑)
へえええええ。
超能力でも発揮ですかな?カトラーさんとのコネでもあって、特別な情報でも貰っていたとか?USTR内部に情報源でも持っているんですかね?
そういうことでもないなら、危惧を抱くのは普通としか思えんが。

例えば、昨年10月時点での報道では、小宮山厚労大臣が国会答弁で発言した、というのがあった。

>http://www.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=10331

医療自由化目標 「入手していた」 米国文書で厚労相 (10月28日)

 米国政府がTPP交渉で、公的医療保険の運用で自由化を求める文書を公表していたにもかかわらず、日本政府が「公的医療保険制度は交渉の対象外」と国民に説明していた問題で、小宮山洋子厚生労働相は27日、「9月16日に外務省を通じて受け取っていた」と述べ、入手していたことを明らかにした。公的医療制度の根幹である薬価の決定方法が交渉対象になる可能性も認めた。

========


他にも、外務省の説明では、議題の可能性に言及されていた。

>http://www.asahi.com/politics/update/1107/TKY201111070539.html

外務省は7日、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉で、日本では原則禁止されている医療分野の「混合診療」について、全面的な解禁が議論になる可能性があるとの見解を示した。民主党の経済連携プロジェクトチーム(PT)の会合で説明した。
 混合診療は、保険診療と保険がきかない自由診療を組み合わせたもので、日本では一部の治療でしか認められていない。いまは自由診療を併用すると、保険が適用されず、全額が患者の自己負担になる。このため混合診療の全面解禁を求める声がある一方、解禁すれば、お金持ちだけが質のいい治療を受けられ、医療サービスに格差が生じるとの批判も強い。
 これまで外務省は、混合診療について「TPP交渉では議論の対象になっていない」と説明してきた。だが、7日の資料では、日米の投資環境を話し合う「日米投資イニシアチブ」の2006年報告書で、「米国は混合診療の導入に関心を示している」と言及。それ以降、米国は特段の関心は表明していないとしつつも、「混合診療の全面解禁がTPPで議論される可能性は排除されない」と指摘した。
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こういう経緯を知っていれば、「議題になんかなるわけない」みたいな断定が簡単にできないんじゃないですかね?
むしろ、「交渉の議題に乗せられる虞」を抱くのが普通なんじゃないですか?
だって、外務省が「排除されない」と説明しているんですよ?
それでも、どういう自信があるのか、何の根拠で「議題にはならない」と断言できるのか知らないけれども、労務屋氏は「いやいや、そういう心配はない」と最初から言えた、と主張するつもりなのかな?
へええええ、凄いですね、締結後でも情報を4年間は開示しないとされる交渉ごとの中身を、事前に「議題にならない」と断言できる、と。


オマケに、TPP交渉では既存のFTAが交渉の土台となる、というのが前提にあったわけで、そうすると米韓FTAの内容を連想するのは回避できないんじゃないですかね。

>http://japanese.yonhapnews.co.kr/headline/2012/02/16/0200000000AJP20120216000400882.HTML


このように、米国法律事務所が韓国で活動することは何らの制限を受けない、ということなら、日本でも同様の「サービス市場開放」が求められる可能性を危惧するのは当然なのではないのかな?

参考>http://d.hatena.ne.jp/trapds/20111222/1324542637

今になって、議題になっていない、と米国政府要人が言ったとしても、そんなのは事前には分かってなかっただけ。つまり、無知ゆえの「怖いもの知らず」と何が違うのかな、と思えなくもないわけです。
知らぬが故に、危惧もない、ということと何が違うのか、きっと合理的説明ができることでしょう。

弁護士や会計士だけではなく、医療や高等教育が参入市場として標的とされると危惧するのは、ごく常識的な想定としか思えないわけだが。何も「世界中のどこでも起こっていないこと」を言っているわけでもなく、現実に「存在している貿易協定」の事実について言っているのであるから、実在するものを議論の前提として考える方が普通であるとしか思えない。
「そんなことは起こらない」とか「そんなことは対象となっていない」なんて意見は、否定する情報や意見表明がなければ知り得ない。


そもそも、11月のAPEC前にカトラー代表が「議題にはならない」と完全否定しておけばよかっただけなのに、どうして事前に言わなかったのだろうか?
参加表明が問題となっていたのなら、その時点で「そういう懸念はない、議題にならない」と完全否定しておけば、それで簡単に済んだ話ではないですか。どうしてそれができなかったのかと言えば、在沖海兵隊の移転問題でも同様だが、途中で方針変更が行われたからだ、という可能性が最も疑われるわけで。

つまり情勢の悪化、劣勢でもいいですが、このまま進めるのは「得策ではない」と判断されてから、「いや、実は議題にはならないんですよ」と後出しで否定したのと見分けが付けられない、と言っているんですよ。日本でも、或いは1月1日発効予定だった韓国でも、これほどの大騒ぎにならなければ、そうした方針変更は行われなかったかもしれない可能性だってあるのではありませんか?
(因みに、これを否定できる論拠があるなら、是非知りたいね)

それをですね、昨日発表になった程度の発言を、あたかも「当然の事実」であるかのように語るのは、あまりに都合が良すぎじゃありませんかね?
本当にずっと以前から「議題になんてなっていなかった」ことの明確な根拠でもあるんですかね?その発想の前提となる証拠や事実というのは、一体何が挙げられるのですかね?


3月2日くらいに知った内容を盾にJAを批判できる立場にある労務屋氏は、昨年10月からそんなに言うほど正確に事実を知っていたんですかね?
閣僚たちでさえ交渉の中身はわかりませんと繰り返していたのに、一介の市民である労務屋氏が「議題にはならない」と断定できる自信の根拠を知りたいね。


まあ、どうせ大した答えなんぞありはしないだろうから、誰かの無知を非難しても益はないんですがね。答えを期待なんかしませんぜ。
当方とて、あれこれと「大袈裟に畏れる」タイプの人間ですから、JAと同じですから(笑)。
情報無視ないし無知が羨ましい限りですな。



日本にTPP参加を求めない米国政府

2012年03月03日 18時50分07秒 | 外交問題
米倉経団連会長以下、財界の連中が大騒ぎした結果、米国の立場を失わせることとなったようである。

>http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120302/t10013434781000.html


参加するかどうかは、日本で決めてくれ、ということである。

TPPに参加しなければ、世界の孤児になる、と豪語した米倉会長の言い分は、全くの出鱈目であったことが明らかとなったわけだ。従米派の学者だの、地頭クラスの人脈だのをフル活用して、TPP参加の正当化工作を必死でやった結果、大変マズイことになりました、ということだ。まさに薮蛇効果、だな(笑)。

こういう日本国内の愚か者たちの行きすぎた煽動工作が、あまりにも目立ち過ぎて、かえってマイナス要因となるという典型であろう。前原さんよ、或いは仙谷さんでもいいが、あなた方のような自己保身の日和見体制こそが、日本の政治をダメにしているのだと自覚するべきである。

「農協が反対に奔走している」
「農協が農業をダメにしてる張本人だ」

あなた方は、そういう言い方をしておったよなあ?
忘れたか?


オレは忘れんぞ。
こういう政治家の妄言は、忘れないからな。


韓国での米韓FTA騒動が大きくなり、非常にまずい立場に追い込まれたのがイ大統領とUSTRだろう。だから、日本にはTPP問題に関しては、今後も一切「何も言わない」という方針に転換したのであろう。

多国籍企業群は、裏で日本の財界人たちにあれこれ言うことがあるかもしれないが、これを政治的に表立って活動するようにはできなくなった、ということだ。大衆を説得しようと、財界の連中があれこれ言い出せば言い出す程、胡散臭さが増し、逆の効果を生み出すということになってしまったわけだよ(笑)。


だから、TPPに参加することの正当性を言い出せる人間は、ほぼ皆無となったんじゃないですか?

よくよく話を聞いて、突き詰めて行くと、出鱈目を言ってたのはTPP参加推進派だった、ということがよく分かるだろう。


なので、米国サイドとしても、これ以上「何も言うまい」という姿勢に転換しちゃった、というわけだな。

日本国内の愚か者どもにも、「これ以上、何も言うな」ということになってきたんじゃないですかねえ?


残ってるのは、霞が関の連中だけだろう。
彼らは、そう簡単には方針転換などできないから。彼らが野田のどじょうの坊ちゃんを操縦して、何とか巻き返そうと必死になっているわけだよ。

これは東電問題でも、原発問題でも、大体同じだろうね。


谷垣さんは、元々が財政再建派で、いわゆる「財務省派、財務省閥」の仲間と見られてきたので、財務省系列の連中が野田とくっつけようと必死になったわけだな。
官僚操縦が可能になるのが、野田+?という勢力図になるわけで、谷垣さんが寝返ってしまうなら、霞が関支配は継続されるであろう。


まあ、米国サイドとしては、まずは日本国内の意思統一を図ってから来いやということを明確にしたわけで、この辺は多国籍企業群のロビイスト軍団といえども、簡単には手出し出来難くなったということを意味するであろう。
日本国内で財界の連中に「言わせていた」筋の方々は、鳴りを潜めるよりなくなった、ということだと思われる。

それでも、縁故知人関係だかコネだか知らんが、日本の中で「負けるもんか」と頑張りたい連中はいる。負けたくない一心、それだけだ。愚かなので、それ以外の理由なんかないのだ。保身、それだけ。自分の立場を示さんが為、TPPを利用しているだけに過ぎない、ということなのだ。これっぽっちの為に、参加を推進しているのである。



ああ、それから、とある方々に、御礼を述べたい。
こちらからは、見えないし、誰だかさえも全然知らないんだけれども。

けど、何となく分かるんだ。
きっと、そういうことなんだね、と。


日本の某業界団体の会長さんとかは、全く気がつかないんだよ(笑)。
仕方がないんだけれども。
だから、見当違いな反論とか、しちゃう。


敵対しているように見えるのは、それなりの理由、考えがあってのこと、ということが、感じ取れないんだ。
理解できないんだよ、行動の裏側にある、意図が。


ぼくには、たぶん、あるように感じたよ。
だから、礼には、礼で応えたい。
率直な感謝を伝えたい。

ありがとうございます。


まだ結論は先ですが、どういう結果になろうとも、このことは忘れません。



原発寄生虫の銀行団~東電を整理すべし

2012年03月01日 16時34分53秒 | 政治って?
日本というのは、本当に目が覚めませんね。
エルピーダの失敗を目の当たりにしていながらにして、それでも考えを変えることができない、ということなのでしょう。


東電の融資を巡って、どんなやり取りがあるのか知りませんが、霞が関主導の再建計画とか、そうそううまく行きますかね?

どうせ、ロクでもない連中が描いた「商才なき計画」で、ただ単に東電や財界の懐を守らんが為の姑息な策に過ぎないのではありませんか?


>http://www.sankeibiz.jp/business/news/120301/bsd1203010142002-n1.htm


銀行団は融資条件として、「原発再稼働」と電力料金値上げを求めている、と。そうですか。

寄生虫の奴らは、「政府は東電を潰せまい」とタカをくくっているだろう、ということですわな。
寄生虫の奴らの言い分を通すなら、原発再稼働が必要になる、ということだな。それは、誰の意向なんだ?

原子力ムラの権力構造と銀行界を牛耳る構造というのは、相似形であろう、ということが想像できる。
経団連の奴らが「原発を再稼働させろ」と五月蠅く言うのも、メガバンクをはじめとする銀行団が東電擁護の大合唱を続けてきたのも、同じような構造だった、ということさ。

一蓮托生。
同じ穴の狢、官財+特定マスコミの共同体が生み出した、異様な権力構造、これこそが本体なのだろう。

その象徴とも言うべき東電は、まさしく利権構造の中核であり、寄生虫の宿主となっているわけである。これを破壊するか無力化しなければ、過去からの構造体を打ち破ることができないだろう。


銀行団の連中が強気でいられる唯一の拠り所は、社債の「一般担保」であることはほぼ疑いないであろう。だったら、寄生虫の奴らに、担保分のカネを払って、始末をつければいいだけだ。

東電は破綻させろ。
資本主義の原理に拠って、奴らが常々大上段からもの申す「民民の関係」に従って、通常の企業と同じく処理を粛々と行えばいい。

それこそが、原理原則だよなあ?(笑)


メガバンクなどが東電に2兆円もの融資をしたというのがあったが、あれだって東電擁護だけの為に画策した結果なのであり、事故賠償に関する法的見解も定まっていないうちから、「3条但書を適用せよ」の大合唱だったわけだ。

経団連会長が率先して大騒ぎし、全銀協も右へ倣えで政府にカネを出させる運動だけやっていたわけだ。その先頭に立っていたらしいのが、経産省事務次官だった、と。そういうことだったろう?

こういう悪しき関係を清算した方がいいよ。
いつまで経っても、何も変わりやしない。彼らが邪魔立てする限り、政治家たちは腰が引けて何もできない。


そういう権力構造を破壊するには、拠り所を奪うのが一番だ。
東電を潰せまい、と足元を見ているからこそ、強気が継続できるということなのだから。
なので、潰して、銀行団にも被害を蒙って頂いた方がいい。
一般担保は国が買い取って、4兆円なりの社債分を補填し、他の債務については「倒産企業の処理」に従って、法的処理をすべき。


その後には、東電の後継会社を国が当初やって、自立できるようになったら完全民営に戻せばいい。送電分野は、これも公的管理から半官半民に移すなりして、電力会社の競争促進とすればいいだけだ。

こういうプロセスを経るなら、原発被害への救済だって早急に処理を進めることを、多くの国民が認めてくれるはずだ。
東電任せだと、遅々として処理が進まないから。

原発関連の積立金なども管理体制を変えるなり、活用法を考えるなりしてゆくべきだろう。


宿主たる東電を、これまでと同様にダラダラと延命させ続けると、寄生虫どもの処理も進まない、ということに他ならない。


関係ないけど、東洋経済の編集長が軽犯罪で逮捕されたらしいのだが、陰謀説が囁かれたようですな。

ところで、東電批判の特集記事などを連発していたようですな。

>http://www.toyokeizai.net/business/society/detail/AC/c4ddfdafb69e54916b957c79b60b7da4/


今後も、東洋経済を応援しています。
頑張れ。
メディアの意地を見せてやれ。