“子ども”を取り巻く諸問題

育児・親子・家族・発達障害・・・気になる情報を書き留めました(本棚4)。

「病院出産が子どもをおかしくする」

2009年03月26日 06時57分00秒 | 育児
奥村紀一著、2008年出版、洋泉社

私がふだんから感じていることがそのまま本の題名になっているので気になって購入し読んでみました。
著者は医者ではなく哲学者です。
目から鱗が落ち、ウンウンと頷けるところがたくさんありました。
一方、医学的な記述に関しては「そう言う意見もあるけど逆の意見もあり、まだ議論中で結論は出ていない」分野にも自分の考えに合うデータを並べて断定的に書いてある箇所が散見され、すべてを鵜呑みにはできないなという印象も受けました。

著者の主張は本文の冒頭付近にある以下の文章に集約されています。

 「わが子を可愛いと思えないのは、育児関連ホルモンの分泌不良という生理学的な問題であって、本人の性格や意志とは何の関係もありません。
 哺乳類である人間の母親が子どもを可愛がって守り育てるのは、授乳と皮膚の接触に刺激されて分泌される数種類の育児ホルモンの機能によるものです。1950年代に母親の異変が現れ、60年代から子どもに異変が起きてきたのは、出産の場が家庭から病院に移り、出産直後から赤ん坊が別室に分離されたこと、ミルク保育と早期断乳による乳房刺激の不足、おんぶ・添い寝をしない様式育児法などに影響されて、親子の皮膚接触(スキンシップ)が激減したためなのです。
 育児に関係したホルモンの研究が進んだのは1980年代後半からです。哺乳類が子を育てる基盤が「乳房による哺乳」であり、これなくしては正常な育児ホルモンの分泌が保証されず、母子双方の愛着関係が希薄になることが判明したのはごく最近のことです。これを踏まえてアメリカ小児科学会は2002年に母乳育児の新しいガイドラインを出し、従来の方針を180度転換して、出産直後から母子が密着する育児法(つまり伝統的な日本の育児法)を強く推奨し、その普及に尽力するようになりました。
 戦後の日本は最良の伝統的な育児法を最悪の西洋方式に切り替えましたが、それが母親の異変を引き起こし、虐待を横行させる事態を招いたのです。」

さて、以降の各論中で「!」という箇所を抜粋します。

★ 出産方式の大転換(「自然」から「人工」へ)が起きたのは、1948年にGHQ(連合軍総司令部)の指令に基づいて、厚生省が「母子衛生対策要綱」という通達を出し、その中で出産の場を自宅から病院に切り替えるように勧告したからです。
 アメリカでは1930年代から出産を病院で管理する方式が主流となっていました。

★ すべての哺乳類は、出産直後から子が独り立ちするまでずっと親子が一緒に生活し、授乳期間中に分離されるようなことはありません。

★ 母性を発言させる3つの育児ホルモン

①オキシトシン(愛情ホルモン)・・・子どもを可愛がり、世話をさせる
 C. A. ペダーセン博士らの実験によると、このいない雌ネズミの脳にオキシトシンを注入すると、まるで母ネズミのように変身し、巣を作って近くにいるよその子ネズミを運び込み、舐めたり添い寝したりしてかいがいしく世話をするようになります。
 出産時に陣痛に伴って増大し、出産直後に最大となります。母乳の射出を促す機能もあり、母性の発現にとってもっとも大事なホルモンです。

②バゾプレシン(保護ホルモン)・・・子どもに注意し、外敵から守らせる
 出産後にバゾプレシンが分泌された雌ネズミは、臆病な性格を一変させて、子を守るために敵を攻撃する勇気を示します。このホルモンの受容体が多いアメリカの野ねずみ(プレーリーボル)は一夫一婦制を守ることで知られており、両親の協力による安定した子育てには欠かせないホルモンです。

③プロラクチン(母乳ホルモン)・・・母乳を生産し、育児に専念させる
 母乳の生産を促進するホルモンで、その分泌は出産が近くなった時期に急激に高まり、分娩直後に必要な初乳の生産を用意します。また、このホルモンはオキシトシンを補助して母親の関心が子ども中心になるように仕向けるので、母性愛の発現を多くの側面で促進・強化するものです。
 また、プロラクチンには抗ストレス作用もあります。母乳で育てている人はこのホルモンが豊富に分泌されるので、イライラすることも少なくゆったりと子育てができます。赤ちゃんを抱いておっぱいを吸わせれば幸せな気持ちになり、落ち着いて充実した毎日を送ることができるのです。ミルク育児の人はこのストレス緩和ホルモンが少ないので、不平不満が溜まりやすくなります。

「母性本能」といわれるものの実態は、この育児促進ホルモンの共同作業に他なりません。

・・・これらのホルモンの名前は医学生時代から知っていましたが、このような捉え方をした記述に初めて出会いました。

★ 日本の昔(1950年代以前)の母親は2~3年に及ぶ哺乳を当たり前のように行えていました。これは伝統的な育児法を守っている世界の民族すべてに共通していたことなのです。

★ 小泉武宣・群馬県立小児医療センター医療局長の研究報告によると、全国の新生児医療連絡会の施設において、低出生体重児または病弱児が退院後に虐待された事例49件のうち、その個別記録が残っている子どもの生後または退院後1ヶ月における授乳様式をみると、母乳で育てられた子どもは2人だけであり、群馬県内の同様の調査では、保育方法が確認された22人の被虐待児のうち母乳で育てられたのはたったの一人でした(「母乳育児は子ども虐待のリスクを減らせるか」『母子保健情報』第47号、2003年)。

・・・実は小泉先生は私の師でありました。この3月で定年退官です。長い間の新生児医療、ご苦労様でした。

★ アメリカ政府が1914年に観光した公式の育児ガイド「幼児の世話(infant care)」は「授乳の時間・回数」から「抱かせ方」に至るまですべて「一定の規則通りにする」ことを説き、とくに「抱く」「あやす」といった基本的な養育行動の価値を否定し、親子のふれあいを極力減らすように主張しています。
 この方式を参考にした日本の母子手帳の中の「育児の心得(1953年版)」には次のような記述が羅列されています。
イ.添い寝の癖は母子ともに安眠できませんからやめましょう。
ロ.大体決まった時間に十分にお乳を飲ませましょう。
ハ.子どもが泣いたらよく原因を確かめましょう。泣いたからといってすぐお乳を与えたり、抱いたり、おぶったりするのはよくないことです。
ニ.子どもの一人遊びは大切です。
ホ.食べることも着ることもそのほかのことも一人でできるように仕向けましょう。

・・・驚きです。今は「育児の誤解」とされていることの真犯人は、実は厚生省が作成した母子手帳だったのですね。その後西洋式育児法を見直し、1985年に大幅な内容改訂が施され、「添い寝」や「抱っこ」はマイナスからプラスへ180度評価が変わりました。

★ スポック博士の育児書ー家庭内の母子分離ー
 アメリカでは誕生直後から赤ちゃんの寝床は別にし、半年以内に別室に移すのが一般的です。夜中に泣いてもそばに行かず放置するのが原則です。昼間は4時間おきの授乳時間以外は泣いても乳を飲ませないし、甘やかし、抱き癖、構いすぎなどを厳しく戒めるので親子がふれあう機会が少なくなります。
 親子が一緒にいても抱っこはされずにベビーベッドかベビーサークルの中に置かれ、外出してもおんぶはされずに乳母車に座っているだけです。

★ 母乳育児が子どもにもたらす利点ー米国小児科学会編「母乳育児のすべて」よりー
①免疫力が強くなるので各種の罹病率が低くなる。
・アレルギーや湿疹はミルク育児の1/2~1/7。
・耳の感染症と胃腸炎は1/3。
・髄膜炎は1/4。
・尿路感染症は1/3~1/5。
・I型糖尿病は1/2。
・肺炎、下気道感染症は1/2~1/5。
・炎症性腸疾患は1/2。
・急性白血病、乳幼児突然死症候群、ホジキン病などにかかりにくくなる
②成長してから肥満になる率が低く、女子の場合は乳ガンの危険率が減少する。
③IQや認知能力テストの成績が高くなる。これは母乳に含まれている特殊な脂肪酸(DHAなど)が脳の発達に適しているため。
④心理的に安定し、他人との親密な関係を結びやすくなる。
★ 母乳育児が母親にもたらす利点
①乳ガン、卵巣癌になる率が下がる。骨粗鬆症と骨折の危険率が減少する。
②出産前の体型に戻りやすくなる。これは授乳で蓄積脂肪芽減るため。
③心理的に安定し大人になる。これは育児ホルモンの働きによって自己中心的な志向が薄れ、他人に親切で寛容な心情が養われるから。
④ミルクや哺乳備品が不要なので金銭的な負担が減り、旅行や外出の際にも手間が省ける。

★ 米国小児科学会の早期離乳に対しての反省
 他の多くの文化圏では離乳は準備のできた子ども達の方から始められるのに、米国では母親の方から始めることが多くなっています。世界的には離乳の平均的な時期は2~4歳で、母乳育児を6、7歳まで続ける社会もあります。
 母乳の成分は赤ちゃんが1歳を過ぎても変化を続けて優れた栄養として重要で、子どもの免疫組織の強化にも役立つことがわかってきました。また研究により母乳育児の効果が明らかになり、母乳育児を長く続けるほどに、子どもが母乳をたくさん飲むほどに子どもと母親の健康によいことがわかってきました。

★ 母乳がよく出るように栄養をつけようとする人が多いのですが、母乳の供給を増やすような食品や成分はありません。母乳を出すために牛乳を飲む必要もありません。ご飯と味噌汁と野菜中心のおかずだけで母乳はたっぷり出るのです。

★ ヒトの親子の生涯において、哺乳期間ほど強い親愛感を伴った体験を共有するのは他にありません。この貴重極まる機会を無味乾燥なボトル保育で失うのはあまりといえばあまりの損失なのです。
 乳幼児期にどれだけ親とスキンシップを持ったか、つまり親と子がどれだけ肌を触れあったかが本人の生涯における人間関係に大きな影響を与えるのです。

★ 満たされない「ふれあい要求」の弊害
 離乳が早すぎたり独り寝ばかりさせていると、そのふれあい不足を埋めるために特定のぬいぐるみやタオルなどに執着する現象がみられます。これは指しゃぶりと同じように母子接触の欠乏を示唆する自然な反応です。
 母親と分離されていると発育不良や性格異常になりやすい現象を「施設病」と呼びます。これは孤児院などの養育施設で育てられる幼児に「全身衰弱」や「発育不全」が多発するもので、19世紀からその現象は知られており、20世紀初期のアメリカの施設でも1歳未満のinfantile大半が死亡するほどひどいものでした。

・・・他の例をテレビで観たことがあります。チャウシェスク大統領時代のポーランド。人工妊娠中絶を法律で禁止したため、孤児が爆発的に増えて施設の狭い部屋に多人数押し込められて不十分な養育しか受けられない状況では子どもは皆異常行動を呈し、死亡する例も多いというおぞましい映像でした。

★ 乳児突然死症候群(SIDS)の増加
 SIDSの発生率はアメリカでは日本の20倍以上と高く、生後2週間から1歳未満の死因では第一位です。この突然死の原因については「うつぶせ寝」「寝具の不具合」「暖めすぎ」「親の喫煙」などが上げられています。SIDS研究の世界的権威であるジェームズ・マッケナ博士はこの病気の有力な発生源として「乳児を独り寝させる欧米流の育児法」を挙げています。
 この突然死は「ベビーベッド死」とも呼ばれていることからもわかるように、ほとんどがベッドで独り寝しているときに発生します。

・・・赤ちゃんの孤独死という側面もありそうですね。

★ 未熟な状態で生まれたヒトの赤ちゃんにとって、「羊水」の代わりが「肌の触れあい」、「胎盤」の代わりが「母の乳房」なのです。人工乳による保育は本当にどうにもならない場合の最後の手段であり、母乳と並べてどちらかを選ぶというような二者択一の対象ではないのです。

★ 夜泣きについて
 様様な人類学者の報告によると、原始的な生活を送っている集団の中では泣き続ける子どもの姿はめったに見られません。その理由は、母親がいつも子守帯でおんぶし、寝るときも必ず添い寝して泣けばすぐに好きなだけ母乳を飲ませるからです。
 近世の日本についてもモースが「私は今までに揺りかごを見たことがない。また、一人放り出されて目の玉が出るほど泣き叫んでいる赤ん坊も見たことがない。事実、赤ん坊の泣き声は日本では極めて希な物音である。」(『日本その日その日』より)。
 現代の日本に「泣きやまない子」が増えたのは、伝統的な育児法によって満たされていた「皮膚接触」を全く無視し、テレビやビデオに子守をさせる親が多いからです。

★ colic(疝痛)と指しゃぶり
 colic・・・泣きやまない赤ちゃんはお腹を痛がっているのだろうと考えて命名された。
 「疝痛を起こしている乳児は非常にお腹がすいているように見え、手当たり次第に何にでも一生懸命吸い付く」
 「疝痛を起こしている乳児は出蹴れたり揺り動かされたり穏やかに軽くたたかれたりすると静かになる。おしゃぶりも乳児を静かにさせる。非常に活発で落ち着かない乳児は布でくるんでやると効果的なことがある」(メルクマニュアル日本語版より)
 以上の記述からわかるように、乳児が欲しくて泣き叫んでいるのは「乳房を中心とした母親との接触」なのです。
 「布でくるむ」のは、全身が羊水に包まれていた胎児の状態を再現するものなので、子宮内に戻った感じで落ち着くのです。
 メルクマニュアルには「疝痛は生後3~4ヶ月で治まる」と記されていますが、その時期になると乳児が自分の指をくわえられるようになり、それをおしゃぶりの代用にするからです。欧米の乳幼児の写真を見るとベビーカーの中で指を吸っている子どもが非常に多いことがわかります。この乳児期における口唇面の欲求不満は大人になってから様様な代償行為を引き起こしますが、アメリカで「噛みタバコ」や「ガム」の愛用者が多いのもその一つでしょう。
 最近は日本でも指しゃぶりする子をよく見かけますが、昔はほとんどありませんでした。モンタギュー博士(※)は「一般に子どもが必要とする皮膚刺激をすべて与えている原始的な社会では、指吸いや指しゃぶりがめったにないのは興味深い事実である」と記しています。
※ アシュレイ・モンタギュー博士:皮膚接触が持つ重要性を多面的に解説した名著「タッチング」の著者。

★ 乳糖不耐症と日本人
 日本人は牧畜を続けていた欧米人とは違って「乳糖」を消化できない「乳糖不耐症」の人が多いので、自分では気づかぬうちにミルクアレルギーによって便秘、喘息、アトピー、中耳炎、ただれ、鼻づまり、下痢などに悩ませれる割合が想像以上に多いのです。アメリカの白人では、乳糖不耐症の人は8%、デンマーク人では2%、日本人は85%にものぼります。
 群馬大学小児科名誉教授の故・松村龍雄氏は「アメリカの小児アレルギーの第一人者であるグレーザー博士は乳児のミルク栄養について、『人類がかつて受けた実験のうちでもっとも規模が大きく影響力が大きく、しかもその被害が医師にすら気がつかれないでいるもの』と批評している。」と書き残しています。

★ 「ふれあい」体験の減少による弊害
 人間は一生涯のうちに様々な「皮膚接触(ふれあい)」を体験します。その最初のものが母親などの保護者によるおんぶや抱っこ、添い寝であり、次が子ども同士のじゃれ合いや遊び、そしてスポーツや男女の交わりへと進みます。
 「三つ子の魂百まで」といわれますが、この「三つ子」は満三歳ではなく数え年で「満二歳前後の子ども」のことです。昔の日本では3歳頃まで授乳するのは一般的でしたし、おんぶも添い寝も当然でしたから、「ふれあい」が保証されていました。心身ともに健やかな子どもが巷にあふれ、モースその他の外国人から「世界一よい赤ん坊」と称賛されたのです。
 しかし、戦後の日本ではアメリカ式育児の影響で「おんぶ」などによる親子の肌の触れあう機会が激減し、さらにテレビ・ビデオ・テレビゲームなどの登場により子どもの遊びが屋外の集団行動から室内の一人遊びに変わったため、子ども同士の皮膚接触も非常に少なくなってしまいました。
 現代は「ふれ合い」のない「孤独」な人々が増えており、その寂しさを紛らわすためにギャンブル、酒、ドラッグ、暴食、非行に走ったり、ふれ合う相手として「人間」の代わりに「ペット」を飼ったり、「人形(フィギュア)」や「物品」を買い集めたりするのです。

★ 発達障害(自閉症、ADHD)は対人関係の障害
 発達障害者は「精神病ではないけれどもどこか普通の人と違ったところがある人たち」です。その違いの要点は「社交性」つまり「対人関係」にあります。発達障害は他人とつきあう際の「社交能力」の発達が不十分な症状なのです。
 その「社交力」の低下程度に応じて、重度では「自閉症」となり、中度なら「アスペルガー症候群」その他の「広汎性発達障害」や「注意欠陥・多動性障害(ADHD)」などになり、さらに軽いと「引きこもり」や「ニート」となるのです。また、もっとも軽症な例として「自己チュー」を挙げることもできるでしょう。

★ 日本の「親子」「夫婦」「社会」における人間関係の崩壊
2000年「児童虐待防止法」制定・・・「親子関係」というもっとも基本的な人間関係の崩壊が多発していることを意味する。
2001年「配偶者からの暴力防止および被害者の保護に関する法律」制定・・・家庭の最小単位である「夫婦関係」に崩壊が起きていることを示す。
2004年「発達障害者支援法」制定・・・「社会性・社交性」に欠けた各種の人々の出現により「社会的な人間関係」が色々な形で崩壊し始めたことを意味する。
 これらはいわば「日本の崩壊を示す三法」とでも呼ばれるべきものです。

★ 世界各国の帝王切開率
 お産に関する訴訟を避けるために防衛的な医療措置として帝王切開が増加しています。
アメリカ:25%以上、韓国:40%(世界一!)、日本:20%

★ 「人工難産」による発達障害児の増加
 正常分娩に麻酔などの医療が介入してかえって難産になることがあります。このようなお産管理法で生まれた子どもに自閉症が多いと日本でも報告されました(Lancet, 1991年、「全身麻酔分娩後の自閉症と発達障害」(熊本大学医学部他))。
 アメリカでは家庭出産から病院出産への移行は1920年代から急増し、1930年代末には病院出産の割合が50%に達し、産科医療も監視や鎮痛剤・麻酔剤の使用率が高まっていったのですが、それと符合するかのように1930年代にチャールズ・ブラッドれーらによって子どもの多動性障害が報告され、1940年代にはカナーが幼児自閉症の症例を、アスペルガーが小児自閉症の症例を発表しました。
 戦後に始まった日本の病院出産はアメリカをモデルとして、①投薬、②麻酔、③器具分娩、④手術、⑤陣痛促進剤などを併用する人工分娩が一般的となりました。

★ 家庭出産が多いオランダ
 先進国の中ではオランダが伝統的に家庭出産が多く、今日でも三割以上が助産師に解除されて自宅出産をしていますが、母子双方の安全性に関する数値は病院出産と変わりなく、ほかの先進諸国に比べても遜色ありません。
 すでに世界の大勢は産科医に管理された受け身の出産から助産師に支えられた主体的な出産へ移行しつつあり、多くのヨーロッパ諸国では妊産婦の選択に基づいて助産師が介助する自然出産が主流となっています。


・・・書いてあることは一理あるとは思います。しかし、小児科医でNICU勤務経験のある私にいわせると・・・・「安全」を優先するなら有事の際に対応可能で小児科医も待機する病院出産の必要性も存在すると思います。「お産は病気ではない」のですが、トラブルは一定の確率で出てきます。明治初期のお産の実態はお産1000件に対して妊婦・新生児死亡などのトラブルが10件以上あったというデータを目にしたことがありますので。



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