副題: ープロが本音で語る最新ブランドウォッチ50ー
著者: Watch Watchers編
発行:双葉社(2001年)
少し前の本ですが、本棚の片隅に埋もれつつあるのを引っ張り出して読んでみました。
内容は3人の時計ご意見番が取り上げたモデルについてコメントするというもの。
その3人とは・・・
・山田五郎氏:どうもこの人はタモリの番組に出てから「お尻博士」のイメージが強いのですが、なかなか博識で時計への造詣も深く、時計オタクという立場からの発言です。質屋のおじさん受けも解説してくれます。
・栗崎賢一氏:いわずと知れた横浜の時計店大安堂の主人で機械式時計ムーブメントの研究者でもあります。機械を知り尽くした専門家としてのコメント。
・正木秀次氏:この人は私は知りませんでした。セレクトショップ「エディフィス」バイヤーとのこと。「今何が売れるか?」という現場からのコメント。
皆好き勝手なことを結構言ってます。
トーク・バトルだったらもっと面白かったかもしれません。
機械式時計の知識がある人ばかりなので自ずと高評価となるブランドが限られてきます。
<高評価群>
やはりマニュファクチュール(自社ですべて生産できる会社)であるジャガー・ルクルトの評価は高い。栗崎氏は機械に満点の評価です。ジラール・ペルゴもまあまあ。この2つのブランドはレベルソやヴィンテージ1945など角形デザインで成功したことも特徴ですね。
伝説のクロノグラフムーブメント「エルプリメロ」を有するゼニスも高評価。特に栗崎氏はべた褒めです(私はデザインが今ひとつだと思いますが)。「エルプリメロ」は以前のロレックス「デイトナ」にも搭載されていました。現在は自社開発のムーブメントが搭載されていますが、栗崎氏は「クロノグラフを知らないヒトが設計している」と一刀両断!
インター(IWC)の評価は思ったほどではありません。
山田氏によると、質屋のおじさん受けするのはやはり昭和期に輸入された憧れブランド:オメガ、インター、ロンジン、ナルダン・・・あたりらしい。高級懐中時計のイメージが強いとか。ロンジンは現在は二流メーカーに成り下がっていますが、昔の評価は高かったのですねえ。
<低評価群>
ブルガリなどデザイナーズブランドは予想通りケチョンケチョンにけなされています。
ただし、カルティエは別格。このブランドは腕時計を初めて造ったという歴史を持っており、デザインも牽引してきました。器械は昔はよかった(EWC=ルクルト?)らしいのですが、最近の機械は評価されていません。
昔の有名時計師の名前を借りて復活したかのような雨後の竹の子ブランド(ダニエル・ジャンリシャール等)にも厳しい評価が下されています。それから、独立時計師が創設した後に経営問題(?)のためか退いてしまい抜け殻となったブランド(ダニエル・ロートなど)も低評価。フランク・ミューラーも創設当初の熱意が感じられず手抜き状態なので低評価ですね。
ブライトリングは宣伝の仕方が上手いので最近売れてはいますが、私は?でした。山田氏は高評価ですが、栗崎氏は機械をあまり評価していません。話題先走りの感があるパネライもとっても低評価。
クロノスイス、ポールピコやモーリスラクロアなど機械好き時計オタクが好きそうなブランドも低評価だったのは意外でした。
そういえば、この本には雲上ブランドで時計界のロールスロイス的存在のパテック・フィリップが出てきませんでした。2番手のヴァシュロン・コンスタンタンは出てきましたが、ここのムーブメントはルクルトを使っているので高評価でした。
私自身はこの本でもムーブメントの評価が高いルクルト、インター、ジラール・ペルゴなどのブランドのシンプル時計が好きです。
最近はアンティーク感のある1950~60年代の時計をつい購入してしまう傾向があります。骨董屋さんの奥で鎮座しているような怪しい雰囲気がたまりません。
さて、ロレックスは時計界のメルセデス・ベンツ的存在です。
私は今までアンチロレックス派でしたが、気がつくといつの間にか手元に数個あります。
なんでかな~と考えると、使いやすさですね。
高温多湿の日本では「非防水」「革ベルト」は使い勝手が悪い。
汗っかきの私には革ベルトはアウト!
ロレックスは初期から防水機能に注目し「オイスターケース」を開発しました。
また、金属ブレスをデザイン的にも完成させた功績もあると思います。
巷ではバブル時計というイメージが強く残っているようですが、私は実用時計としてこれからも愛用しそうです。
でも現行品ではなく、やはり1960年代のアルファ針が柔らかい印象があるので好きですね。
最後になりますが、セイコーについて栗崎氏が「日本の時計メーカーは機械式ではなく、やはりクォーツで世界一を目指すべきだと思う」とコメントしているのが印象に残りました。含みのある言葉です。
★ 追記;白洲次郎愛用のロレックス
著者: Watch Watchers編
発行:双葉社(2001年)
少し前の本ですが、本棚の片隅に埋もれつつあるのを引っ張り出して読んでみました。
内容は3人の時計ご意見番が取り上げたモデルについてコメントするというもの。
その3人とは・・・
・山田五郎氏:どうもこの人はタモリの番組に出てから「お尻博士」のイメージが強いのですが、なかなか博識で時計への造詣も深く、時計オタクという立場からの発言です。質屋のおじさん受けも解説してくれます。
・栗崎賢一氏:いわずと知れた横浜の時計店大安堂の主人で機械式時計ムーブメントの研究者でもあります。機械を知り尽くした専門家としてのコメント。
・正木秀次氏:この人は私は知りませんでした。セレクトショップ「エディフィス」バイヤーとのこと。「今何が売れるか?」という現場からのコメント。
皆好き勝手なことを結構言ってます。
トーク・バトルだったらもっと面白かったかもしれません。
機械式時計の知識がある人ばかりなので自ずと高評価となるブランドが限られてきます。
<高評価群>
やはりマニュファクチュール(自社ですべて生産できる会社)であるジャガー・ルクルトの評価は高い。栗崎氏は機械に満点の評価です。ジラール・ペルゴもまあまあ。この2つのブランドはレベルソやヴィンテージ1945など角形デザインで成功したことも特徴ですね。
伝説のクロノグラフムーブメント「エルプリメロ」を有するゼニスも高評価。特に栗崎氏はべた褒めです(私はデザインが今ひとつだと思いますが)。「エルプリメロ」は以前のロレックス「デイトナ」にも搭載されていました。現在は自社開発のムーブメントが搭載されていますが、栗崎氏は「クロノグラフを知らないヒトが設計している」と一刀両断!
インター(IWC)の評価は思ったほどではありません。
山田氏によると、質屋のおじさん受けするのはやはり昭和期に輸入された憧れブランド:オメガ、インター、ロンジン、ナルダン・・・あたりらしい。高級懐中時計のイメージが強いとか。ロンジンは現在は二流メーカーに成り下がっていますが、昔の評価は高かったのですねえ。
<低評価群>
ブルガリなどデザイナーズブランドは予想通りケチョンケチョンにけなされています。
ただし、カルティエは別格。このブランドは腕時計を初めて造ったという歴史を持っており、デザインも牽引してきました。器械は昔はよかった(EWC=ルクルト?)らしいのですが、最近の機械は評価されていません。
昔の有名時計師の名前を借りて復活したかのような雨後の竹の子ブランド(ダニエル・ジャンリシャール等)にも厳しい評価が下されています。それから、独立時計師が創設した後に経営問題(?)のためか退いてしまい抜け殻となったブランド(ダニエル・ロートなど)も低評価。フランク・ミューラーも創設当初の熱意が感じられず手抜き状態なので低評価ですね。
ブライトリングは宣伝の仕方が上手いので最近売れてはいますが、私は?でした。山田氏は高評価ですが、栗崎氏は機械をあまり評価していません。話題先走りの感があるパネライもとっても低評価。
クロノスイス、ポールピコやモーリスラクロアなど機械好き時計オタクが好きそうなブランドも低評価だったのは意外でした。
そういえば、この本には雲上ブランドで時計界のロールスロイス的存在のパテック・フィリップが出てきませんでした。2番手のヴァシュロン・コンスタンタンは出てきましたが、ここのムーブメントはルクルトを使っているので高評価でした。
私自身はこの本でもムーブメントの評価が高いルクルト、インター、ジラール・ペルゴなどのブランドのシンプル時計が好きです。
最近はアンティーク感のある1950~60年代の時計をつい購入してしまう傾向があります。骨董屋さんの奥で鎮座しているような怪しい雰囲気がたまりません。
さて、ロレックスは時計界のメルセデス・ベンツ的存在です。
私は今までアンチロレックス派でしたが、気がつくといつの間にか手元に数個あります。
なんでかな~と考えると、使いやすさですね。
高温多湿の日本では「非防水」「革ベルト」は使い勝手が悪い。
汗っかきの私には革ベルトはアウト!
ロレックスは初期から防水機能に注目し「オイスターケース」を開発しました。
また、金属ブレスをデザイン的にも完成させた功績もあると思います。
巷ではバブル時計というイメージが強く残っているようですが、私は実用時計としてこれからも愛用しそうです。
でも現行品ではなく、やはり1960年代のアルファ針が柔らかい印象があるので好きですね。
最後になりますが、セイコーについて栗崎氏が「日本の時計メーカーは機械式ではなく、やはりクォーツで世界一を目指すべきだと思う」とコメントしているのが印象に残りました。含みのある言葉です。
★ 追記;白洲次郎愛用のロレックス
バブル期以降、ロレックスはメジャーになりすぎた感があり、天の邪鬼の私も現行品は押し出しが強くて好みません。
でも、文章中に記したように、1950~1960年代のロレックスはもっと柔らかい印象があります。
金無垢ロレックスでも、愛用者の白洲次郎がはめていた姿はひたすらかっこいい!
使用者も時計に似合う存在になれるよう精進が必要かもしれませんね(笑)。
ロレックスしてると恥ずかしいという風潮がちょっとありますよね
ルクルト、インター、ジラール・ペルゴは私も大好きです