“子ども”を取り巻く諸問題

育児・親子・家族・発達障害・・・気になる情報を書き留めました(本棚4)。

子どもの “イヤイヤ期” “魔の2歳” への対処法

2022年05月24日 08時35分45秒 | 育児
子育ての登竜門の一つ“イヤイヤ期”。
“魔の2歳”という表現もありますね。

何を言っても「イヤ」
と拒絶され、保護者は困ってしまいます。

乳幼児の子育てがずいぶん昔になった今の私から見ると、
親が何か言うから、
親のルールを押しつけようとするから、
それに反応して「イヤ」という回答になるパターンが一つ。

子どもはいつまでも楽しく遊んでいたいのです。
でも、食事や保育園やトイレや、アレコレとこなすことがあって、
“邪魔される”というイメージなのでしょう。

まあ、大人ルールにはめ込むことを諦めれば、
このストレスは減る可能性がありますね。

それから、自分でいろいろできるようになる時期であり、
でもうまくできないので自分自身にイライラしているパターンもあります。

こちらは見守るしかありません。
あるいは子どもにわからないようにサポート・根回しするとか・・・。

あからさまに手伝うと、
かえって逆上してしまうこともありそうです。

さて、NHKの育児番組「すくすく子育て」で子どものイヤイヤ期をテーマにしている回がありました。
参考になりそうな箇所を私なりにかみ砕いて抜粋・紹介します。

ご意見番・回答者は以下の2人;
・坂上裕子氏(青山学院大学 教授/臨床発達心理学)
・髙祖常子氏(子育てアドバイザー)

・自分の気持ちをことばで伝えることも、まだうまくできません。自分のどうしようもない状態を、どうしたらいいのかわからないのです。(坂上裕子氏)

・(モノを投げて困る場合)モノを投げると、まわりの人や子ども自身にあたって危ない場合があります。投げたくなるモノは置かない、または、だっこして別の場所に連れて行くのもひとつの方法です。(坂上裕子氏)

・「何でイヤだったの?」と聞いてみましょう。まだ自分で説明することが難しいかもしれません。そのときは、「〇〇でイヤだったのかな」「もっとこのおもちゃで遊びたかったんだね」のように、子どもの気持ちをことばにしてあげます。(髙祖常子氏)

・子どもに選ばせてあげるのもいいですね。例えば、出かけるときに「イヤ!」という場合は、「どっちの靴がいいかな?」のように選択肢を与えると、子どもが「こっち!」と選んでくれることもあります。子どもは、自分の意志を尊重してもらえたと感じて、納得しやすいのです。(髙祖常子氏)

この方法、私も診療で使っています。年齢はもっと上ですが・・・
予防接種の注射を嫌がる子に「1秒コースと2秒コースと3秒コースがあるけど、どれがいい?」と聞くと、
9割の子は「1秒コース!」と答えます。
自分で選んだので、抵抗が少なくなります(全員とはいきませんが)。

・子どもの気持ちの切り替えを手伝うこともひとつの方法です。
「ボール投げして遊ぼうか」のように、視点をずらしてあげる声かけなどです。(髙祖常子氏)

・何をやってもダメなときは、「自分の気持ちと戦っているんだ」と考えて、見守ってあげましょう。
興奮しているときには、なかなかことばも入りません。(髙祖常子氏)

・どの子どもにも合う方法はありません。
親子でいろいろと試しながら、どうやったら気持ちの折り合いをつけることができるのか、一緒に練習していく時期だと思います。(坂上裕子氏)

・1歳5か月のころは何を言っても「イヤ」の一点張りで、
親の言うことが耳に入らない状態・・・自分の「これをやりたい」しか見えていないわけです。
それが、1歳10か月ごろになると、少しまわりの様子が見えてきて、「イヤ」と言いつつも、親の言葉に耳を傾ける余裕が出てきて・・・
2歳に入るころ、自分の思いと相手の思いの違いで葛藤するようになり・・・
まだ自分のやりたい思いが勝る場合が多いのですが、いろいろな経験を通して、
3歳ぐらいになると折り合いをつけられるようになっていきます。(坂上裕子氏)

子どもがいろいろなコトができるようになると、
「これがやりたい!」
という考えが出てくるのは自然なこと。

しかし状況がそれを許さないことで問題が発生し、
解決は至難の業です。

専門家からの解決のヒントは、

・まずは子どもの気持ちを受け止める
・子どもの気持ちを言葉に置き換える
・希望が叶えられない状況なら、興味対象をそらす
・1歳前半では周りが目に入らない・聞く耳を持てないが、2歳近くなると周りが見えるようになるが自分の希望が勝り、折り合いがつけられるようになるのは3歳まで待つ必要がある。それを親子で練習している過程と割り切る。
・投げて暴れると危険なモノは遠ざける。

などでしょうか。

次は「お店で〇〇〇が欲しい!と寝転んで泣き叫ぶときどうしたらよいですか?」という“あるある”質問へのコメントです。

・子どもの気持ちを「受け入れる」と「受け止める」には違いがあります。
「気持ちを受け入れる」が、行動(要求)を実現することだとすれば、
「気持ちを受け止める」は、まずは「わかった」と、気持ちに共感することです。
つまり、要求は「わかった」けど、実現してあげられないこともある。
実現の是非の判断は、親の仕事なのです。(坂上裕子氏)

・子どもの要求に応えられないときは、「これができなくて悲しいよね」といった声をかけて、
要求がかなわなかったときの気持ちにも共感することが大事です。
親が気持ちを受け止めることで、子どもは自分の気持ちに向き合うことができ、
目の前の状況に折り合いをつけられるようになっていきます。(坂上裕子氏)

う〜ん、結構奥が深い。
子どもの「〇〇〇が欲しい!」という気持ちを“受け止める”必要があるが“受け入れて”はいけない、つまり折れて買ってはいけないのですね。
子どもの気持ちにより添い
「欲しいものが買えなくて残念ね、お母さんその気持ちわかる」
と共感するとありますが、そんなにうまくいくかなあ・・・。

・気持ちに寄り添うことと、甘やかすことは、全く別のこと・・・
「甘やかす」とは、すべて子どもの言いなりになってしまうこと。
そうならないように線引きするには、2つのポイントがあります。
ひとつめは「場当たり的に対応しない」ことです。
イヤイヤが続くと、親は根負けして「いいよ」と許しがちです。
子どもは「昨日はダメだったのに、今日はいいんだ」「ぐずれば通るんだ」と思ってしまいます。
甘やかさないために、「ダメ」なことは「ダメ」と、ぶれずにはっきり伝えることが大事です。
次に、モノで釣らないこと。
「ぐずるともらえる」「ぐずるとこれができるようになる」のように、子どもの判断基準がいろいろになってしまいます。
大騒ぎ・大泣きをするかもしれませんが、きっぱりと言っていくことが大事です。
例えば、お気に入りの絵本やおもちゃなど、気分転換を手伝うためのモノがあるといいかもしれません。(髙祖常子氏)

髙祖氏は
「受け止める」を「気持ちにより添うこと」、
「受け入れる」を「甘やかす」
と言い換え、やはり「甘やかす」ことを否定しています。
一度許したら味をしめてしまうので、その後修正することが難しくなりますよ、
と番組中にコメントされていました。

次は「ダラダラ食べ」「遊び食べ」に切れてしまった母からの質問への回答です。

・子どもに多くを求め過ぎたり、求めるレベルが高すぎると、その通りにはならないのでイライラしてしまいます。
ごはんを「食べてほしい」という一心でつくったのに、だらだらと食べてくれないと・・・イライラもあると思います。
でも、子どもにはわからないことなのです。
2歳ぐらいは食べむらも多く、偏食が出てくる時期でもあります。
例えば、何か1品でもいいので「食べたらOK」と考えてみましょう。
年齢とともに、要求水準が上がっていきますが、
その基準が子どもとマッチしているのか見直してみると、
イライラが減るのではないかと思います。(坂上裕子氏)

やはり「大人ルール」に無理にはめ込むと生じるトラブル的要素がありますね。
それほどお腹はすいていないけど、食事の時間だから・・・
と母の気持ちと裏腹に、子どもはひたすら楽しく遊んでいたいのですから。

・誰もが、イライラすることがありますね。
まず、「感じる脳」が瞬時に動くといいます。
「なんで言うことを聞かないの!」のように思うわけです。
その後、5~6秒ぐらいで「考える脳」が動き始めて、
「もう少し遊びたかったのかな」のように思えるのです。(髙祖常子氏)

・イライラで感情に流されそうになったとき、
子どもが安全な場所にいるならば、
ひとまず少し離れてみるのもいいのではないでしょうか。
クールダウンの方法はいろいろとあります。
ちょっとだけ離れてみる、深呼吸する、トイレに行くなどです。
方法は、何でもいいと思います。
「イライラしてきたときは、これでクールダウンしよう」という方法を、
ひとつだけでもいいので持っておきましょう。(髙祖常子氏)

出ました!
アンガー・コントロールで出てくるクールダウン方法“6秒ルール”ですね。


<参考>

▢ どう向き合う? 子どものイヤイヤ(すくすく子育て)

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