日々雑感

読んだ本やネット記事の感想、頭に浮かんでは消える物事をつらつら綴りました(本棚7)。

時計職人「本間直樹」

2014-05-26 06:48:46 | 時計・鞄・靴
 NHK-BS「感涙!よみがえりマイスター」で時計修理を扱っていました。
 番組テーマは「人生をともに歩んだ腕時計」。
 持ち込まれたのは、70代の畳職人のおじさんが30代の時に一念発起して購入したオメガの自動巻時計。
 もう10年止まったままで錆び付いた時計を甦らせることができるか?

 そこで登場したのが本間直樹さん。
 スイスの時計職人養成学校で修行した方で、現在ダーリアという会社に属しています。

 時計修理職人の仕事が映像で紹介されるのは珍しい。
 いやはや、参りました。
 細かすぎる作業(5/100mmの世界)、時計を製造したときの状態に限りなく近く戻してお返ししようという執念/プロ意識に脱帽しました。

 修理対象のオメガの時計の故障原因は、竜頭から水が入ったため起きた巻き芯が錆び。
 丁寧に扱ってきたので、雨が原因ではないかと振り返る畳職人。
 回復させるべくあらゆる手段を駆使するも、脆くなった巻き芯は折れてしまいました。
 
 無いなら作る!

 本間さんは旋盤を用いて(一部は手作業で)、ステンレスの棒から巻き芯を削りだしてしまいました。
 巻き芯を通す穴が摩耗して広がっているので、オリジナルより3/100mm程度太くしたとのこと。
 それをさらに長持ちするように「焼き入れ」「焼戻し」というテクニックも紹介されました。

 機械式時計フリークの私にはたまらない内容でした。
 
 私が時計のOHを依頼する銀座の時計店があります。
 主人は時計職人で、機械式時計、それも懐中時計の修理が専門です(ガンコ親父系)。
 以前雑談の中で「無い部品は作ればいい」「週末は旋盤をいじってるんだよ」と何気なくコメントされたことを思い出しました。
 
 あんな細かい作業をしてるんだ・・・と改めて感心したのでした。

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